水江建太、中川晃教らが音楽に魅了された人や悪魔を熱演 『CROSS ROAD〜悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ〜』ゲネプロレポート

レポート
舞台
2022.6.8


パガニーニと彼の弟子であるアーシャ、『幻想交響曲』などで知られる作曲家・ベルリオーズとのやりとりなど、音楽を志す者同士の対話もグッとくる。パガニーニはもちろん、シューベルトやリストに関する逸話も盛り込まれており、ロマン派の作曲家たちを身近に感じられるのも本作の魅力だろう。

そして、キャスト陣の芝居をより引き立て、物語を盛り上げているのが村中俊之による楽曲だ。原作・脚本・作詞・演出の藤沢、作曲・音楽監督の村中は、ミュージカルを制作するのは共に初めて。しかし、「ラ・カンパネラ」をはじめとするパガニーニの曲を効果的に盛り込みながら、印象深いオリジナル楽曲でキャラクターそれぞれの魅力を最大限に引き出している。ロックやラテン、ブルースのような雰囲気が漂うものまで、多彩な楽曲がキャラクターの個性や心情を見事に表現しており、処女作とは思えない完成度だ。

本作は6月30日(木)までシアタークリエにて上演される。朗読劇がオール日本人クリエイターによってどのようなミュージカルに生まれ変わったのか、ぜひ劇場で見届けてほしい。

取材・文・撮影=吉田沙奈

公演情報

ミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』
 
日程:2022年6月7日(火)~30日(木)
会場:シアタークリエ
 
<CAST>
音楽の悪魔 アムドゥスキアス:中川晃教、ニコロ・パガニーニ:相葉裕樹/水江建太(Wキャスト)
 
ジプシーの娘 アーシャ:早川聖来(乃木坂46)
ナポレオン皇帝の妹 エリザ・ボナパルト:青野紗穂
パガニーニのヴァイオリンの師 コスタ:畠中洋
パガニーニに仕える執事 アルマンド:山寺宏一/戸井勝海(Wキャスト)
パガニーニの母 テレーザ:香寿たつき
 
荒居清香、小倉優佳、趙京來、德岡明、中野亮輔、増山航平、宮田佳奈
 
<CREATIVE&STAFF>
原作・脚本・作詞・演出 :藤沢文翁
作曲・音楽監督:村中俊之
 
音楽スーパーバイザー :塩田明弘
 
美術:野村真紀(東宝舞台)
照明:久保良明(エヂソンライトハウス)
衣裳:大戸美貴(東宝舞台)
音響:大野美由紀(東京音響研究所)
ヘアメイク:宮内宏明(M’s factory)
 
振付:楢木和也(梅棒)
歌唱指導:市川祐子
音楽監督助手:大隅一菜
稽古ピアノ:石川花蓮
 
演出助手:末永陽一
舞台監督:山本圭太(ザ・サムシングエルス)
 
制作:上村幸穂・加藤葉子
プロデューサー:白石朋子・吉田訓和
 
製作:東宝株式会社
 
公式Twitter  https://twitter.com/CROSSROAD_MCL  (@CROSSROAD_MCL)
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