“神童”那須川天心RISEファイナルマッチ 同門・風音を迎え父との“大親子喧嘩”
2014年7月のデビューからRISE、RIZINを舞台に活躍してきた“神童”那須川天心。K-1武尊との大一番、そしてボクシング転向を前にしたRISE最後の戦いが迫ってきた。卒業マッチで迎え撃つのは父・那須川弘幸会長が送り込む同門ファイター・風音。舞台となる『RISE ELDORADO 2022~TenshinNasukawa RISE Finalmatch~』(4月2日、代々木第一体育館)はRISEオールスターが勢揃いする春の大一番だ。
先輩・天心に牙を剥く“ハングリーピストルズ”風音
▼那須川天心 RISE Final Match バンタム級(-55kg)3分3R延長1R
那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kg級王者)
vs
風音(TEAM TEPPEN/RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント優勝)
風音は1998年10月27日生まれの23歳。同じく98年8月18日生まれの天心とは同学年となる。京都出身で当初は関西のリングに立っていたが、「どうせやるなら一番強い人がいるところでやりたい」と2019年から移籍し、TEAM TEPPEN所属となった。
以来、天心をはじめとした強豪揃いの環境で揉まれ、そのハングリー精神を花開かせ実力を伸ばしてきた。
昨年行われた「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では出場8選手中、風音だけが唯一戴冠経験を持たない選手であったが、1回戦からWKBA世界バンタム級王者の江幡睦、準決勝ではWBKF世界スーパーフライ級王者の政所仁、そして決勝では天心のライバルでISKAムエタイ世界バンタム級王者である志朗と、格上の世界王者を立て続けに撃破。番狂わせの連続で優勝を成し遂げた。
「僕は別に天心の付き人でも子分でもない。全然負けるつもりはない」(風音)
気迫あふれるファイトで手数多くアグレッシブに攻め、江幡に延長判定勝ち、政所には3Rで攻勢に立ち判定勝利、志朗にも延長判定勝ちと、風音は試合がもつれるほど執念とスタミナを発揮し勝利をもぎ取ってきた。その泥臭い戦いは“神童”天心とは真逆のもので、当初ノーマークの存在であったが、最強のメンバーが揃った53kg級トーナメントを制したことで、天心RISEファイナルマッチの対戦相手というプラチナを手に入れた。
「僕は別に天心の付き人でも子分でもない。同じジムの仲間です。現時点では確かにレベルは全然違うけれど、全然負けるつもりはない。同じジムだけど、強くなりたいという気持ちは誰にも負けていないです」
対戦が決定した現在ならいざ知らず、今より立ち位置に大きく開きのあった移籍当初の2019年、風音はRISEのオフィシャルインタビューでこんな言葉を残している。その意気やよし。
「大舞台での親子喧嘩。今回は6月への通過点に過ぎない」(天心)
天心vs風音の一戦は『RISE ELDORADO 2022』第1弾カードとして2月9日の会見で発表。試合では天心の父である弘幸会長が風音のセコンドにつき、ともに打倒・天心を目指す。
「会長から(天心の)弱点は聞いている。無傷で6月行けると思うなよ。思いっきり初黒星をつけて(武尊戦に)送り込んでやろうかなって思います」と“風音節”を聞かせる。
天心はこれを「やってみろ」と受け、この試合を「大舞台での親子喧嘩」と表する。その上で「申し訳ないですけど、6月に全てを懸ける大勝負があるので、今回は通過点に過ぎない」と斬り捨てた。
風音が那須川会長の秘策と対策を得て、どこまで神童に食い下がれるか。あるいは天心がその言葉通り、風音を卒業マッチの引き立て役にし、武尊との決戦に進むのか。
白鳥大珠&原口健飛、再起を期すストーリーの第一歩
▼Super Fight!ライト級(-63kg)3分3R延長1R
白鳥大珠(TEAM TEPPEN/同級1位、RISE WORLD SERIES 2019 -61kg級王者)
vs
秀樹(新宿レフティージム/同級2位、K-1 REVOLUTION FINAL -65㎏級世界王者)
▼Super Fight!ライト級(-63kg)3分3R延長1R
原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/ RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント優勝、第6代RISEライト級王者)
vs
ロンペット・Y'ZD GYM(Y'ZD豊見城/ISKAムエタイ世界スーパーライト級王者)
天心のRISE最終試合となる今大会は今後のRISEを占う意味合いも有している。ライト級(-63kg)では今後のエースを期待される2人、白鳥大珠と原口健飛の試合がそれぞれ組まれた。
天心と同門の白鳥は「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg級トーナメント」で優勝(19年9月)、モデルも務めるルックスから“キックの王子様”と異名も取る。しかし20年以降は昨年行われた「RIZIN KICK ワンナイトトーナメント」でこそ優勝を果たしたが、直樹に2連敗(20年10月、21年9月)、原口健飛にも敗北(21年2月)と停滞に見舞われている。
今回の相手である秀樹とは19年2月にRISEライト級王者を懸けて対戦し、秀樹の左スネが割れ出血したことから白鳥がTKO勝利。明確な差がつく前の決着だったが、白鳥はここから前述の-61kg級世界トーナメント優勝に繋げ、転機とした一戦であった。
その白鳥を昨年2月の直接対決で破り、“次期エース”の座を奪ったのが原口。白鳥から2度のダウンを奪って完勝し、天心卒業後のRISEを牽引する存在として期待を受けたが、それを示すべく臨んだGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルン・キャットムーカオ戦で敗北(昨年11月)。昨年9月のタップロン・ハーデスワークアウト戦でも勝利したものの先制ダウンを許しており、3連続での対ムエタイとなる今回は、その苦手意識を払拭し新エースたる強さを証明しなければならない。
白鳥も敗北を喫した直樹戦(21年9月)以来の試合であり、両者とも再起のストーリー第一歩となる。
RISEオールスター集結の国立代々木競技場第一体育館大会
▼Super Fight! スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R
直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/第7代RISEライト級王者)
vs
山田洸誓(正道会館KCIEL/第4代RISEスーパーライト級王者)
▼Super Fight!バンタム級(-55kg)3分3R延長1R
鈴木真彦(山口道場/第7代RISEバンタム級王者)
vs
江幡睦(伊原道場/WKBA世界バンタム級王者、第5代新日本キックボクシング協会フライ級王者)
▼Super Fight! -56kg契約 3分3R延長1R
志朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント~優勝)
vs
江幡塁(伊原道場/WKBA世界スーパーバンタム級王者、KING OF KNOCK OUT初代スーパーバンタム級王者)
▼SuperFight! 71.5kg契約 3分3R延長1R
海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者)
vs
“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/第2代RISEウェルター級王者)
▼ライト級(-63kg)3分3R延長1R
北井智大(チームドラゴン/同級3位)
vs
中村寛(BK GYM/第6代DEEP☆KICK-60kg級王者)
▼オープンフィンガーグローブマッチ -64kg契約 3分3R
YA-MAN(TARGET SHIBUYA/ライト級9位)
vs
伊藤澄哉(戦ジム/スーパーライト級5位)
▼スーパーフライ級(-53kg)3分3R延長1R
那須川龍心(TEAM TEPPEN/2021年RISE Nova 全日本大会 -55kg級トーナメント優勝、Stand Up Aクラストーナメント-55キロ級優勝)
笠原直希(シーザージム/SB全国大会-45kg級優勝)
大会は他にもRISEライト級(-63kg)王者・直樹と同スーパーライト級(-65kg)王者・山田洸誓のチャンピオン対決、天心と2度対戦した鈴木真彦vs江幡睦、天心が認めたライバル・志朗vs江幡塁、シュートボクシングのエース・海人vsキック・MMA二刀流“ブラックパンサー”ベイノア、そして“人獣”中村寛、皇治を撃破し大きく名を上げたYA-MAN、天心の弟・那須川龍心もデビュー戦で出場と、まさにオールスターのラインナップ。RISE初進出となる国立代々木競技場第一体育館で新たな伝説が予感される。
記事提供:RISE
イベント情報
『Cygamespresents RISE ELDORADO 2022~TenshinNasukawa Final Match~』
日時:4月2日(土)15:00本戦開始(オープニングファイト13:30開始予定)
会場:国立代々木競技場 第一体育館(東京都)