大晦日に「のだめカンタービレ最終楽章」前後編を一挙放送!

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クラシック
2015.12.30

映画前後編に加え、後日「名曲選」も放送


さて年末年始のクラシック音楽ファンにお薦めの番組紹介、今回は映画をご紹介。予告編を見ていただければどなたもおわかりいただけるだろう、あの作品が、12月31日(木) 14:46より前後編が一挙放送される。


「マンガのドラマ化」が大成功した稀有な作品である「のだめカンタービレ」のフィナーレを飾った映画の最終楽章前後編が、NHK BSプレミアムの「年越し映画マラソン」の中で放送される。近年好調と言われる日本映画の中でも、「ヨーロッパ現地でプロのオーケストラと共演」「主人公の演奏を人気ピアニストのラン・ランが担当」など、その際立った本気度が話題を呼んだ本作、大晦日にぜひお楽しみいただきたい。

映画の原作である二ノ宮知子のマンガ「のだめカンタービレ」(2001-2010)はドラマにアニメにとメディアミックス展開されて、その影響は実際のコンサートでの選曲にも大きく影響を与えた。クラシックに詳しい方は思い出してみてほしい、この作品以前にベートーヴェンの交響曲第七番と言ったら映画「ローラ」や「愛と哀しみのボレロ」、「ストーカー」などでも使われた、ベートーヴェンにしては少し変わった曲とみなされていたはず。それが”のだめブーム”の後は堂々たるベートーヴェンの代表曲として、第九を除くなら最も演奏されている作品の一つとなったのだから本作の影響力たるや。マンガ序盤の「音楽大学あるある」的コメディを軸にした展開も楽しめたが、中盤以降に展開された「職業ドラマとしてのクラシック音楽もの」は二ノ宮知子得意の才能の物語として読み応え十分であったことを個人的には高く評価したい。

たしかに、ブームとなって時間は経っているけれど、「昔流行ったよね」なんて簡単に捨てられたりせず、繰り返し同じ作品が取り上げられるのもクラシックのいいところのひとつだ。そんなクラシック音楽の魅力を楽しく、時に厳しく描いた「のだめカンタービレ」もまた、マンガにドラマにアニメに音楽に、と繰返しお楽しみいただければと思う。幸い冬休みで読み返し聴き返しの時間は作りやすい時期でもあることだし。


◆ ◆ ◆

そして、今回の放送に連動する形で新年1月18日(17日深夜)には「プレミアムシアター」で「のだめと千秋のハーモニー ~映画『のだめカンタービレ 最終楽章』名曲選」も放送される。ラン・ラン、バレンボイム&アルゲリッチ、そしてヤンソンス&バイエルン放送響ほか、錚々たる面々の演奏で「のだめカンタービレ」作中に登場した作品を紹介してもらえるのだから、これ以上の楽曲紹介はなかなか望めないだろう。
ドラマもアニメもがんばって音楽を聴かせてくれたけれど、如何せん放送時間、尺の制約からは逃れようもない。「作品で描写された部分、サウンドトラックとして使える部分しか音楽を聴いてもらえないのはもったいない」と当時から残念に思っていた私から、今回の企画に心からの喝采を送りたい。

なお、同日のプレミアムシアター前半では「小曽根 真&NYフィル ニューイヤーズ イブ」として、2015年の大晦日にニューヨークでこれから開催されるコンサートが放送される。こちらも併せてお楽しみいただきたい。

放送情報
放送局:NHK BSプレミアム
 
■「年越し映画マラソン」 のだめカンタービレ 最終楽章 前編
12月31日(木)午後2:46~午後4:44
1512313.jpg指揮者コンクールで優勝した千秋は、かつて師匠シュトレーゼマンも指揮を務めたオーケストラの常任指揮者となる。だが、伝統あるオケのはずが、近年資金不足のためリハもままならず、団員の雰囲気は最悪で千秋はがく然とする。一方、音楽学校の進級試験を控えピアノ練習に励むのだめ。ある日、千秋から定期公演での演奏を頼まれ、ついに千秋と初共演できると大喜びするのだめだったが、その大役は別の人物に任されることに…。
 
■「年越し映画マラソン」 のだめカンタービレ 最終楽章 後編
12月31日(木)午後4:45~午後6:45
1512314.jpgしばらくの間お互いに距離を置くことを決めたのだめと千秋。そんな折、千秋にピアニスト孫Ruiとの共演話が持ちあがる。しかし、その演奏曲『ラヴェル ピアノ協奏曲』は、のだめがいつか千秋と共演するときに演奏したいと心に決めていた曲だった。2人の完璧な演奏に打ちのめされたのだめは、激しく落ち込んで…。フランスやオーストリアなどで撮影された映像と本格的なオーケストラシーンも見どころ。

 
■プレミアムシアター
1月18日(月)【1月17日(日)深夜】午前0時20分~
◇本日の番組紹介
ナレーション: 水落幸子(みずおち ゆきこ)
◇小曽根 真&NYフィル ニューイヤーズ イブ

<予定曲目>
2台のピアノによる「動物の謝肉祭」  サン・サーンス 作曲/小曽根 真 編曲
ばら色の人生   ピアフ作詞/ルイギ 作曲
なき王女のためのパヴァーヌ  ラヴェル 作曲 ほか
 
<出 演>
メゾ・ソプラノ: スーザン・グラハム
ピアノ: 小曽根 真
            イノン・バルナタン
<管弦楽>ニューヨーク・フィルハーモニック
<指 揮>アラン・ギルバート
 収録: 2015年12月31日 デヴィッド・ゲフィン・ホール

◇のだめと千秋のハーモニー 映画「のだめカンタービレ 最終楽章」名曲選

1.ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11  ショパン 作曲
<ピアノ>ニコライ・デミジェンコ
<管弦楽>ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
<指 揮>アントニ・ヴィト
収録: 2010年2月27日 ワルシャワ・フィルハーモニーホール(ポーランド)
2.ピアノ・ソナタ イ長調「トルコ行進曲付き」から 第3楽章  モーツァルト 作曲
<ピアノ>ラン・ラン
収録: 2014年5月29日 シェーンブルン宮殿の庭園(ウィーン)
3.2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448  モーツァルト 作曲
<ピアノ>マルタ・アルゲリッチ、ダニエル・バレンボイム
収録: 2014年4月19日 フィルハーモニー(ベルリン)
4.交響曲 第7番 イ長調 作品92  ベートーベン 作曲
<管弦楽>バイエルン放送交響楽団
<指 揮>マリス・ヤンソンス
収録: 2012年11月30日 サントリーホール
※案内サイト:http://www4.nhk.or.jp/premium/
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