井上芳雄・明日海りお・浦井健治・望海風斗、ブロードウェイに負けないクオリティの作品ができたと自信 『ガイズ&ドールズ』会見&ゲネプロレポート

2022.6.9
レポート
舞台
 

『ガイズ&ドールズ』舞台写真

続いて、普段ブロードウェイで活躍しているマイケルに、日本の役者陣から受けた印象に対する質問が。国に関係なく良い俳優はすぐに分かるとした上で、「この4人の仕事に対する美学はすぐわかりましたし、仕事に誠心誠意取り組む姿勢がカンパニー全体から感じられました。お客様に見せる成果物に対する敬意、それに対する誠意の度合いが本当に多いというのが、日本のミュージカル全体に対するイメージです。アメリカが日本の文化から見習うべき点は多々あります」と話した上で、「完璧な完成形を目指すのは素晴らしいですし、もちろん目指すべき。その上で、私の願いとしては、もっと自分らしさを出して自分で舞台に立つことにチャレンジしていただきたいと思います」と期待を寄せる。その理由として「私にとって、完璧さは逆にいうと面白味のなさ。人々が劇場に行く理由として、欠点やもがく姿を見たいという部分があると思うんです」と舞台に対する考えを述べた。これに対し、井上は「浦井くんは完璧ですけど、僕はそんなことないですね。コメディだととにかく笑いを取りたい、無理にでもアドリブを挟んで稽古場を笑わせてやろうと思ってしまうんですけど、やっていく中でお互いを見てただただ役として生きてくれと言われて。原点に戻って取り組めています。一切アドリブはしていないと胸を張って言いたいです(笑)」と、初心に返って芝居に向き合えたと振り返る。

『ガイズ&ドールズ』会見より

望海は「この作品をたくさんの方に観ていただき、ここからさらに進化していけたら。どんどん深まっていく過程を千穐楽まで全員で楽しんでいきたいです」と意気込み、明日海は「マイケルからいただいた言葉を忘れず、素敵な時間にできたら。千穐楽までカンパニーの全員が健康でいられるように念じながら毎日公演したいです」と気を引き締める。浦井が「ずっと満員御礼で難と聞いています。このご時世にすごくありがたいことです。スカイとサラの恋愛がロミジュリのようで本当に素敵。最初は賭けから始まったのが本当の愛になっていく。真実の愛という普遍的なメッセージをお客様にお届けしながら、僕としてはアデレイドと一緒にふざけたいですね。作品のスパイスとして演じたれたらと思っています」と意欲を語ると、井上は「ちゃんとしたことを言うようになったね」と感心。最後に座長として、「マイケルだけじゃなく、振り付けのエイマン、装置のデインなど、皆さんアメリカから来てくださいました。もちろん日本人スタッフやキャストも全力でやっていて、素晴らしいクオリティのものが出来ました。客席で観ながら本物のブロードウェイにいるような感覚になりましたね」と完成度への自信を見せた。

【あらすじ】
1930年代のニューヨーク。ネイサン(浦井健治)は賭場を探して奔走していた。14年間にわたって婚約しているアデレイド(望海風斗)にはギャンブルはやめると言いつつ、一向にやめないネイサン。彼は賭場代を得るため、大物ギャンブラー・スカイ(井上芳雄)に賭けを申し込むことに。「どんな女でも落とせる」と言うスカイに、超堅物な救世軍の軍曹・サラ(明日海りお)を落とせるかどうか賭けようと言うネイサン。伝道所の危機につけ込んでサラを食事に誘うスカイだったが、共に過ごすうちお互いに惹かれていく。だが、サラの留守にネイサンが伝道所で賭博を行なっていたことで二人の間には溝ができてしまう。また、隠れて賭博を続けていたネイサンにアデレイドの不満が募り――。
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