第30回出光音楽賞に佐藤晴真(チェロ)、服部百音(ヴァイオリン)、藤田真央(ピアノ)
左から 佐藤晴真:(C)ヒダキトモコ 、服部百音:(C)Chihoko Ishii 、藤田真央:(C)EIICHI IKEDA
第30回出光音楽賞の選考が行われ、佐藤晴真(チェロ)、服部百音(ヴァイオリン)、藤田真央(ピアノ)3名の受賞者が決定した。
「出光音楽賞」は出光興産株式会社主催の音楽賞で、主にクラシックの音楽活動を対象に、育成という観点から意欲、素質、将来性などに重きを置き、新進の音楽家を顕彰してきた。歴代受賞者には上野耕平(サクソフォン)や反田恭平(ピアノ)などが名を連ねる。今回受賞者のプロフィールは、下記詳細情報にて。(五十音順)
■佐藤晴真(チェロ/22歳)
佐藤晴真 (C)ヒダキトモコ
■服部百音(ヴァイオリン/20歳)
服部百音 (C)Chihoko Ishii
■藤田真央(ピアノ/21歳)
藤田真央 (C)EIICHI IKEDA
佐藤晴真プロフィール
1998年2月27日愛知県名古屋市生まれ。現在、その将来が最も期待される弱冠22歳の新進気鋭のチェロ奏者。2019年、長い伝統と権威を誇るミュンヘン国際音楽コンクールチェロ部門において日本人として初めて優勝して、一躍国際的に注目を集めた。2018年には、ルトスワフスキ国際チェロコンクールにおいて第1位および特別賞を受賞している。
第11回泉の森ジュニアチェロコンクール中学生部門金賞、第67回全日本学生音楽コンクールチェロ部門高校の部第1位および日本放送協会賞、第83回日本音楽コンクールチェロ部門第1位および徳永賞・黒栁賞、第13回ドメニコ・ガブリエリ・チェロコンクール第1位、第1回アリオン桐朋音楽賞など、多数の受賞歴を誇る。すでに国内外のオーケストラと共演を重ねており、室内楽公演などにも出演して好評を博している。また、NHKテレビ、NHKFMにも出演している。2018年8月には、ワルシャワにて「ショパンと彼のヨーロッパ国際音楽祭」に出演。2019年12月には、本格デビューとなるリサイタル公演を成功裡に終える。2020年はサンクトペテルブルク交響楽団、香港フィルハーモニー管弦楽団、プラハ放送交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、NHK交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団など国内外のオーケストラに招かれており、サントリーホールチェンバーミュージック・ガーデンなど室内楽にも積極的に活動している。
これまでに、林良一、山崎伸子、中木健二の各氏に師事。現在は、ベルリン芸術大学にてJ=P.マインツ氏に師事している。
2013年度東京都北区区民文化奨励賞。2016年度東京藝術大学宗次德二特待奨学生。2018年度ロームミュージックファンデーション奨学生。2019年度第18回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。ベルリン在住。使用楽器は宗次コレクションより貸与されたE.ロッカ1903年。弓は匿名のコレクターより貸与されたF.Tourte。
服部百音プロフィール
1999年9月14日東京都港区生まれ5歳よりヴァイオリンを始め、6歳で桐朋学園大学音楽学部附属子供のための音楽教室に入室。8歳でオーケストラと初共演。2009年リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクールのジュニア部門で史上最年少第1位及び特別賞を受賞、全日本芸術コンクールで1位。東京都教育委員会、港区教育委員会より表彰を受ける。2010年より日本、ミラノ他でリサイタルやオーケストラとの共演を行うほか、ロシア、スイス、イタリア、ポルトガル、ドイツなどヨーロッパ各地でコンサートやオーケストラとの共演などをスタート。
2013年ヤング・ヴィルトゥオーゾ国際ヴァイオリン・コンクール(ブルガリア)のジュニア部門でグランプリ、特別賞を受賞。同年、ノヴォシビルスク国際ヴァイオリン・コンクール(ロシア)において、特別にシニア部門参加を認められ、最年少グランプリを受賞。並びに審査員特別賞、新曲賞を受賞。2014年9月にはハチャトゥリアン音楽祭(アルメニア)、15年4月にはトランス=シベリア芸術祭(ロシア、ノヴォシビルスク)に参加。2015年4月にはウラディーミル・アシュケナージ指揮、EUユース管弦楽団とスイス及びイタリアで演奏。同年ボリス・ゴールドシュタイン国際ヴァイオリン・コンクールでグランプリを受賞。2016年3月にはサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で演奏、11月から12月にかけて名古屋、大阪、東京(紀尾井ホール)でリサイタルツアーを開催。2016年10月デビューCD「ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、ワックスマン:カルメン幻想曲」を発表。『レコード芸術』誌特選盤等、高い評価を受けた。2017年第27回新日鉄住金音楽賞≪フレッシュアーティスト賞≫、岩谷時子≪FoundationforYouth≫を受賞。同年、読売日本交響楽団と東日本ツアー、日本センチュリー交響楽団と西日本ツアーを行い、名古屋、大阪、札幌、東京でリサイタルツアーを行う。2018年3月にはオスロでリサイタル・デビュー、6月にはトランス=シベリア芸術祭inJapan2018に参加。10月には大阪フィルハーモニー交響楽団、11月には札幌交響楽団との共演。同年第5回アリオン桐朋音楽賞、第1回服部真二音楽賞≪RisingStar≫を受賞。2019年には、NHK交響楽団定期演奏会および北海道ツアーに参加。ロビン・ティチアーティ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団を迎えてのサントリーホールでのコンサート、アジアユースオーケストラとの日本を含むアジア8ヶ所のツアー、紀尾井ホールでのリサイタルなど精力的な活動を展開。2020年には、港区の成人式「成人の日の集い」で特別ゲスト(本人も新成人)として演奏。3月、フランツ・リスト室内管弦楽団とのハンガリー、ドイツ16ヶ所でのコンサートツアーに参加。第21回ホテルオークラ音楽賞の受賞が発表されている。使用楽器は上野製薬株式会社より貸与されているピエトロ・グァルネリ。現在、ザハール・ブロン・アカデミーに在籍、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コースに在学中。
藤田真央プロフィール
1998年11月28日東京都新宿区生まれ2019年6月チャイコフスキー国際コンクールで第2位を受賞。聴衆から熱狂的に支持され、ネット配信を通じて世界中に注目された。入賞記念ガラ公演では、ワレリー・ゲルギエフ指揮/マリインスキー歌劇場管弦楽団と共演、喝采を浴びたことは記憶に新しい。2019/2020シーズンは、ゲルギエフ指揮/マリインスキー歌劇場管弦楽団と共演しロンドン・デビュー。THETIMES紙で「藤田は素晴らしい表現力と趣味の良い感性を持っており、躍動的で雄弁な詩情と、深みのある解釈を持ちつつ、恐れを知らない大胆な表現ができる。」と大絶賛された他、ミュンヘン、モスクワ、サンクトペテルブルグ、ソウルなどでもデビュー。これまでにルール音楽祭、ナントのラ・フォル・ジュルネに参加した他、今後ラ・ロック・ダンテロン音楽祭、白夜祭(マリインスキー劇場)、ユールマラ音楽祭(ラトヴィア)などにも出演予定。国内では、2019年12月ゲルギエフ指揮/マリインスキー歌劇場管弦楽団日本公演で、急な代役としてチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番を演奏。初めての演奏にも関わらず、瑞々しい音色、豊かな抒情性、類まれな音楽センスで、多くの聴衆を魅了。指揮者やオーケストラからも讃辞を受けた。さらに、2019/2020シーズンは、シューマン:ピアノ協奏曲、ショパン:ピアノ協奏曲第1番、ベートーヴェン:ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲を演奏。今後はモーツァルト:ピアノ協奏曲第24番、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番、第3番、第4番などにも取り組んでおり、確実にレパートリーを広げている。これまでに、ワレリー・ゲルギエフ、カーチュン・ウォン、オレグ・カエターニ、リッカルド・ミナーシ、クリスティアン・ツァハリアス、飯守泰次郎、小林研一郎、秋山和慶、大友直人、飯森範親、藤岡幸夫、マリインスキー歌劇場管弦楽団、ミュンヘン・フィル室内管弦楽団、東京都交響楽団、読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団等と共演。2017年には弱冠18歳で、第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝。併せて「青年批評家賞」「聴衆賞」「現代曲賞」の特別賞を受賞。2016年には、故中村紘子氏が最後に音楽監督を務めた浜松国際ピアノアカデミーコンクールで第1位に輝くなど、国内外での受賞を重ねている。話題の映画『蜜蜂と遠雷』では風間塵役の演奏を担当。インスパイアード・アルバム『藤田真央plays風間塵』が評判になっている。最新CDはレコード芸術誌で特選盤になった『ショパン:スケルツォ/即興曲』。『題名のない音楽会』『報道ステーション』などメディア出演も多い。ロームミュージックファンデーション奨学生。江副記念リクルート財団第49回奨学生。第21回ホテルオークラ音楽賞の受賞が発表されている。東京音楽大学で野島稔氏、鷲見加寿子氏に師事、2020年3月卒業。