PARCO STAGE@ONLINE、初のオリジナルオンライン演劇『仮面夫婦の鑑』芝居編と朗読編を同時配信
(左から)芝居編(前野朋哉 徳永えり)、朗読編(森田哲矢 伊藤万理華)
2020年10月8日(木)18:00より、 PARCO STAGE@ONLINE『仮面夫婦の鑑』を配信することが発表された。
PARCO劇場がオンラインで演劇の魅力を伝えるプロジェクト「PARCO STAGE@ONLINE」。演劇を「観たい」「参加したい」「もっと知りたい」「ちょっと覗いてみたい」と思っている方にこそ見てほしいという試みでスタートした、オンラインで展開するプロジェクト。
今年発足した本プロジェクトでは、これまでに、PARCO劇場ゆかりのクリエイター・アーティストを迎え、様々なコンテンツを発信。演劇を「もっと知る」コンテンツとして、PARCO THEATER ACADEMY「戯曲を読むということ〜朗読劇『ラヴ・レターズ』を通して〜」(出演:藤田俊太郎、ゲスト:井上芳雄、坂本真綾)、演劇を「観る」コンテンツとして、『転校生』(2019)の本編映像や、作・平田オリザ×演出・本広克行のスペシャル対談の無料公開、三谷幸喜作・演出『大地(Social Distancing Version)』や、中屋敷法仁演出『トムとディックとハリー』の有料配信などを行ってきた。
そして今回、本プロジェクト初の試みとして、オンラインオリジナルの演劇作品を配信する。パルコ・プロデュースが、PARCO STAGE@ONLINEという場で初タッグを組むのが、立場や事情の異なる人の葛藤を、関西弁のテンポと笑いを交えた論理的な思考による会話劇に仕立てる劇作家、横山拓也。鋭い観察眼と綿密な取材をもとに人間や題材を多面的にとらえる作劇が特長で、登場人物の感情を普遍性をもって立ち上げる台詞の数々に、人間の生の本質がにじみ、観る者の心に静かな感慨を起こす。自身の劇団iakuでの活動や、劇団俳優座への書下ろしを行うなど、近年注目の作家だ。横山とは今後、パルコ・プロデュースの劇場公演に登場頂くことを見すえ、第一弾としてオンラインにて作品制作を行うそうだ。
配信されるのは、「見た目」をめぐって異なる考え方でぶつかりあい、議論を交わす夫婦の姿を、鋭い洞察とユーモアを交えて描き、2011年の初演以来何度も上演を重ねてきた議論劇の傑作『仮面夫婦の鑑』。新しいキャストとオンラインという実験的な上演の場を得て、配信作品として発表される。作家の横山自身が芝居編と朗読編両方の演出も手掛ける。
芝居編で、妻に反抗し顔を「中の下」に整形した夫役を演じるのは、NHK朝ドラ『わろてんか』やau一太郎シリーズCMの一寸法師役など、数々のドラマや映画、CM、ナレーションで活躍し、映画監督としても活躍中の前野朋哉。夫の長期出張中に無断で美容整形手術を受けた妻を演じるのは、2004年にフジテレビ系ドラマ『放課後。』でデビューして以来、『フラガール』『あまちゃん』『わろてんか』など、数々のドラマ、映画で活躍を続けており、2018年にはドラマ『恋のツキ』で連続ドラマ初主演を務めた徳永えり。共演歴もある二人の、息ぴったりのコンビネーションで丁々発止の大阪弁による議論劇を届ける。
【夫役】 前野朋哉 コメント
夫婦は元は他人…当たり前ですが、今回お芝居をする事で改めて他者なんだ、個人なんだと感じました。
血が繋がっていない他人がどのようにして本質的に家族になっていくのか。
それを横山さん脚本、演出の元、体験したように感じます。
横山さんの演出は一つ一つが丁寧で、目から鱗がボタボタ落ちる事もありました。
そして妻役の徳永えりさん!とても愛おしい妻でした!!ぜひ、この夫婦を覗き見てく
ださい。
きっと人ごとではないですから。
【妻役】 徳永えり コメント
お客様の目の前でお芝居をすることが難しい状況の中、今回"オンライン演劇"という新たな表現に挑戦させていただきました。
短い稽古期間でしたが、横山拓也さんの細やかで丁寧な演出のもと、前野朋哉さんと共に芝居を積み重ねていく作業はとても有意義な時間で、改めて芝居が作れる喜びを感じました。
演劇であり映像作品だからこそ出来る面白さがきっとあると思います。
歪だけど愛おしい夫婦の応酬を、是非楽しんでご覧ください!
芝居編・横山拓也 コメント
存在感があってコミカルな演技が印象的な前野朋哉さんと、着実な演技力とチャーミングな雰囲気の徳永えりさん。お二人とも、すごく稽古に前向きで、演出家としてはそのことが一番力になりました。前野さんと徳永さんはテレビドラマで共演されていることもあってか、早い段階で芝居が同調し、稽古を進めるたびにどんどん「夫婦」に見えていく様が最高でした。舞台セットがシンプルなので、俳優二人の細かい演技が楽しめます。微細に変化する表情にもご注目ください!
(左から)前野朋哉、横山拓也、徳永えり
朗読編は、オンライン企画ならではの異色の組み合わせ。夫を演じるのは、キングオブコント準優勝の経験もある実力派で、テレビのバラエティやラジオ、YouTube等に多数出演する一方、ドラマ・映画出演、ドラマの脚本やコラム執筆と縦横無尽に活躍中の人気お笑い芸人・森田哲矢(さらば青春の光)。妻を演じるのは、2017年に乃木坂46を卒業し、女優としてドラマ、映画、舞台に出演する一方、雑誌「装苑」での連載や、パルコで個展「伊藤万理華の脳内博覧会」(2017)、「HOMESICK」(2020)を開くなど、マルチに活躍中の伊藤万理華。2020年にオープンしたばかりの新生パルコ劇場の客席で、初の組み合わせの二人が交わす熱い議論劇を楽しみにしたい。
【夫役】 森田哲矢 コメント
このような朗読劇に参加させていただいたのは初めてだったので凄く新鮮な気持ちでやらせていただきました。
もしかしたら普通に読むだけでも面白い本なのかもしれませんが、そこに横山さんの絶妙な加減の演出と伊藤さんのちょっとミステリアスを纏った雰囲気が合わさってもの凄く楽しい作品になってると思います。
まさか自分が最後にあんな姿で終わっていくとは思ってなかったのでそこにも注目して観てほしいです(笑)。
【妻役】 伊藤万理華 コメント
関西弁でこんなにしゃべるのは本当に久しぶりでした。リハーサル日は本番の前日のみ。それまで想像の中の森田さんを相手に練習していたのですが、実際お会いしたら想像通り、楽しんで会話をすることができました!整った客席で繰り広げる夫婦の会話は新鮮で、なんだかいびつ、だけど愛がちゃんと存在していて不思議な空間でした。
朗読編・横山拓也 コメント
さらば青春の光の森田哲矢さんと、元乃木坂46の伊藤万理華さんという異色のカップリングで朗読芝居をつくる。滅多にない機会をシンプルに楽しみました。短い稽古時間でもここまで精度と確度を高められるのは、やはりお二人の地力と瞬発力の高さ。森田さんのツッコミ台詞はばっちりハマるし、万理華さんのピュアかつ強い表情にはすっかり魅了されました。新しくなったパルコ劇場の客席を使って繰り広げられる、年の差夫婦のいびつで壮大な痴話喧嘩をお楽しみください。
(左から)森田哲矢、横山拓也、伊藤万理華
横山拓也作『仮面夫婦の鑑』というひとつの戯曲を、シンプルなセットの中で小道具や衣裳をつけて台本を持たずに
行う芝居編、2020 年にオープンしたばかりの新生パルコ劇場の赤い客席を背景に行う朗読編と、それぞれに違った演
出、キャストで2パターン制作された本作。芝居編・朗読編、両方観ることのできるセット券も販売されるのでチェックしておこう。
配信情報
出演:
【芝居編】 前野朋哉 徳永えり
【朗読編】 森田哲矢(さらば青春の光) 伊藤万理華
企画・製作:パルコ
配信期間:2020年10月8日(木)18:00 同時配信開始
料金:芝居編・朗読編 単品購入の場合 1,650円(税込)
芝居編+朗読編 セット購入の場合 2,200円(税込)