[PLAY]名作『ピローマン』完全新キャストで8月再演!<韓国演劇>
写真提供:NONAME THEATER COMPANY ©韓劇.com All rights reserved.
2014年に上演した『雄鶏たちの闘い』『家族という名の部族』や4月に上演した『変身物語:Metamorphoses』など、韓国で未発表の海外戯曲を斬新な手法で上演し、演劇ファンに支持されているNONAME THEATER COMPANYの代表作ともいえる『ピローマン(필로우맨)』が8月に再演。注目のキャストが発表された。
『ピローマン』は、21世紀演劇界の天才作家、ポストシェイクスピアと呼ばれている劇作家マーティン・マクドナーが2003年に発表し、ロンドン国立劇場で初演、同年のローレンス・オリヴィエ賞新作最優秀賞を受賞した作品だ。日本では2004年パルコプロデュースにより長塚圭史演出、高橋克実主演で上演されている。
韓国ではLGアートセンターの制作で2007年に初演。チェ・ミンシク、ユン・ジェムン、イ・デヨン、チェ・ジョンウという名優をズラリと揃え、演出には今年『ヒッキー・ソトニデテミターノ』の演出を務めたパク・グニョンが担当するなど、韓国演劇界の粋を集めた舞台は大きな話題を呼んだ。その後、2012年にNONAME THEATER COMPANYが小劇場演劇として再構成。主人公にはいまや同カンパニー作品の看板俳優となったキム・ジュンウォン、昨年ドラマ『ミセン』の極悪上司マ部長役で大人気となったソン・ジョンハクらが出演して連日完売の大ヒットを記録し、翌2013年もキャストの熱演により好評を得ていた。
『ピローマン』は若手作家カトゥリアンを語り部に、幼児虐待がもとで起きる殺人事件の謎解きをしていくミステリースリラーだ。
グロテスクな作品ばかりを発表するカトゥリアンの周囲で、彼が書いた小説に似た幼児殺人事件が続発。中年刑事トゥポルスキとその部下アリエルは、カトゥリアンを容疑者と睨んで連行し、取り調べを進めていく。上演時間は170分という長編ながら、息つく暇を与えないほどの緊迫感が魅力。反面、狂言回しとなるカトゥリアン役をはじめ、出演者はかなりの長ぜりふもこなさねばならないため、役者の技量が如実に現れる作品でもある。
約2年ぶりの再演では、登場人物4人を全員刷新。それぞれが韓国演劇界で主演をこなす名優を揃えた見事なキャスティングとなっている。
主人公カトゥリアン役のチョン・ウォンジョ(左)と兄マイケル役のイ・ヒョンフン 写真提供:NONAME THEATER COMPANY ©韓劇.com All rights reserved.
刑事トゥポルスキ役のユン・サンファ(左)と部下アリエル役のキム・スヒョン 写真提供:NONAME THEATER COMPANY ©韓劇.com All rights reserved.
一方、カトゥリアンと丁々発止の会話を展開する刑事トゥポルスキ役には、昨年東亜演劇賞作品賞を受賞した『ジュリアス・シーザー』への出演や、『ヒッキー・ソトニデテミターノ』韓国版ではリストラされてしまう父親を好演していたユン・サンファが。その部下で、口よりも手が先に出る熱血刑事アリエル役には、映画監督リュ・スンワン作品の常連俳優としても知られるキム・スヒョンが演じる。昨年12月に国立劇場で上演された『リチャード二世(리차드 2세)』で主演して注目を集めていた2人だ。
演出は2012年から本作の演出を務めるビョン・チョンジュ。演劇『私に会いに来て』『変身物語』やミュージカル『ラブレター』など、手がけた作品には必ず結果を残す、高い評価を得ている演出家だけに、新キャストをどう『ピローマン』の世界に導くのか楽しみだ。
は6月23日(火) より発売。公演は8月1日~30日までの1カ月のみ。同劇場で2012年に上演した際は完売日続出となっただけに、良席の確保はお早目に。
【公演情報】
演劇『ピローマン』(필로우맨)
2015年8月1日~30日 ドゥサンアートセンター Space111
出演:チョン・ウォンジョ、ユン・サンファ、キム・スヒョン、イ・ヒョンフン
演出:ビョン・チョンジュ/翻訳・ドラマターグ:イ・インス
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