浅利演出事務所・ミュージカル『夢から醒めた夢』全キャスト発表&野村玲子コメント
『夢から醒めた夢』(2017年公演:撮影=石阪大輔)
ミュージカル『夢から醒めた夢』が2021年5月21日(金)より自由劇場(東京・浜松町)にて上演される。赤川次郎の原作を基に、故・浅利慶太氏が企画・構成・オリジナル演出 を手掛け、1987年の初演以来30年以上にわたって多くの観客に愛されてきたオリジナル作品だ。先日、浅利演出事務所より2021年版『夢から醒めた夢』全キャストの発表があった。
『夢から醒めた夢』(2017年公演:撮影=石阪大輔)
夢の配達人によって不思議な世界に誘われる少女・ピコを演じるのは2017年版でも同役で出演した四宮吏桜。ピコと遊園地で出会う幽霊のマコは劇団四季在籍時に『ウェストサイド物語』のマリアや『ユタと不思議な仲間たち』小夜子等の経験もある笠松はるが担う。
また、ストーリーテラーでもある夢の配達人は過去にエンジェル役で出演した鈴木涼太、ヤクザ役に2000年の本作リニューアル版で演出を手がけた加藤敬二、メソ役に『ユタと不思議な仲間たち』で主演を務めた山科諒馬が配役されるなど、魅力的なキャストが集結。今回、演出を担うのは野村玲子。かつてマコ役を演じた野村だが、今回は2017年版に引き続き、マコの母役として出演もこなす。
本来は2020年に上演予定であった本作。コロナ禍の影響で2度の延期となったが、オーディションで選ばれた俳優のほとんどが続投ということで、キャスト陣の作品にかける強い想いが伝わってくる。
『夢から醒めた夢』(2017年公演:撮影=石阪大輔)
ここで2021年版演出・出演の野村玲子によるコメントを紹介したい。
「2017年の上演時に演出家・浅利慶太が語った通り、今回も原点に帰って、作品の持つメッセージやドラマ性をより丁寧に提示していければと思っています。時代に合わせて細かいところが変化することはあっても『夢から醒めた夢』という作品の芯に置かれたテーマは変わりません。今、信じられない事態が次々と起きる中、稽古場が密にならないよう工夫しながら、仲間とともに作品を立ち上げていく経験は学びだと感じますし、オーディションで選ばれた若い俳優たちのエネルギーは大きな希望です。これまで当たり前だったことが当たり前でなくなった今、演劇の持つ力を信じ、作品を通してそれをお客さまにお伝えすることが、自分たちにできることだと信じ、上演に向けて歩んでいきたいです」
『夢から醒めた夢』(2017年公演:撮影=石阪大輔)
【夢から醒めた夢・ストーリー】
不思議なこと、超自然的な世界に憧れる少女ピコ。ある日ピコは、突然現れた夢の配達人により、誰もいない夜の遊園地へと誘われる。そこで彼女は、寂しげな瞳をした美しい少女マコに出会うのだが、じつはマコ、交通事故で突然生命を奪われてしまった幽霊。一人残され、娘の死を嘆き悲しむ母親のことが心配で、霊界に旅立てずに彷徨っていたのだ。
「お母さんを励ますために、もう一度だけ会ってお別れをしたい。一日だけ自分と入れ替わってほしい」というマコの願いを聞き入れ、ピコは一日だけマコの代わりに霊界へ行くことを決意。
そこから始まる少女・ピコの大冒険。未知の世界に入り込んだ彼女を待ち受ける予想もできない出来事とさまざまな”生命”との出会いとはーー。
これまで30年以上にわたり、1800回を超える上演回数を記録している『夢から醒めた夢』。
音楽は数々のヒット曲を世に送り出した故・三木たかしと、様々なジャンルの作曲、編曲を手掛け、多岐に渡り活躍している宮川彬良が担当。また、初演から本作品に携わってきた謝珠栄が振付、吉井澄雄が照明、土屋茂昭が美術を担う。
日本の演劇界を代表するクリエイティブスタッフが結集して創作したオリジナルミュージカルの代表作をぜひ劇場で体感して欲しい。
公演情報