サモ･ハン、アン･ホイ、ジョニー･トー、ツイ･ハークら七監督が“香港の”七つの物語を描き出す　映画『七人樂隊』日本公開が決定

香港映画『七人樂隊』（原題『七人樂隊』／英題『Septet：The Story of Hong Kong』）が10月7日（金）より日本で劇場公開されることが決定。あわせて、日本版ポスタービジュアルが解禁された。

『七人樂隊』は、『エレクション』シリーズや、『ザ・ミッション 非情の掟』などで知られるジョニー・トー監督がプロデュースし、現在も香港で活躍する七人の監督が集まり、1950年代から未来まで、担当する年代をクジで選んで撮影したオムニバス映画。コロナ禍で通常開催を断念した2020年のカンヌ国際映画祭ではオフィシャルセレクションに選出された作品だ。本作はは、フィルム時代に敬意を表し、全編35mmフィルムで撮影。ジョニー・トー監督は、「タイトルの『七人樂隊』には、スタイルと才能の異なる監督たちが組むことで、優れた演奏者の共演のように、共鳴し妙なる調べを奏でることができるとの意味が込められている」とタイトルについてコメント。また「『七人樂隊』は全編をフィルムで撮影し、フィルム撮影の年代へ敬意を表した映画である。七人の監督が協力し、この世代の香港の監督の団結精神を見せることで、若い世代の映画人を啓発し励ましたい、とも願っている」と創作のコンセプトを明かしている。

本作は、サモ・ハン監督（『燃えよデブゴン』シリーズ、『おじいちゃんはデブゴン』など）が貧しかった1950年代に必死にカンフーの稽古に励んだ幼い自分と仲間を描く自伝的エピソード「稽古」のほか、女性監督として世界で初めてヴェネチア国際映画祭生涯功労賞の金獅子賞を受賞したアン・ホイ監督（『桃さんのしあわせ』など）が教育に生涯を捧げる校長と彼を慕う同僚の女性教師とかつての教え子たちを描いた「校長先生」、パトリック・タム監督が移住を控えた恋人たちの別れを描く「別れの夜」、ユエン・ウーピン監督（『グリーン・デスティニー』『マトリックス』アクション監督など）が香港を離れる孫と香港に残る祖父のユーモラスで温かな交流を描く「回帰」、ジョニー・トー監督が香港の“茶餐廳”で大儲けを夢見る一般市民が株価に右往左往する様を描く「ぼろ儲け」、リンゴ・ラム監督（『友よ風の彼方に』など）が香港の変わり様に翻弄される男を主人公にした「道に迷う」、ツイ・ハーク監督（『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズなど）が病棟を舞台にたたみかける台詞で魅了する「深い会話」の七篇で構成。なお、リンゴ・ラム監督は「道に迷う」が遺作となった。

解禁されたポスタービジュアルでは、イノセントな白を背景に、7本のエピソードのスチールが配されている。

『七人樂隊』10月7日（金）より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。