井上芳雄・明日海りお・浦井健治・望海風斗、ブロードウェイに負けないクオリティの作品ができたと自信 『ガイズ&ドールズ』会見&ゲネプロレポート
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ゲネプロレポート
まず目を引くのはステージに設置された3階建てのセット。作中ではこれがシーンに合わせて上下・回転し、伝道所になったり街の一角になったりしながら場面ごとの雰囲気をガラリと変えている。セットやアンサンブルの活躍により、実際以上のスケールが感じられる。軍隊を模した組織を持つキリスト教プロテスタントの慈善団体・救世軍や2個のサイコロを振って出目を競うクラップ・ゲームなど、耳馴染みのない言葉も多いが、ストーリーはシンプル。魅力的な楽曲やキャラクター、思わず笑ってしまう演出やコミカルな演技など見所が多く、時代背景や難しいことを考えなくても十分に楽しめると感じた。
『ガイズ&ドールズ』舞台写真
『ガイズ&ドールズ』舞台写真
井上が演じるスカイは、やり手のギャンブラーらしい自信に満ちておりチャーミング。したたかで口も上手いが、サラに振り回されるシーンでは純情な一面も見えて可愛らしい。ロマンティックなナンバーや勝負師としての格好良さが存分に発揮されるナンバーまで、多彩な楽曲で井上の歌声やダンスを堪能できる。救世軍のメンバーに混ざって笑顔で行進したり楽器を演奏したりと、時折見せる子供のように無邪気な表情も魅力的だ。明日海は堅物な聖職者としてのサラの姿と、スカイに連れられて訪れたハバナで羽目を外してはしゃぐ少女のような表情のギャップを愛らしく魅せる。真面目なサラがスカイに出会い、恋に落ちていく様子や心境の変化が歌声や表情から雄弁に伝わってきて応援したくなってしまう。
『ガイズ&ドールズ』舞台写真
『ガイズ&ドールズ』舞台写真
一方、ネイサンとアデレイドのカップルは終始コミカル。浦井はアデレイドにベタ惚れなのにのらりくらりと結婚から逃げるネイサンを愛嬌たっぷりに演じ、憎めない存在に仕上げている。スカイとのシーンで見せる息の合ったやりとり、ギャンブル仲間のナイスリー(田代万里生)たちとの悪友感、クラップ・ゲームの参加者であるハリー(友石竜也)との緊迫した駆け引きなど、ギャンブラーらしい危険な一面も魅力。恋人に見せる顔のあまりの違いに思わず笑ってしまう。