石見神楽神和会の選抜メンバーが、初の京都公演『魂神楽』上演決定 共演は尾上菊之丞、竹本織太夫、吉井盛悟

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2022.3.3
『魂神楽』

『魂神楽』

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2022年3月27日(日)先斗町歌舞練場(京都府京都市)にて、『魂神楽』の上演が決定した。

神々の國、島根県の誇る益田市石見神楽は、日本遺産の登録を受けた日本を代表する郷土の伝統芸能。

このたび、日本遺産「神々や鬼たちが躍動する世界~石見地域で伝承される神楽~」の広報活動の一環として、大阪万博を控える関西圏をターゲットに、益田市内神楽社中で作る石見神楽神和会の精鋭で組織する「石見神楽@Masuda」が、初の京都公演『魂神楽(みたまかぐら)』を古来日本の街道の起点となった京都三条大橋のたもと、先斗町歌舞練場にて上演する。

『魂神楽』では、より広くより深く、石見神楽の魅力を伝えるため、石見神楽が大切に受け継ぐ代表的な演目『岩戸』、『大蛇』を中心に、「石見神楽@Masuda」と日本舞踊家尾上菊之丞、人形浄瑠璃文楽太夫竹本織太夫という、日本を代表する古典芸能、日本舞踊と文楽に於いて伝統を受け継ぎながら挑戦を続ける気鋭の芸能者が競演を果たす。

郷土と古典、二つの伝統芸能を一つに繋ぐ橋渡しは、各地の郷土芸能に通じ、近年では多岐にわたるジャンルのアーティストと共演を重ねる音楽家吉井盛悟が、演出、演奏を担当。新作歌舞伎などを数多く手掛ける戸部和久が脚本を担当する。

我が国に神代より流れる芸能の魂が、ここに融合し、先の見えない現代を照らす一条の光になりたいという祈りを込める神遊び。石見神楽の新たな幕明けに注目だ。

▼出演者プロフィール

益田市石見神楽神和会

石見神楽

石見神楽

島根県益田市内で、明治以降神職から神楽の伝統を受け継ぎ、崇敬の篤い氏子達が会をなしている、石見神楽の各会、団体の発展や継承、後継者育成等を目的として集い、平成4年に「益田市石見神楽神和会」が市内9団体にて発足。市町村合併を期に14団体に。第44回歳末助け合い石見神楽共演大会を通年にて開催他、数多くの市外・県外公演に加え、近年はサウジアラビア・アメリカ南部・中米5ヶ国での海外公演を行う。令和2年「神々や鬼たちが躍動する神話の世界~石見地域で伝承される神楽~」として日本遺産に認定。現在は、12の団体で活動しており、日本の伝統芸能として石見神楽の普及に努める。

尾上菊之丞

尾上菊之丞

尾上菊之丞

尾上流四代家元。流儀の舞踊会をはじめ「逸青会」(狂言師茂山逸平氏との二人会)、古典芸能オンラインサロン「K2 TEATRE」(藤間勘十郎氏と共同)を主宰。日本舞踊界初の全編ロケによる映像作品「地水火風空そして、踊」を作・演出。高橋大輔主演のアイスショー「LUXE」では監修・演出を勤める。振付師としては「風の谷のナウシカ」、スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」等、新作歌舞伎を手掛ける。

竹本織太夫

竹本織太夫

竹本織太夫

豊竹咲太夫に入門、豊竹咲甫太夫を名乗る。10歳で初舞台を踏む。NHK Eテレの『にほんごであそぼ』にレギュラー出演するなど、文楽の魅力を幅広く発信。2018年1月、八代目竹本綱太夫五十回忌追善・六代目竹本織太夫襲名披露公演において、六代目竹本織太夫を襲名。第28回咲くやこの花賞、第34回松尾芸能賞新人賞、平成25年度大阪文化祭賞グランプリ、関西元気文化圏賞ニューパワー賞、第38回国立劇場文楽賞文楽優秀賞など、受賞歴多数

吉井盛悟

吉井盛悟

吉井盛悟

笛・太鼓・胡弓奏者。作曲、演出家。青年期より日本の民俗芸能のフィールドワークに励む。2003年、佐渡に渡り「鼓童」に参加。2013年独立。和楽奏伝主宰。文化人類学的視点で日本音楽を捉え、国内外、ジャンルを問わず自由な音楽芸術活動をする。

公演情報

『魂神楽』
 
日 時: 2022年(令和4年)3月27日(日) 14時開演/18時開演(2回公演)
会 場: 先斗町歌舞練場(京都府京都市中央区先斗町通三条下ル)
料 金: 全席¥6,000(税込み)
出 演: 益田市石見神楽神和会
尾上 菊之丞 竹本 織太夫 吉井 盛悟
 
スタッフ: 演出…吉井盛悟 脚本…戸部和久 揮毫…鈴木敏夫
 
主 催: Masudaカグラボ京都公演実行委員会(島根県益田市駅前町17-2)
共 催: 石見観光振興協議会、Masudaカグラボコンソーシアム
後 援: 益田市、一般社団法人益田市観光協会
 
購入方法: イープラス 魂神楽 で検索(販売ページURL:https://eplus.jp/mitamakagura/
電話予約 0856-22-7120(9時~17時半/土日祝含む)益田市観光協会内
※3/3(木)10:00より販売開始
 
公演情報: 魂神楽 益田市観光協会 で検索(https://masudashi.com/post-43698/
 
▼石見神楽とは
島根県西部の石見地域で演じられる神楽のことです。 その由来は古く、平安末期から室町時代に石見一円で、 農耕神的なものとして村々に祀られる集落の神「大元神」を信仰した田楽系の行事が原型と言われています。江戸時代には出雲佐陀神楽が、歌舞伎や能の所作と融合させた神話劇の神能を演ずるようになり、その佐陀神能が爆発的に石見に波及され演劇化されていきました。 明治の法律改正により、その土地の人々が神楽を演舞するようになると、リズムは旧来型の六調子の他に、活発な石見人の気性そのままに勇壮な八調 子とよばれるテンポになるなど、改革も活発化し、現在は古事記や日本書紀 を原典とするものなど演目も30数種にのぼりスケールも大きくなっていま す。「神事」でありながらも「演芸」的要素が濃く、ストーリーも明解。 舞も お囃子も激しく、胸のすくような爽快さと勇壮さがあるのが特長です。
 
▼Masudaカグラボ京都公演実行委員会とは
島根県益田市の石見神楽の保存と活用に向けて、将来ビジョンの計画と実行を行う民間団体「MASUDAカグラボ」を母体とした、京都公演を実施するた めの組織。 益田市では、令和2年度に「MASUDAカグラボ (当時:IWAMIカグラボ)」が結 成されて以降、従来の石見神楽関係団体だけではなく民間主体の動きが芽生え始めている。今後は、益田市内だけではなく、全国を舞台に石見神楽の魅力を伝承していく。本公演は、まさにそれを象徴するイベントである
 
あらすじ
 
神代の時代、高天原を統治した天照大御神(アマテラス)、その弟神で海原を守護任されていた須佐之男命(スサノオ)は幼き頃より父神(イザナギ)、母神(イザナミ)親神の情愛に触れず成長した。須佐之男命は黄泉の国の亡き母神を想い、海原を治めることなく高天原の天照大御神を訪ね、天の安の河原にて誓約を勝ち取った須佐之男命は驕り、数々の悪行を行う、天照大御神は悪行の止まない事を自らの責任であると痛く嘆かい、天の岩戸へと引き籠るのだった。
世界は闇に包まれ様々な災いがおこり、八百万の神々は須佐之男命を高天原より追放し、岩戸の御前に集った。神々は天照大御神を岩戸から出すため様々な謀を巡らしたが上手くいかない。そこで、岩戸の御前に天鈿女命の妖艶な舞を捧げたところ、楽し気な外の様子を不審に思った天照大御神が岩戸を少し開き細目にのぞき見をし、世に一筋の光が差し込んだ。そこで天手力男命が一気に岩戸を切り開き、天照大御神をこの世に導きだしたので、世界は再び光を取り戻した。
一方、高天原を追放された須佐之男命は、各地を転々とし出雲国斐伊川にたどり着く、この土地には古より八つの体を持つ八岐大蛇が住み、人々は毎年の美しい姫を生贄として差し出さなければならなかった。それを聞いた須佐之男命は、強い酒を造らせ、その甕の中に姫の姿を映し、大蛇が姫を飲み込まんと酒を飲み、酔い伏したところを十束の剣で退治した。大蛇を切り裂くと尾の中から一振りの御剣を見付け、この剣を天の叢雲剣と名付けた。須佐之男命は自らが起こした高天原での悪行に禊をなし、天の叢雲剣を姉神 天照大御神へと捧げると、天地は平けく目出度く治まり、人々は神々と共に喜びを舞い上げるのだった。
この作品は、石見神楽の「岩戸」「大蛇」を中心に、須佐之男命が荒ぶり、天照大御神が岩戸にかくれるまでを尾上菊之丞の舞踊、竹本織太夫の語り、吉井盛悟の演奏にて表現し、「大蛇」では、石見神楽の華麗で勇壮な舞を融合。フィナーレの舞い上げは出演者総出演の大団円となる、石見神楽と古典芸能が織りなす新たな創造の舞台です。
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