高橋惠子主演、老いと家族の絆を描いた舞台『黄昏』の再々演が決定 瀬奈じゅん、石田圭祐ら共演
舞台『黄昏』
2022年6月・7月に、東京・紀伊國屋ホールほか全国にて、舞台『黄昏』が上演されることが決定した。
本作は、円熟の老夫婦とその家族の、美しい湖畔でのひと夏の日々と心の交流を、穏やかでやさしい時間の流れと共に描いた、アーネスト・トンプソンによる戯曲。1978年にアメリカ・ニューヨークで初演。1981年にはヘンリー・フォンダ、ジェーン・フォンダ、キャサリン・ヘプバーン、の共演で映画化され絶賛を受け、翌年のアカデミー賞やゴールデングローブ賞などの数多くの部門を受賞した。以来世界20か国以上で上演され続ける、まさに不朽不滅の名作だ。
物語の舞台は、アメリカ・メイン州、美しい湖ゴールデン・ポンドの岸辺。ひと夏をこの湖畔の別荘で過ごすためにやってきた老夫婦、ノーマンとエセルのもとへ、長年疎遠だった娘が13歳になる息子と恋人を連れて訪れる。
老夫婦と13歳の少年が美しい自然の中で過ごす日々、父娘の確執と歩み寄り、ゆっくりと……けれど確かに忍び寄る老い――。今だからこそ改めて感じたい、“家族の絆”を探す物語。
文学座の鵜山 仁による新演出では、2018年に初めて上演し、2020年1~2月に高橋惠子主演で再演。盛況のうちに幕を閉じた本作が、2022年夏、全国各地で再々演を迎える。
愛する夫を温かく支える妻・エセルをふたたび演じる高橋惠子。分け隔てない優しさを湛え自然を愛し、はつらつとチャーミングなエセルは、今年女優デビューから52年となる高橋の、新たなはまり役となった。
娘のチェルシー役に、ミュージカルからストレートプレイ、翻訳劇とジャンルを越えて常に高く評価される瀬奈じゅん。チェルシーの恋人・ビル役に、俳優として出演多数、音楽活動も精力的に行う松村雄基。老夫婦の別荘にくる郵便配達員・チャーリー役に、舞台・映像と幅広く活動する文学座の石橋徹郎。チェルシーの息子・ビリー役に、ジャニーズJr.として多数のステージで活躍、高い身体能力で魅了する林 蓮音。
そして、自身の老いを感じながらも、娘とその息子、娘の新たな恋人と、ぎこちなくも温かな交流を築く、エセルの夫・ノーマン役を、高橋とともに続投する文学座の石田圭祐が演じる。
実力派の俳優たちが集い、穏やかでやさしいひと夏に“家族の絆”を紡ぎ出す。
アメリカ・メイン州。美しい湖ゴールデン・ポンドの岸部にたたずむ、ノーマンとエセルの老夫婦の別荘。
長い年月を経て、豊かに年輪を重ね、住みこなされたリビングルームには家族の歴史を物語る品々が並んでいる。窓の向こうに広がる大きな湖には、太陽が反射してキラキラと輝いている。
七十九歳のノーマンは、短気ではあるがユーモアにあふれ、堂々として洗練された物腰。十歳年下の妻エセルは伸びやかなエネルギーに満ちた女性で、これ以上ないほど分かりあう存在の夫婦だ。
五月、ノーマンとエセルが別荘へやってくる。ゴールデン・ポンドで過ごす、四十八回目の夏だ。
しばらく使われていなかったためガタがきた網戸、夏の隣人たちについての噂話、郵便配達員チャーリーとの懐かしい会話。そしてノーマンの、死を皮肉めかしたジョークの数々――。静かに、けれど確実に忍び寄る老いを意識しながらも、愛する夫を暖かく爽やかに受け止めるエセル。
七月、ノーマンの誕生日に、娘のチェルシーが恋人のビル、息子のビリーを連れて別荘にやってくる。
かつての確執からノーマンと疎遠になりがちだったチェルシーは、じつに八年ぶりにゴールデン・ポンドを訪れたのだ。父の体調を気遣いながらも素直に表せない娘と、会えた嬉しさとは裏腹にあまのじゃくな受け答えをしてしまう父。父と恋人とのあいだに漂うぎこちなさ。十三歳になるビリーは、自然豊かな田舎の別荘と湖に目を輝かせる。
様々な感情が交錯する中、チェルシーが、ビルとのヨーロッパ旅行のあいだ、ビリーを預かってほしいと言ってくる。
ノーマンは渋るがエセルに後押しされ、老夫婦と少年の、湖畔での日々が始まる。
エセル・セイヤー 役 高橋惠子 コメント
このコロナ禍で「人とのつながり方」が大きく変化し、改めて家族との時間や絆を深めたり考えたりする方も増えたのではないでしょうか。
普段あまり料理をしない夫が夕飯の支度をしてくれたりするだけでも、感謝の気持ちを持てるようになったりと私自身も変化がありました。
黄昏の物語はそんな家族の在り方を考えさせられる作品だと思います。
是非多くの方に観て頂きたいです。
全国ツアーで皆様にお会い出来るのを楽しみにしております!
チェルシー・セイヤー・ウェイン役 瀬奈じゅん コメント
再びチェルシーを演じられる事、再び出演の皆様と家族として過ごせる事、とても懐かしく嬉しい気持ちでいっぱいです。
前回の上演時とは世の中の状況が変わってしまいました。
それでも永遠に変わらない、むしろその大切さを改めて実感した「家族の絆」を、皆様にお届けできればと思っています。
ビル・レイ役 松村雄基 コメント
久しぶりに台本を開いて"ゴールデンポンドの世界"に浸ったら、とても心が落ち着いて、ほっこりしました。
登場人物の誰もが心当たりがあり、スレ違いの様も、現実に向き合う厳しさ、怖れも、僕自身が年齢を重ねたせいか、以前よりとても身近に感じられた気がします。
動植物を含めた全ての生き物が"生"を全うする姿が清々しく、"生きる"って、素敵な事だと改めて感じました。
ご覧いただく方々の心が和む時間となるような舞台を、務めたいと思います。
チャーリー・マーティン役 石橋徹郎 コメント
チャーリーをまた演じられることに喜びを感じています。
どんな役にもそれぞれ思い入れはありますが、彼にはまた独特の愛着があります。また会うことができてとても嬉しいです。もっともっと彼のことを知って優しく愛せたらと思っています。
そして、そこで一緒に生きている仲間たちと泣いたり笑ったりして温かく生きられたらと願っています。
ぜひ劇場まで遊びにいらして下さい。
ビリー・レイ役 林 蓮音(Jr.SP/ジャニーズJr.) コメント
今回、舞台の出演のお話をいただきまして、とても嬉しいです。
初めてのことも多く緊張していますが、ビリー・レイという13歳の少年の役をどのように演じていくか、今からワクワクしています!
この舞台を通して改めて「家族のあり方」を感じていただけるように、毎公演精一杯演じさせていただきたいと思います。
ノーマン・セイヤー・ジュニア役 石田圭祐 コメント
いつまで続くかわからないコロナの中、家に閉じこもっていることも多く、体力も落ちて、それに初演から数年たって、なんだかすっかり気持ちもじじむさくなってしまったような気がしますが、初演時よりノーマンの気持ちがわかるかもしれない、と張り切っています。
もう一度すばらしい戯曲と、エセルの高橋さんをはじめ共演者の皆さん、演出家、スタッフの皆さんに会えるのを楽しみにしています。