『笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康』平野良&藤田玲インタビュー 「猛者ばっかり」のカンパニーが作る戦国青春絵巻

インタビュー
舞台
2022.10.11
藤田玲、平野良

藤田玲、平野良

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世界に誇れる「日本人」、そして「日本の歴史」を面白可笑しくシュールに上演してきた「祭シリーズ」が、今年も12月23日(金)から上演される。今年のテーマは「それでも生きる」。戦国という混沌とした時代を生き抜いた徳川家康の生涯を、数々の有名武将との攻防とともに、爆笑必至のコメディとして描く。4年連続にして初めての単独座長を務める平野良と、「祭シリーズ」初出演となる藤田玲に公演への意気込みを聞いた。

――まずは、初の単独座長を務めるお気持ちを平野さんからお聞かせください。

平野:これまで、ダブル座長システムが長かったそうで、すごく久々の単独座長らしいのですが…一言で言ってしまえば「倍になって大変だな。逃げられないな」って(笑)。

藤田:そうだね、逃げられないね(笑)。

平野:責任が今までとは違うというのは感じています(笑)。(藤田)玲ちゃんも今回、初出演ですが、久々のメンバーも多いですし、今年は“お芝居ガチ勢”が多いので、もちろん楽しみも大きいです。今回、初めて徳川家康を演じるんですよ。僕、明智光秀役が多くて。やっぱり俳優としては、いつかは家康と織田信長を演じてみたいという憧れがあるので、(今回、演じられるのが)すごく嬉しいです。家康ほど不幸な武将はいないと思っていますが、サクセスストーリーでもあると思うので、稽古が待ち遠しいです。

平野良

平野良

――藤田さんはシリーズ初参加ですが、このシリーズの存在はご存じでしたか?

藤田:もちろんです。なかなかスケジュールが合わず、今回、やっと参戦できるので嬉しいです。実は、今年はこの後の作品でも(平野)良くんと一緒なので、長く一緒にお芝居できるというのも嬉しいですし、久々にお会いする方も多いので、どうなるのかワクワクしています。

――松田岳さんとのダブルキャストで、織田信長役を務めますが、それについてはいかがですか?

藤田:貫禄を出さないといけないなと。

平野:ぴったりだよ、信長。

藤田:どうですかね。でも、ただの信長じゃないでしょうし。

平野:岳とのダブルキャストだというのがね(笑)。岳がいることによって、おもしろキャラなのかなと思ってしまうから(笑)。

藤田:松田さんとは初めてご一緒しますが、かなりポップな方だと聞いているので、逆に僕がついていけるかなと思っています(笑)。普段、あまり見せないところもお見せできるお芝居になるのかなと楽しみです。

――今回、脚本を劇団「拙者ムニエル」の村上大樹さんが担当されます。村上さんの作品ということで、コメディ色の強い作品になるのではという期待もありますが。

平野:そうでしょうね。むーさん(村上)の劇団「拙者ムニエル」は化け物ぞろいの劇団ですから。むーさんが書く作品は、クセがあって、ナンセンスな笑いが多いんですが、今回は歴史的な真面目な部分と笑いの部分がどういうバランスで作られるのかすごく楽しみです。

藤田:僕は村上さんとは初めてなので、話を聞いていて、錚々たる俳優の方々にどう絡んでいけるのかと戦々恐々としてます(笑)。ただ、お芝居の上では引いてばかりもいられないので、そこは真剣に向き合っていきたいと思います。それにしても、このカンパニーは、猛者ばっかりだよね。

平野:猛者ばっかりだし、みんな個性派。でも、僕と玲ちゃんと(今作にも出演する)大山真志と(演出の)板垣(恭二)さんは、すでに別の作品でタッグ経験あるからね。

藤田:とあるミュージカルでね(笑)。その時は、味方良介くんもいましたね。今回は、(味方の)弟の鏡介くんがいますが。

平野:写真だけ見ると兄弟でそっくりだよね。彼との共演も楽しみです。

藤田玲

藤田玲

――お二人は、共演経験も多く、知り尽くしている仲だと思いますが、お互いに俳優としての魅力はどこにあると思いますか?

藤田:(平野は)「職人」ですよ。どんなジャンルもいける職人。

平野:それは玲ちゃんも同じで、我々は“よろず屋俳優”だから。何でもやる。玲ちゃんは作曲もするしね。芝居もやるし、コメディーもやるし。何でもやらせていただいてます。

藤田:そうですね。ただ、僕は、今作のようなコメディー色の強い作品は久々なので、すごく楽しみです。

平野:このシリーズは、一部がお芝居で二部がショーなんですよ。だから、僕は今回、玲ちゃんと二部でどう絡むことができるのかも楽しみにしてます。

藤田:何かやりたいですね。

――平野さんから見た藤田さんの印象はいかがですか?

平野: “クレバー俳優”です。僕の中で、芝居を見て「クレバーだな」と感じる三大俳優の1人です。そのほかの2人は、安西慎太郎と玉城裕規。この3人は芝居に対する角度が他の役者とは違うんですよ。もちろん、普通の角度で見ることもできるけれども、彼らそれぞれにしかできない角度でも見ることができて、それをお芝居に持ち込むことができるから、相当クレバーだと思います。しかも、玲ちゃんはトリリンガルなんです。『メッセージ』という映画でもありましたが、言語を一つ覚えるとその世界観が広がると僕は思うので、それだけ玲ちゃんは広い世界を持っているんだと思います。

藤田:ありがたい言葉ですが、プレッシャーがまた一つ増えました(笑)。

――先ほどもお話に上がりましたが、二部についても教えてください。

平野:内容はまだお話しできませんが、二部は、みんな、傷を負ってでも笑いに貪欲にいくショーです。

藤田:傷を負ってでも笑いをとりにいくんですね(笑)。

平野:過去にライダーをやっていようが、どんなにイケメンの作品をやっていようが関係ない。とにかく滑るなという(笑)。

藤田:怖い(笑)。

――アドリブも多いんですか? 

平野:その場のノリで変わることはありますが、基本的には流れはありますよ。ただ、ショートコントをやる場合には、もちろん、その時の空気で変わります。ぜひ、どう変わるのかも楽しみにしていただければ。

藤田玲、平野良

藤田玲、平野良

――ありがとうございました! 最後に、改めて、公演への意気込みをお願いします。

藤田:初共演の方も多いので、たくさんのことを学ばせていただき、より成長できたらと思います。そして、これまでも共演している強豪ぞろいの仲間たちとは、こうした笑いに特化した作品でどんな化学反応が起きるのか、僕自身も楽しみです。皆さんに笑って過ごしていただけるよう、誠心誠意取り組んでまいりたいと思います。二部では、平野くんとユニットを組みたいと思っているので、それもぜひ期待していただければと思います。

平野:今年は座長として1人で立たなければいけないプレッシャーはありますが、やることは一緒。気負わずに、笑いに特化したものをお見せできればと思います。徳川家康にとって、服部半蔵は非常に近しい人間だったと言われています。今回、その服部半蔵を宮下雄也が演じます。彼とは、これまでにも共演していて、笑いに関しては間違いないだろうと思える役者なので、それも楽しみです。個人的には、今年は大阪公演もあるので、2013年以来の大阪公演を楽しみたいと思います。主人公が徳川家康という、耳馴染みのある歴史上の人物ですので、ぜひ気楽に、軽い気持ちで足を運んでいただければと思います。

公演情報

『笑う門には福来・る祭 どうな・る家康』

東京公演:2022年12月23日(金)~26日(月)明治座
大阪公演:2023年1月8日(日)梅田芸術劇場メインホール
構成・演出:板垣恭一
脚本:村上大樹

出演:平野良/
蒼木陣、菊池修司、大平峻也、松本岳/
藤田玲(Wキャスト)・松田岳(Wキャスト)/
宮下雄也、平田裕一郎、井深克彦、味方鏡介、水瀬裕也、小早川俊輔、谷戸亮太、林剛史/
久ヶ沢徹、伊藤裕一/山崎静代(南海キャンディーズ)/
安西慎太郎、大山真志/辻本祐樹/
原田龍二/浅野ゆう子
 
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