若き箏曲家LEOにインタビュー 箏だけでなく“音楽が好き”な今の視点で新しいものを~自身初の箏独奏コンサートを開催

インタビュー
クラシック
2022.7.22

■お箏の生演奏が0地点。それを忘れずに、世界を広げていきたい

――そういう癒しの時間があるから、お仕事での挑戦もできるんですね。今、感じている音楽家としての今後の課題はなんでしょうか。

今まで以上に、ジャンルにとらわれる必要はない、ということです。以前、お箏にエフェクターをつけて演奏することにハマっていた時期があるのですが、最近また自分の中でリバイバルしていて、エフェクターを使った表現もやりたくなっています。今年、ブルーノートでの公演をやってみて、コンサートホールに限らず、ライブハウスでも、どんな会場で自分の音楽ができるのであれば、それが一番いいなと思えるようになりました。そのためにも、自分の中にある音のパレットは多い方がいい。

しかし、自分の音楽だ、と言えるものしかやりたくはありません。全然違うジャンルのものを持ってきて、ただ一緒にやりました、というだけでは自分の音楽とは言えませんから。それをこちらからどう広げていこうか、という意識は常にありますね。自分の世界をつくるためにも、いろんな要素を取り入れて、自分の音楽にしていく。それは、融合させるというよりも共存させる、調和させることなんです。そのバランス感覚が今回のコンサートにもつながりますし、今後磨いていきたいところですね。そこが、ちょっとずつ見つかってきたような感覚でいます。

でも、生のまま、お箏1本だけでやることを捨ててしまったら、演奏家としては向上できない。それは10代の頃からずっと、お師匠から言われていることです。そこがコアで、0地点。それを忘れずに、今後もやっていきたいですね。

取材・文=宮崎新之 撮影=池上夢貢

公演情報

『LEO 箏リサイタル2022 -うたと間 -』
 
【公演日】2022年8月19日(金)19:00開演(18:30開場)
【会場】銀座王子ホール
【出演】LEO(箏)
 
【曲目】
沢井忠夫:讃歌
坂東祐大:間の観察(改訂/初演)
宮城道雄:手事
光崎検校:秋風の曲
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番より
吉松隆:なばりの三ツ

※やむを得ない事情により、曲目が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
 
【料金】全席指定席:5,500円(税込み)
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