『VOCA展2022』2022年3月に開催 東京・上野の森美術館にて

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2022.1.13
【VOCA賞】川内 理香子《Raining Forest》油彩、カンヴァス 227.3cm×363.6cm×6cm

【VOCA賞】川内 理香子《Raining Forest》油彩、カンヴァス 227.3cm×363.6cm×6cm

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『VOCA展2022 現代美術の展望-新しい平面の作家たち』が、2022年3月11日(金)から3月30日(水)まで、東京・上野の森美術館にて開催される。

『VOCA展』は、現代アートにおける平面の領域で、国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に、1994年より毎年開催している美術展である。日頃から公平な立場で作家たちと接している全国の美術館学芸員、研究者などから推薦委員を選出し、それぞれ40歳以下の作家1名(組)を推薦し、推薦された作家全員に展覧会への出品を依頼。こうしたシステムにより、全国各地で活躍する優れた未知の才能を毎回紹介している。これまで『VOCA展』に出品した作家は、今回の『VOCA展2022』を含めて延べ984人(組)。福田美蘭(1994年VOCA賞)、やなぎみわ(1999年VOCA賞)、蜷川実花(2006年大原美術館賞)、清川あさみ(2010年佳作賞)、ネルホル(2020年VOCA賞)など多方面で活躍している作家たちが出品している。

『VOCA展2022』には、これからを期待される新進気鋭の作家33名(組)が出品。グランプリとなるVOCA賞には東京都在住(東京都出身)の川内理香子による《Raining Forest》が決定したほか、VOCA奨励賞には鎌田友介、近藤亜樹、VOCA佳作賞には谷 澤紗和子、堀江栞の作品が選出。また、大原美術館賞には小森紀綱の作品が同美術館により選出された。

【VOCA賞】川内 理香子《Raining Forest》油彩、カンヴァス 227.3cm×363.6cm×6cm

【VOCA賞】川内 理香子《Raining Forest》油彩、カンヴァス 227.3cm×363.6cm×6cm

VOCA賞受賞者 川内 理香子のコメント

内と外の境界線を探して線を引く。その線にその瞬間の身体の動きや思考が凝固する。今回VOCAで出品した作品に描かれるジャガーは、自然のヒエラルキーの最高峰と神話の中で位置づけされる火を、人間にもたらすものだ。自然と人間を結合し、分断もさせ、それらの媒介者であるジャガーの両義性は、肉体と精神の狭間で揺れ、自己と他者の曖昧さを保有する身体とも重なり、物質とイメージや思考の結合である絵画という媒体の中で鎮座する。

森 啓輔(千葉市美術館学芸員)・推薦委員のコメント(本作品鑑賞の手引き・推薦文より)

動物たちや臓器、星々が、塗り重ねられた油絵具から彫り出すように描かれている。「食」への違和感と興味を抱く作家による〈Mythology(神話)〉シリーズの代表作である本作は、自己と他者、内部と外部といった境界が曖昧な内臓の襞のようであり、グローバル化と分断が支配する現代に多層的な問題を提起している。

【VOCA奨励賞】鎌田 友介《Japanese houses (Taiwan/Brazil/Korea/U.S./Japan) 》 アクリル塗料・インク・鉄・アクリル板・インクジェットプ リント・紙・韓国に存在した日本家屋の部材、木材 227.5×364×18cm

【VOCA奨励賞】鎌田 友介《Japanese houses (Taiwan/Brazil/Korea/U.S./Japan) 》 アクリル塗料・インク・鉄・アクリル板・インクジェットプ リント・紙・韓国に存在した日本家屋の部材、木材 227.5×364×18cm

【VOCA奨励賞】近藤 亜樹《ぼく ここにいるよ》アクリル、木製パネル 194.5×162.5×5cmが2枚

【VOCA奨励賞】近藤 亜樹《ぼく ここにいるよ》アクリル、木製パネル 194.5×162.5×5cmが2枚

【VOCA佳作賞】澤 紗和子《はいけいちえこさま》アクリル、紙・解体された家屋の廃材・アクリル板 上段左から 86×88×5 cm 下段左から 96×97×5 cm 96×96×5 cm 60×72×5 cm 70×50×5 cm 86×88×5 cm

【VOCA佳作賞】澤 紗和子《はいけいちえこさま》アクリル、紙・解体された家屋の廃材・アクリル板 上段左から 86×88×5 cm 下段左から 96×97×5 cm 96×96×5 cm 60×72×5 cm 70×50×5 cm 86×88×5 cm

【VOCA佳作賞】堀江 栞《〈後ろ手の未来〉#2、〈後ろ手の未来〉#3、〈後ろ手の未来〉#4、〈後ろ手の未来〉#5、〈後ろ手の未来〉#6》  岩絵具・膠、綿布・和紙・木枠 194×60×3.5cmが5枚

【VOCA佳作賞】堀江 栞《〈後ろ手の未来〉#2、〈後ろ手の未来〉#3、〈後ろ手の未来〉#4、〈後ろ手の未来〉#5、〈後ろ手の未来〉#6》 岩絵具・膠、綿布・和紙・木枠 194×60×3.5cmが5枚

【大原美術館賞】小森 紀綱《絵画鑑賞》油彩・アクリル・膠、麻布・木製パネル 194×390×3.2 cm

【大原美術館賞】小森 紀綱《絵画鑑賞》油彩・アクリル・膠、麻布・木製パネル 194×390×3.2 cm

また、1994年の第1回開催より『VOCA展』を協賛している第一生命保険株式会社(以下第一生命)は、VOCA賞受賞作品を収蔵し、本社1階にあるロビーや第一生命ギャラリー(東京都千代田区)で定期的に公開している。2023年に『VOCA展』が30周年を迎えることを記念して、3月11日(金)から11月30日(水)まで、第一生命ロビーにて、第一生命の所蔵するVOCA賞受賞作品29点すべてを公開する『VOCA 30 Years Story / Tokyo』を開催することを発表。2023年3月には神戸・原田の森ギャラリーにて『VOCA 30 Years Story / Kobe』の開催も決定している。

『VOCA展2022 現代美術の展望-新しい平面の作家たち』は、3月11日(金)から3月30日(水)まで、東京・上野の森美術館にて開催。

展覧会情報

『VOCA展2022 現代美術の展望-新しい平面の作家たち』
主催:「VOCA展」実行委員会、公益財団法人日本美術協会 上野の森美術館
特別協賛:第一生命保険株式会社
会場:上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
会期:2022年3月11日(金)~3月30日(水)〔20日間(予定)/会期中無休〕
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで
入場料:一般800円、大学生400円、高校生以下無料
ぴあ(Pコード:685-932)、ローソン(Lコード:36996)、e+(イープラス)、 アソビュー(QRコード添付)、主要プレイガイド・コンビニエンスストア店頭などで販売 ※手数料がかかる場合があります。
※障害者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料 (要証明)。
※日時指定は不要です。
※新型コロナウイルス感染症対策の為、開催情報は変更の可能性があります。最新情報をHPでご確認ください。事前予約なしでご覧いただけます。ただし混雑時に入場制限を行う場合があります。ご来場の際は必ずマスクをご着用いただき、検温、手指消毒、会場内での会話を極力控えるなど、感染症対策へのご協力をお願いいたします。
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