メインは船木誠勝vsケンドー・カシン! 3/3『ストロングスタイルプロレス』ではスーパー・タイガーが怨敵・藤田和之とタッグを結成
『ストロングスタイルプロレスVol.9』が3月3日(水)後楽園ホールで開催される
『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.9~初代タイガーマスク プレ40周年記念興行~』が3月3日(水)、後楽園ホール(東京都)で開催される。
メインには船木誠勝とケンドー・カシンによる初のシングルマッチが組まれた同大会。見どころを探ってみよう。
同世代の船木誠勝とケンドー・カシンが初対決する
▼メインイベント シングルマッチ60分1本勝負
船木誠勝(フリー)vsケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)
メインはともに新日本プロレス出身、青森県出身で、しかも同世代という2人の対決。身長・体重もほぼ同じ、海外修行地も当時のヤングライオンたちが送り出されたヨーロッパ(ドイツ&オーストリアのCWA)と、本当に共通点の多い2人が初対戦する。
タイガーマスクに憧れた船木は、当初マスクマン志望で海外にマスクを持っていった。しかし、現地プロモーターから正体を隠すことを認められず、マスクを被る機会なく闘うことに。ところが、後発のカシンは同地でマスクマンに変身。当時つけられたリングネームがいまでも使われており、カシンはここで確立した自身のスタイルを現在も活かしている。
格闘技でも大きな実績を残した船木だが、自由奔放なカシンを「うらやましい」とさえ言う。こんな2人が今回、初めてシングルで対戦する。レジェンド王者スーパー・タイガーを“差し置いて”メインに組まれたこの対戦。船木の36周年となるデビュー記念日に初めてシングルで対戦するとは、なんという巡り合わせだろうか。
スーパー・タイガーが怨敵・藤田とタッグを結成。どんなファイトとなるのか予想がつかない
▼セミファイナル タッグマッチ60分1本勝負
スーパー・タイガー(第15代レジェンド王者/ストロングスタイルプロレス)&藤田和之(はぐれIGFインターナショナル)vs河野真幸(フリー)&将軍岡本(フリー)
前回大会で藤田和之を破り、レジェンド王座を団体に奪還してみせたスーパー・タイガー。そのスーパーが今回、なんと怨敵・藤田とタッグを結成する。
スーパーは記者会見の日にこのカードを知り、動揺を隠せなかった。藤田がこのタッグに納得しているのかも不明である。とにもかくにもリングに上がってみなければ、機能するのかどうかもわからない危険なタッグ結成であることは間違いない。
この2人をタッグに組ませた団体サイドの考えとしては、レジェンド王座を巡る一連の抗争は一区切り、この2人が同じコーナーに立つことで、なにか新しい風景が現出するのではないかと期待しているようだ。
対戦相手は河野真幸&将軍岡本組。元WRESTLE-1の河野は約3年ぶりの参戦で、これをきっかけにタイトル戦線への参入を目論んでいる可能性がある。対戦相手がスーパーだけになおさらだ。
これは岡本にも同様のことが言えるのではないか。昨年6月以来の参戦で、次なる獲物はやはりスーパーが奪回したレジェンド王座か。スーパーが初防衛戦の相手を誰にするのかも含めて楽しみな一戦である。
王座奪回を果たしたばかりのスーパーが、メインではなくセミファイナルに登場することになった。これをスーパーがどう捕らえているのも気になるところ。今後に向けて、スーパーの動向に注目したい。
間下がチャンピオンとして大ベテランの高岩を迎え撃つ
▼UWAアジアパシフィックヘビー級選手権試合60分1本勝負
〈王者〉間下隼人(ストロングスタイルプロレス)vs〈挑戦者〉高岩竜一(フリー)
※第4代王者2度目の防衛戦
昨年3・19後楽園での3WAYマッチで悲願のベルト奪取に成功、第4代UWAアジアパシフィックヘビー級王者となった間下隼人。6・26では横山佳和を破り初防衛を果たしたものの、以降はノンタイトルながら高岩竜一にやられっぱなし、ふがいない結果を残し続けている。
今回、間下がチャンピオンとして大ベテランの高岩を迎え撃つ形となった。そんな高岩を本気にさせてしまった間下に勝ち目はあるのか。はたして間下はベルトを守り、高岩を黙らせることができるのか、現状では挑戦者に分があると言わざるを得ないだろう。生え抜き王者に、最大の正念場がやってきた。
女子プロ界のスーパーレジェンド・ジャガー横田は、美貌のヒールレスラー雪妃真矢とタッグを組む
▼女子プロレススペシャルタッグマッチ30分1本勝負
ジャガー横田(ディアナ)&雪妃真矢(アイスリボン)vs安納サオリ(フリー)&青木いつ希(ショーンキャプチャー)
旗揚げから15年にして、初めて女子の試合が組まれた昨年3月の大会。そこで大会のベストバウトともいえるインパクトを与え、女子の試合はストロングスタイルプロレスには欠かせないピースとなった。
前回大会では女子プロ界のスーパーレジェンド、ジャガー横田が満を持して初参戦。男子を食うような盛り上がりをもたらした。そのジャガーがアイスリボンの雪妃真矢とチームを結成。安納サオリ&青木いつ希組とタッグマッチで対戦する。ジャガーのパートナーに抜擢された雪妃はアイスリボンのほか、OZアカデミーでは雪妃魔矢として活躍。美貌に加えてヒールスタイルもこなせる選手として人気が高い。
対する安納サオリはストロングスタイルプロレスで初の女子プロレスを成功に導いた立役者のひとり。女子プロ界のスーパーレジェンドと、このリングでの女子プロレス継続を決めた安納の対決は、実に興味深いものとなるだろう。
また、初参戦の青木はショーンキャプチャーに所属する日高郁人の愛弟子。それだけに、日高直伝のバチバチファイトを期待したい。それに加え、天性の明るさも青木の持ち味。ジャガー相手にどこまで自分の良さをアピールできるか。女子レギュラーの座を掴むためにも爪痕を残したい。
この試合に際しジャガーは、「男子に見劣りしない女子の試合を再び」と宣言。「ライバルはメイン(船木誠勝vsケンドー・カシン)」とさえ言い切ってみせた。初代タイガーマスクが活躍していた時代から、全日本女子プロレスの中心で闘っていたジャガー。これはある意味、ストロングスタイルプロレスに向けた、ジャガーからの挑戦状だ。
ベテラン対期待の若手という、“世代間闘争”ともいえるタッグマッチ
▼タッグマッチ 30分1本勝負
スーパー・ライダー(ストロングスタイルプロレス)&日高郁人(ショーンキャプチャー)vs阿部史典(プロレスリングBASARA)&アレハンドロ(フリー)
大会のオープニングを飾るのは、“世代間闘争”ともいえるタッグマッチが組まれた。ベテラン組のスーパー・ライダーと日高郁人は、昨年12・7後楽園でタッグ対決。日高のバトラーツ時代には、ライダーも同マットに参戦し、お互いがバチバチやり合った仲でもある。今回はベテランタッグを結成し、若い世代を迎え撃つこととなった。
対する阿部史典&アレハンドロ組は、活きの良さが売りのチーム。阿部はストロングスタイルプロレスに3回連続の参戦で、ファン、関係者からの評価が高く、前回にはケンドー・カシンとのシングルマッチを実現させた。阿部は僧侶の資格を持つ異色のファイターで、硬軟自在のファイトで相手を翻弄している。
ここに空中殺法の使い手アレハンドロが加わることで、どんな化学反応が起るのか興味深い。元WRESTLE-1のアレハンドロを初めて見るというファンも多いだけに、どれだけ印象を残すことができるのか。第1試合から目の離せない闘いが展開されそうだ。
(新井宏)