ボリショイ・バレエが2020年冬に来日し豪華3演目を披露&映画上映も大好評、いまボリショイが熱い!
『スパルタクス』(C)Damir Yusupov
ボリショイ・バレエが2020年11~12月に来日する。2020年3月28日(土)に東京公演のが一般発売となる。
240年を超える歴史と伝統が息づく世界最高峰の名門は、初来日(1957年)以来長きにわたって日本で愛されている。ボリショイとはロシア語で「大きい」という意。単に大きな劇場というだけでなく、優美さと力強い表現力を併せ持つ舞踊スタイルは圧倒的で、「バレエといえばボリショイ!」という筋金入りのファンの方も少なくないはず。3年ぶりの来日公演では3つの珠玉のプログラムを通して、21世紀のボリショイの真価を示すに違いない。
『白鳥の湖』(C)Natalia Voronova
古典バレエの代名詞『白鳥の湖』(全2幕4場)は定番。ボリショイの帝王グリゴローヴィッチの改訂振付(2001年版)はスピーディーに展開し、見ごたえのある踊りの数々がドラマを物語る。不朽の名曲を生んだチャイコフスキーの生誕180年を極上の『白鳥の湖』と共に祝したい。
『白鳥の湖』(C)Natalia Voronova
ボリショイの真骨頂を示す傑作が『スパルタクス』(全3幕12場)だ。帝政ローマ時代の反乱軍の戦いを背景にしたドラマティックな愛の物語はグリゴローヴィッチの最高傑作で、ハチャトゥリアンの勇壮な音楽も相まって血沸き肉躍るような興奮を味わえる。ボリショイを語るうえで欠かせない一大巨編8年ぶりの日本での上演が楽しみだ。
『スパルタクス』(C)Damir Yusupov
今回のために特別に構成される『ボリショイのすべて~プレミアム・エディション』にも要注目。これはボリショイのスターたちが多彩な個性を輝かせる豪華な饗宴だ。現時点では各日の上演内訳は未定だが、『ラ・バヤデール』より「影の王国」、『ジュエルズ』より「ダイヤモンド」他が予定されている。12月6日公演は名花スヴェトラーナ・ザハーロワ プロデュースによる特別版。舞踊監督マハール・ワジーエフとザハーロワの手腕に期待したい。
『ジュエルズ』より「ダイヤモンド」 (C)Damir Yusupov
ボリショイ劇場管弦楽団が生演奏するのも魅力だ。総勢230名が来日する日本公演は豪華な陣容でボリショイの本領を十二分に発揮するだろう。
冬の来日まで待ちきれない方に堪えられないのが「ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2019 - 2020」だ。2019年12月~2020年6月の毎月第3水曜日の19:00に上映されており、ボリショイのホットな舞台を全国の映画館でいち早く鑑賞できる。
4月15日(水)には『白鳥の湖』(2020年新収録)を上映する。主な出演者はオルガ・スミルノワ(オデット&オディール)、ジャコポ・ティッシ(王子ジークフリート)、エゴール・ゲラシチェンコ(ロットバルト)、アレクセイ・プチンツェフ(道化)という顔ぶれ。来日公演の予習にうってつけだ。 → 上映中止となりました。
『白鳥の湖』(C)Damir Yusupov
5月20日(水)には『ジゼル』を上映。こちらはアレクセイ・ラトマンスキーが数々の資料にあたって振付した新プロダクションで話題になっている。ジゼル役はオルガ・スミルノワ、アルブレヒト役はアルテミー・ベリャコフ。スミルノワはテクニックがしっかりしているのみならず演技力も注目される。『ジゼル』では村娘のジゼルの微細な感情の移り変わりやウィリーになってからのアルブレヒトへ深い思いをどのように表すのか興味が尽きない。
『ジゼル』(C)Pathe Live
日本公演に話を戻すが、『スパルタクス』でスミルノワがエギナ(11月27日)、ベリャコフがクラッスス(11月26日)を踊る。エギナは妖艶さを醸して男たちを誘惑する悪役で、日本では楚々としたバレリーナのイメージが強いスミルノワの表現の幅の広さを実感できそうだ。また11月26日にエギナを踊るザハーロワとの“エギナ対決“も今回の見どころといえよう。
ボリショイ・バレエの魅力を舞台で、映画で思う存分堪能したい。
ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2019 – 2020
文=高橋森彦
公演情報
■東京公演:2020年11月26日(木)~12月6日(日)
『スパルタクス』
11月26日(木)18:30(デニス・ロヂキン、アルテミィ・ベリャコフ、スヴェトラーナ・ザハーロワ、アンナ・ニクーリナ)
11月27日(金)18:30(イーゴリ・ツヴィルコ、ウラディスラフ・ラントラートフ、オルガ・スミルノワ、マリーヤ・ヴィノグラードワ)
『白鳥の湖』
11月28日(土)18:00(エカテリーナ・クリサノワ、アルチョム・オフチャレンコ)
11月29日(日)13:00(アリョーナ・コワリョーワ、ジャコポ・ティッシ)
11月29日(日)19:00(オルガ・スミルノワ、セミューン・チュージン)
12月1日(火)13:00(アンナ・ニクーリナ、アルテミィ・ベリャコフ)
12月1日(火)19:00(スヴェトラーナ・ザハーロワ、デニス・ロヂキン)
12月6日(日)17:00
★12月6日公演はスヴェトラーナ・ザハーロワのプロデュースによる演目構成を予定
■料金:
[対象公演]
11月26日(木)18:30『スパルタクス』
12月1日(火)19:00『白鳥の湖』
12月6日(日)17:00『ボリショイのすべて~プレミアム・エディション』
S席27,000円 A席23,000円 B席19,000円 C席15,000円 D席11,000円
S席26,000円 A席22,000円 B席18,000円 C席14,000円 D席10,000円
その他、3演目セット券、U25 (各ランクの半額)、シニア・、車椅子の特別割引あり
■お問合わせ:ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
東京以外の公演
●11月23日(月・祝)びわ湖ホール『スパルタクス』
お問合わせ:びわ湖ホールセンター 077-523-7136
●11月24日(火)昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)『白鳥の湖』
お問合わせ:前橋市まちづくり公社 027-221-4321
●12月5日(土)フェスティバルホール『白鳥の湖』
お問合わせ:フェスティバルホールセンター 06-6231-2221
上映情報
■音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
■振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
■台本:ユーリー・グリゴローヴィチ
■出演:オルガ・スミルノワ(オデット&オディール)、ジャコポ・ティッシ(王子ジークフリート)、エゴール・ゲラシチェンコ(ロットバルト)、アレクセイ・プチンツェフ(道化)
『ジゼル』
■振付:アレクセイ・ラトマンスキー
■台本:テオフィル・ゴーチェ、ジャン・アンリ・サン=ジョルジュ
■出演:オルガ・スミルノワ(ジゼル)、アルテミー・ベリャコフ(アルブレヒト)、デニス・サーヴィン(ハンス(ヒラリオン))、アンゲリーナ・ヴラーシネツ(ミルタ)、ネッリ・コバヒーゼ(バチルド)、リュドミラ・セメニャカ(ベルト)、アナスタシア・デニソワ(ズルマ)
【料金】全席指定 大人3,700円(税込) 学生2,500円(税込)
※学生の方は、劇場にて学生証のご提示をいただく場合がございます。