足立佳奈、デビュー5周年でニューアルバム『Seeker』をリリース 探究者は何を探し求めど こへ向かうのか、23歳の本音に迫る

2023.2.18
インタビュー
音楽

足立佳奈

――個人的に、一番チャレンジしたなと思う曲は、どれだったりします?

チャレンジというか、すごくうれしかった…それもチャレンジですけど、Tani Yuukiくんと一緒に作った楽曲「ゆらりふたり」は、友人であるTaniくんと初めて音楽制作という形で携わることができて、しかも等身大の、自分たちの年代の子たちを応援できるようなラブソングに仕上げることができたので、うれしかったです。

――どういう作り方をしたんですか。二人で顔をつきあわせて?

というよりは、まず私がサビと自分のパートを完成させて、Taniくんにアンサーという形で書いてもらって、レコーディングも別々だったんですけど、Taniくんのレコーディングに私もお邪魔して、仕上げました。Taniくんが思っている男目線の歌詞がとてもリアルで、歌詞を受け取った時にはTaniくんと文通しているような感覚になって、歌入れやメロディ作りも“こんなふうになるんだ”と思ってうれしかったです。

――コラボって面白いですよね。いい意味で、予想外のことが起こったりして。佳奈さん、過去にもwacciと一緒にやったり、ルード(Rude-α)くんともやってるし、やっぱり毎回やり方は違いますか。

そうですね。ルードくんの時(「Like it feat. Rude-α」/2020年)は、ルードくんの雰囲気に私も乗っかりたいなと思って、二人で楽しく、みんなにハッピーを届けられる楽曲で、ちょっとラブソングっぽいテイストにしたんですけど。wacciさんとやらせてもらった時(足立佳奈&wacci「キミとなら」/2021年)は、橋口さん主導で動いてもらって、私は歌詞にちょっと参加させてもらって歌う、という感じで、みなさんそれぞれタイプが違うので。でもそうやってフィーチャリングさせてもらうと、“こういうふうに歌詞を書かれるんだ”“こういうレコーディングの仕方をされるんだ”とか、ほかの現場を見ることがなかなかないので、たくさん勉強になりました。

――もっとやりたいですね。いろんな人と。

そうですね。やりたいです。

――フィーチャリングとは少し違うけれど、今回は、今すごく注目されているプロデューサーの、Shin Sakiuraさんが活躍してますね。3曲も一緒にやってます。

5月に配信した「Me」という楽曲で、Shinさんと初めてコラボさせてもらいました。「Me」はバンドサウンドでは完成していたんですけど、リリースするにあたって、Shinさんにゆだねたというか、“この曲が化けたらいいな”と思ってお願いして。それが本当に、自分の想像もつかないような雰囲気の曲調で生まれ変わってくれたので、それに味を占めて(笑)。うれしくて、「WALK」と「Life Goes On」をお願いしました。

――Shinさんの編曲もそうですけど、緻密な打ち込みのトラックも多くて、これまでのバンドサウンドのイメージからはかなり変化してきましたよね。なんでもできるというか。

そうですね。私の好みもそうだし、あと、みなさんが聴いている、時代の流れというものもあるとは思うんですけど。いつも耳にする音楽だから、それが必然的に好みになってきてる、ということかなと思います。

足立佳奈

――今回は通常盤(CDのみ)と完全生産限定盤があって、生産限定盤のほうのCD2は、これ、ベスト盤と言っていいですかね。

そうですね。まだ“ベスト”ではないですけど。

――これまでの代表曲がずらり。デビュー曲の「笑顔の作り方~キムチ~」を今聴くと、何を思います?

元気だなと思います(笑)。17歳の時にデビューして、今は23歳で、こうして変化していくものなんだなと思いました。

――17歳の自分って、もう戻れない過去なのか、それともこの歌を歌うとその頃に自分に戻れるのか。どんな感覚がありますか。

その頃の自分が今の自分を作ってくれているので、戻ろうと思ったら戻れるところにいるので。ライブでこの曲をやる時は全力で歌いますし、これからも歌い続けていきたいなと思います。久々に聴くと、本当に元気だなーって、びっくりしたりもするんですけど(笑)。永遠にしゃべってるんだろうなーとか、いろんな想像ができるくらいの元気さですけど、それも私の魅力の一つだなと思うので。

――でもその元気さやパワーやエナジーは、一番新しい「カンパイ」にもちゃんと繋がってる気がします。

そうですね。地元にいる時に「笑顔の作り方~キムチ~」という曲ができて、地元に帰って来て「カンパイ」という曲ができると、やっぱり戻って来るんだなっていう気はします。

――通して聴いていくと、「話がある」(2019年)の頃ですかね、声がグッと大人っぽくなったなと思うポイントがあるような気がして。

あると思います。自分ではそこのタイミングは意識できてはいなかったんですけど、この間、CD2の曲を全部聴かせてもらった時、本当に同じことをマネージャーさんと話してました。「話がある」で声がだいぶ変わってきたよねって。私はその声が好きなので、今の感覚と、その時変わろうとしていた自分が、ちゃんと正解だったんだなと思います。

――ブレスがすごくきれいに響くんですよね、生々しく。耳元で歌われるような。それって歌の勉強をして変えていったことなんだろうか。

いえ、変えていくというか、元気すぎずに一回落ち着いて歌うというのは、今でもするんですけど。気持ちが高まりすぎたまま歌っちゃうと、自分が前のめりになって、聴く側がなかなかゆっくり聴けなかったりして、私はそういうタイプなので、ハッピーな曲でも応援歌でも、一回落ち着いて客観的に歌ってみて、そこから足していくことが多いです、最近は。

――なるほど。こうして話をしている声はとても穏やかで落ち着いているのに、歌うとなると、つい気持ちが入っちゃう。

そうかもしれないです(笑)。

――あと、ブルーレイの映像も豪華ですよ。すごいボリューム。

ツアーのダイジェスト的な感じで、2本のツアーの映像が入っているんですけど、特に見てほしいのは「5th Anniversary History Movie」です。これこそまさに、足立佳奈の変化を一番感じてもらえるんじゃないかな?というくらい、人が違うので、驚かないでほしいです(笑)。“デビュー当時ってこんな感じだったな。でもあれも本当に思ってた気持ちだったな”って、あれからだいぶ肩の力が抜けてきている感じはあります。あと、映像だけじゃなくて、この「5周年ヒストリーブック」も見てほしいんです。

――はい。生産限定盤にはCD2枚、ブルーレイ、そしてブックレットも入ってる。

今回、写真を撮ってもらいたい人がいて、そのカメラマンさんにオファーさせてもらって、自分のカラーを表現できてうれしかったです(フォトグラファー/東 京祐)。あとは5年間の年表があるんですけど、いろんなふうに過ごさせてもらっていたんだなって、あらためて振り返って、うれしかったですね。あとはプライベートのQ&Aだったり、朝のルーティンだったり、レシピも入っていたり、本当に私の日常を詰め込んでいるので、この完全生産限定盤をゲットするのは、ファンの方だけじゃなく、はじめましての人こそ受け取ってほしいし、これで足立佳奈を全部知ってもらえると思うので、そうやってまた6年目から好きでいてもらえたらうれしいなって思います。

――そういうふうにセルフプロデュースできるようになったことも、この5年間の成長ですよねと思ったりします。

そうですね。歌以外のところにも目を向けれるようになったりとか、ちゃんと欲が出てきたこととか、それって勇気のいることだし、でもやりがいのあることなので、続けていきたいと思います。

足立佳奈

――これから、6年目以降の足立佳奈を、セルフプロデュース目線でいうと、どういう活動をしていくのがいいと思ってますか。

まずは、歌い続けること。あと、合唱曲を作りたいです。自分のルーツが合唱団で、アンジェラ・アキさんの「手紙」を歌ってから、シンガーソングライターになりたいと思ったので、自分もそのスタートラインに立ちたいと思ってます。自分なりに、アンジェラさんが私に届けてくれたものを、今度は私が未来の誰かに届けられたら、夢が叶ったというか、今の私の夢はそれです。

――素敵な夢だと思います。

私はまだハモリだったり、心地いいところを見つけられなくて、いつもアレンジャーの方と一緒にやっているので、そういうことも全部、今の音楽のジャンルの中で身に着けてから、経験値を上げて、説得力のある深みのある言葉と音楽を生み出せるようになってから、合唱曲にチャレンジしたいですね。

――それ、書いちゃっていいですか。プレッシャーにしたくはないですけど。

いえ、全然。それはプレッシャーじゃなく、自分が持っている、キラキラと輝いているものなので。書いてください。

――未来を楽しみにしています。そして、みなさん、こっちの完全生産限定盤のほうを、ぜひ。

そうですね(笑)。お得感、あると思います。ぜひ受け取ってほしいです。でも通常盤のほうも、ジャケットとブックレットの写真も違ってたりするので、それも楽しんでもらえたらうれしいです。

――最後にライブの話をしましょう。アルバムのリリースツアーは、3月2日の大阪から、4月16日の東京まで、全7公演。どんなツアーにしたいですか。

『Seeker』というアルバムを引っ提げてのツアーなので。アルバム曲を聴き込んできてもらって、変化を楽しんでほしいなと思います。バンドサウンドだったり、いろんな変化があると思うので。音を抜いたり足したり、ピアノだけでやってもいいかなとか、いろいろ考えているので、楽しみに待っていてください。


取材・文=宮本英夫 撮影=大塚秀美

リリース情報

『Seeker』
2023年2月15日(水)リリース

【完全生産限定盤】
[1]2CD(オリジナルアルバム+5周年スペシャルアルバム)
[2]BD
[3]足立佳奈5周年ヒストリーブック(LPサイズ)
[4]直筆メッセージカード
[5]LPサイズBOX仕様

 

【通常盤】
CDのみ

 
CD(通常盤・完全生産限定盤共通)
01.Seeker
02.オーマイガール
03.Me
04.ゆらりふたり
05.DATE
06.4321
07.いまだけ
08.リミット
09.WALK
10.Life Goes On
11.今が一番ここちいい
12.カンパイ

 
[5周年スペシャルアルバム](完全生産限定盤のみ)
足立佳奈のこれまでの代表曲をまとめた5周年記念スペシャルCD
01.笑顔の作り方~キムチ~(2017.8.30シングル)
02.フレーフレーわたし(2017.11.22シングル)
03.私今あなたに恋をしています(2018.7.13配信リリース)
04.You Your Yours(2018.10.17AL「Yeah!Yeah!」収録曲)
05.littlle flower(2019.4.24シングル)
06.ひとりよがり(2019.8.21シングル)
07.話がある(2019.12.16配信リリース)
08.面影(2019.10.14配信リリース)
09.ふたり(2019.8.21シングル収録)
10.Good day(2020.1.15シングル)
11.キミとなら(2021.3.27配信リリース)
12.Film(2021.8.30配信リリース)

[Blu-ray](完全生産限定盤のみ)
・「ADACHI KANA LIVE TOUR 2022~あなたがいて~」EX THEATER ROPPONGI
・「ADACHI KANA 5th Anniversary Live "Life Goes On"」shibuyaWWWX
・ADACHI KANA 5th Anniversary History Movie
・計10本のMV集(「This is a Love Story」「オーマイガール」「Me」「ゆらりふたり」「DATE」「4321」「いまだけ」「リミット」「WALK」他)

[足立佳奈5周年ヒストリーブック](完全生産限定盤のみ)
撮りおろし写真に、年表やプライベートなQ&Aなど足立佳奈の5周年を振り返るボリュームたっぷりのLPサイズ大判36Pにわたるヒストリーブック
[直筆メッセージカード](完全生産限定盤のみ)
一枚一枚異なる、本人手書き直筆メッセージカードが封入

ツアー情報

『ADACHI KANA LIVE TOUR 2023 -Seeker-』
3月2日(木) 大阪府 梅田Shangri-La
3月3日(金) 愛知県 Electric Lady Land
3月19日(日) 北海道 PLANT
3月25日(土)広島県 広島Reed
3月26日(日) 福岡県 DRUM Be-1
4月2日(日) 宮城県 仙台MACANA
4月16日(日) 東京都 Spotify O-WEST
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