山田孝之が初のシングルファザー役 國村隼、余貴美子、広末涼子ら共演で重松清氏の『ステップ』を映画化
(C)2020映画『ステップ』製作委員会
重松清氏原作の小説『ステップ』が映画化され、2020年4月3日(金)に劇場公開されることが決定した。
『ステップ』の原作小説は、2009年に初版が発行され、累計発行部数8.5万部を超える作品。30歳の若さで亡くなった妻への思いを胸に抱き、娘を育てる父親の10年間を描いている。
主人公・健一役で主演するのは、山田孝之。山田は、久しぶりに実年齢と同じ等身大の男性、かつ初のシングルファザーを演じることに。さらに、義父役で國村隼。義母役で余貴美子が共演。そのほか、健一が悩みを相談する同僚役で広末涼子、健一の娘・美紀が通う保育園の先生役で伊藤沙莉、亡き妻・朋子の面影をもつ店員役で川栄李奈が出演。そして健一の娘・美紀役には、中野翠咲、白鳥玉季、田中里念がオーディションで選ばれ、2歳から12歳までの3つの年代を演じる。そのほか、岩松了、日高七海、角田晃広、片岡礼子らがキャスティングされている。
(C)2020映画『ステップ』製作委員会
メガホンをとったのは、『虹色デイズ』『笑う招き猫』『大人ドロップ』などを手がけた飯塚健監督。飯塚監督は、山田と『荒川アンダー ザ ブリッジ THEMOVIE』(2012年)、ドラマ『REPLAY&DESTROY』(2015年)を経て、3度目のタッグを組むことになる。
なお、本作は2019年5月に約1ヶ月間をかけ、都内近郊を中心に千葉や静岡などで撮影が行われた。
主演の山田、飯塚監督、原作者の重松氏のコメントは以下のとおり。
山田孝之
健一を演じた1か月間は、亡くなった奥さんの存在がいつも心の中にあって、そばに感じていたので、本当に大変な時間でした。健一は、悩み、努力しながら生きていく、どこにでもいる普通の男です。
こんな時、奥さんがいてくれたらどうしただろうとか、もう少し辛くなかったのではないだろうかとか、だけど見守ってくれているから、一人じゃないと言い聞かせてみたり、でも実際一人だし…ということの繰り返し。そんな健一の目の前に起きる出来事を、自分なりに素直に受け止め、行動して、必死に生きていこうと思いました。
そうすれば、この映画を観た人を少しでも励ましたりできるのではないかと思っています。
飯塚 健(監督)
本屋で手にしたその日のうちに、夜通し読み続け、幾度となく涙した。
その数日後には、脚本を書き殴った。ほとんど衝動だった。が、葛藤もした。大が付くほど、重松さんのファンだったから。迂闊に映画になどするべきじゃない。一ファンのままでいた方が幸せだ。…それでも脚本を送らせて頂いたのは、「どうしても映画にしたい」という気持ちが勝ったからだ。返答は驚くほど早かった。すぐに読んで下さり、まだ粗い初稿だったにも関わらず、映画化の快諾を頂いた。 と、それがおよそ10年前のこと。つまり念願の企画が、多くの力添えを頂き、実現に至りました。40代初めての監督作品です。主演は一人しか居ないと思いました。
山田孝之くんが、若くして妻を喪い、残された娘と生きてゆく父親を演じる、10年に渡る家族の物語、命の物語です。
何を話しても、返事が聞こえなくなってしまった部屋。その部屋の真ん中にある、消えない悲しみと寂しさ。乗り越えられない痛み。それでも娘は成長する。やがて部屋には会話が生まれる。生活の音が二人分になる。
そうやって一歩一歩「育ってゆく」親子の姿を、ぜひ大きなスクリーンでご覧下さい。
重松 清(原作)
パパと一人娘、それぞれの成長物語です。長いタイムスパンのお話だけに、実写化は無理だろうと思っていました。でも、パパを演じてくださるのが山田孝之さんだと聞いて、「おおっ!」とガッツポーズをつくりました。そのグッと握った拳は、クランクアップ後のいまもなお、そのままです。いや、さらに力がこもって、気がつくとVサインに変わっていたりして。
2020年4月3日(金) より 全国ロードショー。