辻村深月原作の『かがみの孤城』を成井豊演出・脚本で舞台化 出演は生駒里奈、溝口琢矢
辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社)
2020年8月より、東京・大阪・愛知にて、辻村深月原作による、舞台『かがみの孤城』を上演することが決定した。
2017年に出版され、2018年本屋大賞をはじめ、8冠に輝いた同タイトルの原作本。「最終章、あなたは経験したことのない驚きと感動に包まれる」と謳われた衝撃のラストが話題を呼び、本書は辻村の最高傑作と称されている。辻村は、第32回吉川英治文学新人賞や第147回直木賞を受賞し、様々な作品が映像や舞台化されているが、本書は初めて舞台化される。
本公演の脚本・演出を手掛けるのは『容疑者χの献身』や『仮面山荘殺人事件』など、小説や映画を舞台化する手腕が高く評価されている、キャラメルボックスの成井豊。2017年に辻村原作の『スロウハイツの神様』を舞台化する時、脚本・演出を手掛け、大きな反響を呼んだ。再演を熱望する声も多く、2019年に満を持して東京・大阪の2都市で再演された。その際、辻村も「成井の手で舞台化されることが夢だった」と語っていた。
注目の主人公、「こころ」役には、映像だけでなく舞台でも活躍が著しい生駒里奈。孤城に集められる重要な7人の少年少女の一人・リオン役には、役の年齢時にはすでに俳優デビューを飾っていた溝口琢矢。繊細に揺れ動く彼らの心情も今作の見どころだ。
生駒里奈
溝口琢矢
なお、本公演は客席数を半分にするなど、コロナ感染予防対策を講じながら上演。各公演日程は、東京・8月28日(金)〜9月6日 (日) サンシャイン劇場、大阪・9月18日(金)〜9月20日(日) サンケイホールブリーゼ、愛知・9月22日(火・祝) 刈谷市総合文化センター 大ホールにて。配信も予定されている。
原作者 辻村深月 コメント
「かがみの孤城」を書き上げた時に、願ったことはひとつ。
この本を読んでいる間だけは、皆が主人公のこころたちとこの城で一緒に過ごしている気持ちになって、ここを自分の居場所だと思ってほしい、ということでした。
そして、実はその思いを届けるのに「舞台」はなんて打ってつけの場所だろう、とひそかに思ってきました。皆がそれぞれに闘う現実がある中、ともに集まり、舞台上に創り出された孤城で過ごす。鏡の中をくぐりぬけてやってくる非現実のひと時は、おもしろい舞台を観て、そこで濃密な時間を過ごすことと、とてもよく似ています。
今回、そんな「孤城」を舞台上に構築してくださるのは、成井豊さん。成井さんは、私に学生時代からそんな濃密な舞台体験をたくさんプレゼントしてくれた、魔法使いのような演出家です。その成井さんと〝オオカミさま〟がどんな「かがみの孤城」へ私たちを案内してくれるのか、わくわくしながら待っています!
脚本・演出 成井豊 コメント
「かがみの孤城」は辻村深月さんが2017年5月にポプラ社から出版し、その年の本屋大賞を受賞した傑作です。他人が怖くなって家から一歩も出られなくなった少女が、クラマックスで叫ぶ「生きて!」という言葉。この言葉に、僕は震えるほど感動し、即座に舞台化したいと思いました。心の中でそっと「生きづらさ」を感じているすべての人に見てほしい、勇気の出るファンタジー。ご来場を心からお待ちしています。
生駒里奈 コメント
今回、安西こころ役を務めます生駒里奈です。
まず、演劇が出来る事が本当に嬉しいです。ニュースから新しい生活様式と言う言葉を耳にし、実際に動き出す世の中を見ている中で、今後演劇がどの様になっていくのか、分からないところもたくさんありますが、変わらずあるのはお客様の”楽しい”になる事。
精一杯努力して参ります。
楽しみに待っていてください!
溝口琢矢 コメント
「かがみの孤城」は中学時代に自分が抱いていた「不安」や「恐れ」といった感情を思い起こす作品でした。はじめは戸惑いましたが、どんどんと作品に引き込まれていき、読み終わった後には不思議と晴れ晴れとした気持ちになれました。これがこの作品の持つ力なのだと今は確信しています。舞台上で皆様にしっかりと作品の魅力をお伝えできるよう精進し、邁進して参ります!劇場でお待ちしております!
公演情報
脚本・演出:成井豊
出演:生駒里奈 溝口琢矢 他
<東京公演>2020年8月28日(金)〜9月6日 (日) サンシャイン劇場
<大阪公演>2020年9月18日(金)〜9月20日(日) サンケイホールブリーゼ
<愛知公演>2020年9月22日(火・祝) 刈谷市総合文化センター 大ホール
※配信も予定。
企画・製作・主催:NAPPOS UNITED