シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第八十一沼 『ハックションこんちくしょう!クシャミ沼!』

コラム
音楽
アート
2020.10.15

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「welcome to THE沼!」

沼。

皆さんはこの言葉にどのようなイメージをお持ちだろうか?

私の中の沼といえば、足を取られたら、底なしの泥の深みへゆっくりとゆっくりと引きずり込まれ、抵抗すればするほど強く深くなすすべもなく、息をしたまま意識を抹消されるという恐怖のイメージだ。

一方、ある物事に心奪われ、取り憑かれたようにはまり込み、その世界にどっぷりと溺れること

という言葉で比喩される。

底なしの「収集」が愛と快感というある種の麻痺を伴い増幅する。

これは病か苦行か、あるいは究極の癒しなのか。

毒のスパイスをたっぷり含んだあらゆる世界の「沼」をご紹介しよう。

シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第八十一沼 『ハックションこんちくしょう!クシャミ沼!

自分の当たり前は、他人にとって当たり前では無い。

「普通」という概念は、いつでも自分基準で勝手なものだ。

 

最も身近な事で言えば、「顔」や「指紋」など、世の中に全く同じものは存在しないのだ。

 

中でも、子供の頃から常に不思議に思っていたことがある。

それは...........アレだ、クシャミだ。クシャミの音だ。クシャミのし方だ。

 

クシャミは、体の中に入った異物を体外に放出しようとする超自然的生理現象だが、このクシャミが人それぞれ全然違う事に気づいていた。自分も含め。

よくあるクシャミのパターンとしては「ハックション!」が基準となっているが、関東地方では、古くからオサーンが「ハックション!こんちくしょう!」「こんちくしょう!」がプラスされる現象が見られる。

この「こんちくしょう!」には深い意味があって、クシャミをしてしまった自分にたいしての嫌悪感と悔しい気持ちの現れであるのだ。と齋藤は勝手に分析している。

「てやんでえ!風邪〜引いちまったぜ〜」的な江戸っ子特有の威勢の良さ(悪さ)が「こんちくしょう!」というプラスアルファ要素を生み出しているのだ。

また、あるレコーディングスタジオのデスクの女の子は2種類のクシャミを使い分けていた。

どちらも周りに気をつかいながらする抑え込みタイプのクシャミで

「エスっ!Sっ!」

「エフっ!Fっ!」

完全にSFScience Fiction」の世界である。

あ!もしかしたらあの娘、「サイレント・ハクション」にかけてたのかもしれない。いやいや。それはない。

そこで先日、おしゃべりアプリケーションのDabelで私とgalcidが毎週日曜日放送している「シンセバー」にて、リスナーのみんなにそれぞれのクシャミサウンドを聞かせてもらう事になったのだが、これが想像以上に個性を爆発させていた。

先ずは司会を務めるgalcidのレナは私の妻でもあり、アレルギーを持っているため、彼女のクシャミを毎日聞いているのだが、その音がなんと

 

「ヘッフェ!ヘッフェ!」

という、まるで外国語のようなクシャミなのだ。

ヘッフェってあれだよな?あのインスタグラムとかの写真加工をする時に使うプリセットの「Hefe」だよな?

その妻のあまりの変なクシャミを指摘すると、逆に「あんたも変だよ」と言われた。

私は3種類のクシャミを使い分けている。まず一つ目は

「ブバーーーーーン!」

という爆発タイプの豪快なクシャミだ。コレは自分でも常日頃から変だと思っていて、おそらく飛散度も高次元なのでは無いかと思い、実験してみた。

クシャミが出る寸前に顔にティッシュペーパーを置いて「ブバーーーーーン!」としたところ、時速100キロは余裕に超えるスピードでティッシュは3メーターも飛んでった。

そして私の2つめのクシャミは

「ヴーーーーーーーーーーーーーっつ!」

という。

この「ヴーーーーーーーーーーーーっつ!」は「ブバーーーーーン!」と違い、人前で少し遠慮している時に抑え気味に使う。しかし、音は爆音で、どこにも遠慮の微塵も見えないと言われる。

さらに抑え込んだクシャミをする場合は

「プシュっ!」

私たちの、この異常なクシャミを聞いたリスナーの方々は安心したのか、全員紛れもなくHAZUKASHIIクシャミをカミングアウトし始めた・・・・・・

●1人目 京都府在住の男性、精神科医Aさんの場合

「ヘクシュウッ!」

「ヘクシュウ」?

隣で奥方が眠っていらっしゃったようで、すこし抑え気味にしたクシャミが「ヘクシュウ!」

ヘクシュウ→ハクシュウ→はくしゅう→北原白秋

画家か。

●2人目 主婦Mさん

彼女は自分で「私、メッチャ普通のスタンダードですよ〜!」と自身満々で言いながら

「ペキシッ!」

変。変すぎるにも程がある。かわいいけど変!

 

●3人目 名古屋在住 Pちゃん(女性)

「ペプシっ!」

コーラじゃ無いのかよ!2人目 主婦Mさんに似ている。

これは、「抑えようとする」ことにより、ハクションが変形して起こる現象だという事がわかった。

●4人目 大阪府在住 Mさん男性40代

「ハクションっ!オラァ!ボケェ!」

これは関東の「ハックション!こんちくしょう!」の関西版なんだな。

しかし、彼は「これは関西でも自分だけのオリジナル」だという。ほんまかいな。

●5人目 20代ギャルAちゃんの2パターンとご家族のクシャミバリエーションをカミングアウト!

先ずはAちゃんの遠慮しない時のクシャミは

「ハーーーークシャーーーーン!」

かわいいじゃん!

そして、誰かに気を遣って抑え気味にクシャミをすると

ん゙ん゙っ!ん゙ん゙っ!」

え?なんだこれは?www

これは初めて聞いた衝撃のクシャミサウンドだ。

さらにAちゃんの母上は

「ヒクシッ!」

懐かしのMIXIかい!

そして父上は

「ハクションコンニャロ!!」

「コンニャロ」がカワイイじゃないか!

さらに衝撃だったのは、実の妹さんのクシャミを聞いた事が無いという。

きっと誰もいないところで、超ド級の爆発的クシャミをぶっ放しているに違いない。

密かに録音して送ってください。

 

●6人目 名古屋在住 酒焼け声のMさん男性

これも驚いた

「アクシュ!握手っ!」

フレンドリー過ぎる!

●7人目 DJ Yさん男性

DJ中のクシャミを尋ねてみると

「ヒャホ〜〜〜〜イ!」

本人いわく、語尾が上がり、レゾナンスを効かせているようです。

さすがDJ。サウンドにまぶして誤魔化すテクニック!

●8人目 大阪府在住 アーティストEちゃん

「アクション!!ACTION!!」

映画監督「はい回すよ〜!アークション!」みたいな。

クシャミも千差万別!個性を表現する1番簡単な方法だ!

しかし、このあまりにも違う個性がどこから発生するのか。

それは、気の迷いや、自分の気持ちを抑えた時に起こるのだ。

 

釣りに例えると、力を入れすぎたり、あるいは抜きすぎたりすると、リールがバックラッシュという現象を起こし、糸がこんがらかりグチャグチャになり釣りが出来なくなる。

迷う事無く、自分の決めた意思を素直に出せば、自然と物事はスムーズに運ぶ。

それを押さえ込むとストレスを貯めるばかりでは無く、「ペキシ」や「アクション!」になってしまうのだ。

 

しかし、このコロナ禍で、しかも公衆の面前で「ハクション!こんちくしょう!」なんて出来ないよね。

早く豪快なクシャミが出来るような世界が戻る事を祈る。

それまでは、オリジナリティーの高いクシャミングを研究し、楽しみたまえ。そして私に録音したサウンドファイルを送ってくれ。

 

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