the dadadadys『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー僕らは紛れも無く、ロックスターを観た
the dadadadys 撮影=河上良
『RUSH BALL 2022』the dadadadys
もうひとつの大きなステージの本番中に、サウンドチェックをやらないといけない。それは野外イベントやフェスあるあるなわけで。で、何となく本番中のもうひとつのステージを優先する暗黙の了解がある中、the dadadadysは自分たちがまるで大きなステージで本番中のような本意気の爆音を鳴らしまくった。その上、ギターボーカルの小池貞利は「あっちに負けんなー!」と絶叫する。いや、もう最高ですよ、それ以上の言葉がありますか? でもね、これ誰でもがやっていいわけじゃなくて、そんな事をしても許されるくらいに、そんな事が似合う男なんです、彼は。金髪に紫基調の黒のまだら模様があしらわれたセットアップスーツみたいな衣装自体が誰でもが着れるわけじゃない。
the dadadadys
サウンドチェックからわかりきっていた事だが、このステージにおいてthe dadadadysは別格だった。そんでもって小池は紛れも無くロックスターでありカリスマである。もう、その域まで余裕で達していた。だって、サウンドチェックからステージはじっこのスピーカーに座ったりして、挑発気味に歌っているんだから。というか、サウンドチェックだけで、こんだけ書かせるという事が凄いんです。そうそう、ちょっと喋れば喋ればで、その喋りが凡人には全て理解できないくらいのレベルで、だけど、とにかくかっこいいという事だけは伝わってくる。
本題の本番ですが、もはや何も書く事が無いくらいに素晴らしい。音を鳴らせば爆裂グルーヴだし、何をしたって絵になる。これだけ振り切れてるんだけど、teto名義時代の「9月になること」で歌うのは、センチメンタルな胸キュンの夏の哀愁だったりする……。最後にひとこと、彼らには、このステージは小さすぎて、この時間は短すぎる! あくまで個人の意見ですが、今日観た人たちも、そう想っているはずだ。
the dadadadys
取材・文=鈴木淳史 撮影=河上良
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