B'z のライブサポートや編曲で活躍し、ZARD、倉木麻衣、大黒摩季、ももいろクローバーZ、BAND-MAID等への楽曲提供でも知られるdoa・徳永暁人。そのキャリアに迫る【インタビュー連載・匠の人】
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■なんで音楽をやってるか考えると、まだ見ぬ誰かを助けたいんです
――その頃から、お仕事の幅をどんどん広げていらっしゃいますね。大黒摩季さん、倉木麻衣さんのライブサポートや、作家としても様々な方々に楽曲提供をされています。
そうですね。大阪のレーベルに籍を置くようになりまして、主にそこに所属しているアーティストさんの曲を書かせていただくようになりました。
――「Feel fine!」「渡月橋 ~君 想ふ~」「明日へ架ける橋」「Stand Up」等、倉木さんの曲をたくさん手掛けています。
はい。「Stand Up」も僕が好きな感じで作ったデモをたまたま倉木さんが聴いて、気に入ってくださったんです。
――ももいろクローバーZの「気分はSuper Girl!」、北原愛子さんの「DA DA DA」等、提供した曲はたくさんありますが、採用された時はどんな感覚なのでしょう?
もちろん嬉しいんですけど、採用された瞬間に自分が作った感覚がなくなるんです。あまり執着がなくて、「次、何を生み出せるかな? そのために何をしよう?」っていうような感じですね。「作品=自分じゃない。だから作品がもしボツになっても、自分自身を否定されたわけではない。落ち込み過ぎなくていい」っていう好きな言葉があるんですよ。つまり、「作品が称賛されてヒットしたとしても自分自身が称賛されたわけではない。作品がいろんな人の手によって称賛されただけなんだ。だから驕って天狗にならないように」っていうことなんです。そういう気持ちでずっとやっています。
――その姿勢でお仕事を積み重ねてきて、人々の心に残る音楽をたくさん生み出してきましたね。
そんな風に言ってくださると嬉しいです。でも、「なんで音楽をやってんの?」って考えると、僕はまだ見ぬ誰かを助けたいんです。かっこよく言っているみたいなんですけど、自分が作ったもの、歌ったものによって誰かの日常がちょっとでも良くなったり、「ドライブしてて気持ちいいね」「彼女とちょっと盛り上がった」「肩こりがちょっとなくなった」とか(笑)。そんなことを感じていただきたいというのがあります。それができるのは、僕にとって音楽なのかなと。doaの曲もそういう気持ちで作っています。
――doaは2004年に結成されていますよね。
はい。doaはボーカルの吉本大樹くんを紹介してもらって、英語ができるということだったので、「カバーをやってみよう」っていうのが最初でした。それまでもいろんな方々と組んで、「こういう売り方で」と話しつつオリジナル曲のデモを作ったりしていたんですけど、なかなか形にならず、デビューにも至らなかったんです。でも、「吉本くんとだったら好きな音楽を好きにやれそう」というところから始まったので、すごく楽しくて。
――それがイーグルスやドゥビー・ブラザーズといったウエストコーストロックのテイストがあるdoaの音楽性に繋がったんですね?
そうですね。でも、そういう音楽をやるにはハモらなければいけないので、2人じゃできないなと。それで「BAADの大田紳一郎さん、ハイトーン出てたよな。稲葉さんの上ハモしてたから入ってもらえたら三声ハモができるし、最強じゃない?」っていうので、大田さんも誘ってdoaを結成しました。
■未だに「明日何が作れるか?」ということが心配
――9月7日に13枚目のアルバム『CHEERS』がリリースされますが、まずタイトルにはどんな想いが込められているのでしょう?
“CHEER”は乾杯という意味ですが、最初は励ますという意味の“CHEER”という言葉が浮かんで、「元気づけたいな」っていう気持ちがあって。元気づけられそうな曲が何個か貯まってきたので、そこからこのアルバムのタイトルに繋がっていきました。
――「WILD BEAST」とか、大合唱しながら元気になれそうです。
今はお客さんに歌っていただけない時期なので「どうしようかな?」とも思ったんですけど、doaはもともと大合唱する曲が多いんです。だから「今は歌ってもらえないけど、あえて入れよう。家や車の中とかでもいいので、Wow Wow歌って発散してもらえたらいいな」と思って作ったのが「WILD BEAST」ですね。
――この曲もそうですけど、doaの曲はやはりカリフォルニア的なフィーリングが一貫してありますよね。
ありますね。パームツリー、乾いた空気、青空が浮かぶような曲を一貫してやっています。もともとそういうものが好きなんですけど、大げさに言うと「あの青空感で救えないかな?」というのがあるんです。言ってて恥ずかしいけど(笑)。doaを聴いたら青空になった気がした、という風になっていただけたらいいと思っていて。だから曲を書いている時にはカリフォルニアの景色のYouTube動画を流しながら作業をしています。
――このアルバムを引っ提げて9月からツアーですね。
はい。ワクワクしております。みなさんにはまだ歌っていただけない状況が続いていますけど、その分、僕ら3人が歌ってハモりますので。
――ご自身のバンドのdoaの活動と作家、アレンジャー、ライブサポートなどのお仕事の両軸があることに関しては、どのように感じていますか?
僕の中でどちらにも差はないんです。もともと「音楽ができれば御の字! 俺なんて使ってくれてすみません!」っていう感じだったので(笑)。だからdoaに関しても「ありがとう!」っていう感じなんですよ。大先輩の大田さんがメンバーになってくれて、有名なレーサーでもある吉本くんが一緒にバンドをやってくれて、歌ってくれることにも感謝です。
――素敵なミュージシャン人生を歩まれていますね。
とんでもないです。未だに「明日何が作れるか?」ということが心配ですから(笑)。いい経験をさせていただいているので、そういうのを糧にして頑張っていきたいですね。新しいことも吸収したいと思っています。アップライトベースを弾きながら歌えるようになりたかったり、配信に合わせた作曲の仕方も研究したいと思っていたり、やりたいことはいっぱいあります。まだまだ精進します。
取材・文=田中大
リリース情報
9月7日(水)発売
doa『CHEERS』
【収録曲】
1.WILD BEAST ※FIA-F4選手権オフィシャルテーマソング
2.アブラカダブラ
3.Bicycle
4.ありがとう
5.TAKE A WIN ※香川ファイブアローズ(プロバスケットボールチーム)公式応援ソング
6.OSAKA CHEERS ※「テレビ大阪 YATAIフェス!2022 Supported by 翠ジンソーダ」テーマソング
7.おそうじBoogie
8.夢の中まで
9.Be There
10.ヒューマン
11.Layla
12.がんばらなくてもいいんだよ
ツアー情報
9月23日(金祝) 福岡県 / Gate’s7
1st:OPEN 14:30 START 15:00
2nd:OPEN 17:15 START 17:45
(問)BEA 092-712-4221
1st:OPEN 14:30 START 15:00
2nd:OPEN 17:15 START 17:45
(問) YUMEBANCHI(岡山) 086-231-3531
1st:OPEN 14:30 START 15:00
2nd:OPEN 17:15 START 17:45
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
1st:OPEN 15:15 START 15:45
2nd:OPEN 18:00 START 18:30
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
1st:OPEN 14:30 START 15:00
2nd:OPEN 17:15 START 17:45
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
1st:OPEN 14:30 START 15:00
2nd:OPEN 17:15 START 17:45
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
※入場時ドリンク代別途必要。
※未就学児入場不可。
※開場・開演時間は8月3日(水)時点のものとなり、変更となる場合がございます。
※本公演は、政府機関・ライブ開催都市のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染防止対策を講じ、ガイドラインに沿ったキャパシティー、全指定席でのご案内となります。
なお、状況の推移によっては開催中止となる可能性もございますことを何卒ご了承ください。