山西惇&倉科カナからコメント到着 井上ひさし屈指の人気を誇る傑作戯曲 こまつ座『雨』衛星劇場にてテレビ初放送 

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2022.3.23
こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

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2021年秋に世田谷パブリックシアターをはじめ、神奈川、埼玉、静岡で上演されたこまつ座舞台『雨』が、衛星劇場にて2022年3月27日(日)にテレビ初放送される。本作はかねてより再演の要望が高かった井上ひさし中期の傑作で、こまつ座で19年ぶりに上演された。

主人公・徳を、2020年読売演劇大賞・男優賞を受賞し、数々の舞台・ドラマ・映画で活躍する山西惇が演じ、紅花の里・紅花問屋の美しい女将おたか役を、本作で今年の読売演劇大賞・女優賞を受賞した倉科カナが演じる。

演出は井上演劇の真の担い手であり、2011年に新国立劇場にて『雨』を演出した栗山民也。満を持して、こまつ座での『雨』の演出を手掛けた。

今回の放送に寄せて、主演の山西、倉科からコメントが到着した。

山西惇 コメント

山西惇 撮影:宮川舞子

山西惇 撮影:宮川舞子

『雨』という作品は、精緻なクライムサスペンスであり、濃厚なラブストーリーでもあり、自らのアイデンティティを見失ってしまった男の悲喜劇でもあります。

今回、初めて、主人公「拾い屋の徳」を演じて、数ある井上ひさしさんの名作戯曲の中でも、最高傑作とも言える、紛れもない名作だと、改めて実感しました。

「拾い屋の徳」は、ほぼ出突っ張り、引っ込んでは着替えて出るの繰り返し、最後には遂に一人二役?というような、大変な役ではありますが、井上さんの流麗な台詞、栗山さんの無駄のない演出、共演の皆さんの的確なお芝居、最高のスタッフさんに支えられ、無我夢中に作品の中で生きる事が出来ました。

舞台をご覧になれなかった方は勿論、ご覧になった方も今一度、映像を通して、徳の生き様に触れていただければ、こんなに嬉しい事はありません。是非ご覧ください。

倉科カナ コメント

倉科カナ 撮影:宮川舞子

倉科カナ 撮影:宮川舞子

初めて臨んだ井上ひさしさんの戯曲はどの言葉もキラリと光っていて、力があるのはもちろんですが、言葉それぞれが形を持っており、また、どれだけ稽古や本番を重ねても新たな気付きがあるのが印象的でした。

栗山民也さんの演出も一貫して“言葉の粒”を大切にされ、改めて、いろんなことに鈍くなっていた自分に警告音を鳴らしてくれる感じがしました。

私が演じたおたかは井上さんのユーモアが光り、全てを知っているようなミステリアスさや、どこからが本音でどこまでが嘘かといった境界線の曖昧さが魅力的な役。藩を守るために腹の据わったところはもちろん、夫である喜左衛門に対する愛と、いっぽうで徳と接することで育まれていく今までにない愛への戸惑いなど、微かな感情や儚さを、毎公演大切にしていきました。

今回の放送で楽しみにしているのは第一幕・第一場のみんなで歌うシーンです。徳が真横に見える袖の位置でおたかや徳の愛人である玉虫が歌っていて感慨深いものがあります。また、雨はこの世の恵みであり、時には牙を剥く災害。祈りのような、念仏のような歌をおたかは歌っています。ご観劇中、そのことが頭の片隅にあると、また違った見え方で面白いと思います。

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

こまつ座『雨』 撮影:宮川舞子

放送情報

こまつ座『雨』
CS放送局「衛星劇場」にて
2022年3月27日(日)午後3:00~6:15テレビ初放送
 
 2021年9月18日~9月26日/世田谷パブリックシアター
[作]井上ひさし[演出]栗山民也
[出演]山西惇、倉科カナ/久保酎吉、石田圭祐、木村靖司、土屋佑壱、櫻井章喜/前田亜季/チョウヨンホ、野坂弘、薄平広樹/花王おさむ/俵和也、助川嘉隆、南里双六、頼田昂治、村岡哲至、岡部雄馬/川飛舞花、元田牧子、武者真由、尾身美詞、榎本ゆう、宮松ぼたん/パーカッション熊谷大輔
 
【あらすじ】
江戸のしがない金物拾いの徳は、平畠藩の大きな紅花問屋の当主である喜左衛門が自分と瓜二つで、しかも失踪中という話を聞かされ、東北に旅して、喜左衛門になりすます。喜左衛門の美しい妻おたかと結構な衣食住を手に入れた徳は、持ち前の起用さを発揮して、夜も寝ずに平畠ことばの習得に励み、殺人さえ重ねる。しかし、ひたすら自分を殺して、本物の喜左衛門になりおおせようとした徳を最後に待ちうけていたのは、どんでん返しのおそるべき死の罠だった。幕府の追求をかわすために身代わりを育てて死に追いこむ、平畠藩を挙げての精密な謀略である。降りしきる雨の陰鬱な音が笑いと恐怖が背中合わせになった緊迫感の先にあるのは。
 
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