八木勇征、最も強い感情は「”思い立ったが吉日”タイプ」~舞台「脳内ポイズンベリー」インタビュー

インタビュー
舞台
2022.8.26
八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)

八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)

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2022年8月26日(金)~9月6日(火)に東京・明治座、9月10日(土)~12日(月)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演される舞台「脳内ポイズンベリー」。水城せとなの同名人気コミックを原作に、主人公・櫻井いちこ(本仮屋ユイカ)の脳内で擬人化された5つの思考による“脳内会議”が繰り広げられるラブコメディだ。

脳内会議メンバーの議長役・吉田を務める八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)に、開幕直前の心境を直撃。舞台作品への思いや稽古場でのエピソードなどを明かしてくれた。

ーー大詰めを迎えたタイミングでお話をうかがっておりますが、稽古の手応えはいかがでしょうか?

稽古への参加日数が少ない中ではありますが、キャストやスタッフの方々に支えてもらいながら、よりクオリティの高い吉田になれている気がします。通し稽古を重ねるうち、全員の歯車が噛み合ってきた感覚もありますし、早く本番を迎えたいです。お客さんの反応がすごく楽しみですね。フルで2時間以上という長尺を、お芝居だけで埋めていくのは僕にとって初挑戦。経験豊富なキャストの方々と、頼りになるスタッフさんにお芝居の精神を鍛えていただきながら、やっていて充実感があります。LDH以外の舞台作品は初めての経験で、新しく感じることがたくさんありました。このタイミングで出演させていただけて、本当によかったなと感じているところです。

ーー稽古場で印象的だった出来事を教えてください。

先日、演出の佐藤(祐市)さんのお誕生日をみんなでお祝いしました。「節目の年にこの舞台ができて嬉しい」って言ってくださったのと、還暦を迎えられたことついて「経験値が武器になってくる歳」とおっしゃっていたのが印象的でした。「吉田役を八木に任せてよかったな」って思っていただきたいですし、期待に応えたいなと僕自身も改めて身が引き締まりました。

ーー舞台ならではの見せ方については、現時点でどう感じてらっしゃいますか?

映像作品のお芝居は、レンズの向こう側で見てくださってる方へ細かい表情を伝えるもの。舞台は前後左右、いろんな角度からお客さんが見てくださっているので、客観的な自分の見え方を意識しなければいけない。これは演出の佐藤さんにも指摘いただいたことなんですが、僕のお芝居は面と面の世界だけでやってしまいがちだったんです。リアルタイムで人から見られているという感覚を常に持たなければと感じました。毎公演、セリフやタイミング、声色はきっと同じじゃない。演じるたびに違いを感じるのも、自分がそこに合わせていくのも、他のキャストの方々とやっていくのも楽しい。公演ごとに異なる歯車の噛み合い方をしていくと思うので、毎回新鮮だと思います。

ーーストーリーの感想をお聞かせください。

最初に映画を見て、原作の漫画も読みました。いちこ一人で完結している物語ではあるんですが、感情ごとにバッグボーンがあって共感できる部分がたくさんありました。僕が演じる吉田をはじめ、脳内にいる5人にとっていちこは自分自身。自分が幸せになるためにはどうしたらいいかってことを何より考えているんです。早乙女(亮一)にはワーワーするけど、越智(宏彦)さんといるときは落ち着いている対極さも面白いですよね。一見ポップでコミカル、面白くて明るいテイストではあるんですが、結構深読みができる内容だなと。「次、どういうことが起きるんだろう?」ってワクワクする感覚がありました。

ーー舞台ならではの見どころは?

脳内で起こるシーンは、生で演じるからこそのチームプレイが感じられるのではないでしょうか。「いちこって、早乙女くんや越智さんと喋りながら頭の中でこんなこと考えているんだ」って、見ていてすごくわかりやすい。現実世界線と僕たち脳内組とのお芝居の掛け合い、細かいセリフのバトンパスは特に見どころです。舞台版ならではのシーンにも注目していただきたいです。

ーーいちこの悩みに共感する方も多いと思います。八木さんとして、いちこにアドバイスするなら?

好きな人に対して、その人を傷つけないための嘘を吐かないほうがいいよって言いたいです。正直にいこうよって。優しさからくる嘘だったとしても、真正面から接していきたい人に対して使うべきじゃないと思いました。

舞台「脳内ポイズンベリー」

舞台「脳内ポイズンベリー」

ーー演じる吉田のキャラクター像は、どう捉えていらっしゃいますか?

稽古に入ってから気づいたことなんですが、議長然として冷静でいなければならないと自分で思っているキャラクター。それなのに、とても優柔不断なんです。いろんな感情に頼りながら右往左往したり、多数派に従ったり。劇中のセリフにもあるんですが、本当に風見鶏だなって思います(笑)。なによりいちこは自分自身でもあるからこそ、いちこに幸せになってほしいという熱い思いは誰よりも持っているんじゃないでしょうか。見せ方として意識しているのは、とにかくワタワタすること(笑)。「こいつ、頼りないな」ってところは動きで見えてくるようにしたいです。

ーー演じる上で、ご自身と重なる部分はありますか?

人に対して警戒心があるところかな(笑)? 越智さんは大人でいい人とは思いつつ、ハトコに「越智さんってどう? キュンキュンする?」って聞くところはまさにそう。吉田というキャラクターとはいえ、彼らは“感情”。誰もが持っているものですし、それぞれに共感できる部分があります。

ーーちなみに、八木さんの中で最も強い感情は?

僕は即行動派なので“瞬間の感情”であるハトコちゃんが一番強いです。本当にその場の感情でバッと動くことが多いんですよ。“思い立ったが吉日”タイプです(笑)。

ーー今作での経験は、今後のグループ活動にとってどんな糧になりそうですか?

稽古ではミザンス(立ち位置)をつけずに、まず演者に任せていただく形で作り上げて来ました。自分でどういうタイミングで動き出したいかを最初に見せてから、演出の佐藤さんと調整しながら決めていったんです。まず自分で考えるというやり方は、グループ活動にも通ずるものがあって。「ここが見せ場で、ここでお客さんにこういう感情を持ってもらえるんじゃないか」って考えた経験は、セットリストを組む時やステージングを考える場合にもいかせると思います。

ーー最後に、上演を楽しみにされているお客様へメッセージをお願いします。

初めての外部舞台ですが、アットホームな雰囲気の中で毎回稽古をやらせていただいています。素敵なキャスト、スタッフの方々とまずは東京・明治座から公演できることがすごく光栄です。作品にのめり込んで時間を過ごしてもらえるように、一公演一公演大切に届けていきたい。全力で吉田を演じてまいります。

取材・文=潮田茗

公演情報

舞台「脳内ポイズンベリー」

原作:水城せとな(集英社クイーンズコミックス刊)
演出:佐藤祐市(共同テレビジョン)
脚本:新井友香、今奈良孝行
出演:本仮屋ユイカ 八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)
   平野 良 白石隼也
   猪野広樹 早川夢菜 木村花代 / 石黒 賢
 
■東京公演
日程:2022年8月26日(金)~9月6日(火) ※休演日:8月31日(水)
会場:明治座
(全席指定・税込)
S席 11,500円/A席 6,000円/非売品グッズ“会議セット”付き S席 13,500円
アフターステージ付き S席 12,500円/アフターステージ付き A席 7,000円
アフターステージ付き非売品グッズ”会議セット”付き S席 14,500円
※未就学児は入場不可です。
※開場は開演の1時間前です。
※会議セットの対象はS席となります。
企画制作:フジテレビジョン
主催:フジテレビジョン/明治座/サンライズプロモーション大阪/AOI Pro.
 
■大阪公演
日程:2022年9月10日(土)~9月12日(月)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール
(全席指定・税込)
S席 11,500円/A席 9,500円/非売品グッズ"会議セット"付き S席 13,500円
アフターステージ付きS席 12,500円/アフターステージ付きA席 10,500円
アフターステージ付き非売品グッズ"会議セット"付き S 席 14,500 円
主催:サンライズプロモーション大阪
 
<公式ホームページ>
https://www.nounai-poison-berry.jp/
<公式 Twitter> 
Twitter @NounaiPoison
<明治座公式 youtube>
舞台「脳内ポイズンベリー」の関連動画を公開中
https://www.youtube.com/channel/UCG1gvkmxc78Z-3ZEjPTC5Fw
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