つばきファクトリー、「メンバーの気持ちが1つになって勢いに乗っている」現体制ラストシングルへの想いを語る

2023.2.21
インタビュー
音楽

新沼希空/八木栞/秋山眞緒

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メジャーデビュー6周年記念日の2月22日にリリースされるトリプルA面シングル『間違いじゃない 泣いたりしない/スキップ・スキップ・スキップ/君と僕の絆 feat.KIKI』。浅倉樹々が今春に卒業することが発表されているので、現在の12人体制でのシングル作品は、今回がラストとなる。切ない感情表現の中に力強い意志が宿っている「間違いじゃない 泣いたりしない」。明るいキャッチーな仕上がりの「スキップ・スキップ・スキップ」。メンバー同士の温かな関係性を伝えてくれる「君と僕の絆 feat.KIKI」。この3曲に込められている想いとは? 4月から5月にかけて8都市で10公演が開催されるホールツアー『つばきファクトリー CONCERT TOUR ~シュンカン~』への意気込みも含めて、新沼希空、秋山眞緒、八木栞に語ってもらった。

――「間違いじゃない 泣いたりしない」は、どのような曲だと感じていますか?

新沼:つばきファクトリーはたくさんの恋愛の曲を歌ってきたんですけど、今までで一番大人っぽいなあと感じています。失恋しても前を向こうとしている歌詞ですけど、恋愛以外にも置き換えられると思います。私が歌っている2番の《あんな嫌いだった 自分も好きになれたの》というパートは、研修生として活動していた頃のことを思い出しました。なかなか自信を持てない時期を経て、こうして今、つばきファクトリーとして活動しながら私も自分のことが好きになっていけているんです。そういう自分自身を重ねながらこの曲を聴いています。

八木:英語のラップが入っていたりするのも、今までのつばきファクトリーの曲にはなかった新しさですね。『行くぜ!つばきファクトリー』という私たちの冠番組で、作詞をしていただいた西野蒟蒻さんが解説をしてくださったんですけど、お友達の実話をもとにしたとおっしゃっていました。好きだったアイドルが結婚をしてしまったけれども、西野さんのお友達は推していた時に「かわいくなろう」という気持ちを持つことができて、かわいくなることもできて、「推していて良かったな」と思うことができたそうです。この曲を歌う時は、そのことを毎回思い出していますね。

秋山:私もこの曲に、今までのつばきファクトリーにはなかった大人っぽさを感じました。レコーディングでみんなの声が加わって曲が完成した時、「リトルキャメリアン(2021年に加入したメンバー)の4人、成長したなあ」って思いました。彼女たちの大人っぽさが先輩のメンバーたちに全然負けていなくて、表現力の高さを感じました。洋楽っぽい雰囲気もあって、ダンスもとてもかっこいいので、たくさんのみなさんに聴いていただきたいです。

――つらい体験を前向きな気持ちに変えていく姿が伝わってくる曲ですよね。新沼さんがおっしゃったことにも繋がると思いますけど、恋愛に限らず、こういう気持ちを抱いて生きていくのは、とても大事だと思います。

新沼:そうですよね。つばきファクトリーは結成時、6人で活動していたんですけど、インディーズの期間が他のグループと較べると長かったんです。「このままで、私たちはメジャーデビューできるのかな?」って、不安な気持ちになる時もたくさんありました。でも、3人のメンバーが加入してメジャーデビューすることになった時は、嬉しかったと同時に、「さらに頑張っていこう!」と思えたんです。活動していると嬉しさ、楽しさもたくさんある中で、悔しいこと、不安なこともたくさんあるんですよね。いろいろな感情になりながら毎日こうしてお仕事をしていますけど、そのおかげで今の自分がいるんです。「当たり前のようで当たり前ではない日々が私を強く成長させてくれているんだなあ」って毎日思っています。

――みなさんがお仕事をされている世界は、様々な悔しさや不安を乗り越えないといけないですからね。

新沼:はい。ハロー!プロジェクトは全メンバーがフルで1曲を歌ってレコーディングをして、そこから歌割りが決まっていくんです。みんなたくさん練習してくるし、「歌割りが欲しい!」という気持ちが強いからこそ、「もっと頑張らないと」っていう気持ちにもなります。ダンスも大変ですし、何年活動していても、いつも課題がたくさんあります。経験しながら学んでいくことばかりです。

新沼希空/八木栞/秋山眞緒

――八木さんも、様々なことを乗り越えながら活動していますよね?

八木:はい。私はもともと劇団四季やミュージカルが好きで、ミュージカル女優を目指していたんですけど、オーディションを受けてつばきファクトリーに加入することになったんです。ミュージカル女優になるという夢は一旦は止まりましたけど、バレエや声楽を習っていた経験は、今のお仕事にも活かすことができています。だから、「ミュージカル女優を目指していて良かったなあ」って思うことができているんです。夢を諦めたわけではないので、これからも声楽やバレエは続けていきたいです。

――秋山さんも、この曲と重ねられる経験をしてきたんじゃないですか?

秋山:そうですね。日々、葛藤する場面がたくさんありますから。研修生時代に、周りのいろんな人たちがデビューしていって、歌割りをたくさん頂いているのを見て、「負けたくない。このままではいけない」って思ったんです。そういう気持ちになれたからこそ今があるんですよね。

――みなさんが体験してきたことも思い出される曲ということですね。

新沼:はい。歌っている時に感情を思いっきりのせることができる曲です。この曲のMVの撮影の時に演技指導の方が来てくださったんですけど、そういうのも初めてでした。「もっとこうした方がいいよ」とか、たくさんアドバイスをしてくださったおかげで、メンバーひとりひとりの良い表情が撮れているMVにもなったと思います。

秋山:「間違いじゃない 泣いたりしない」は、ダンスがすごくかっこいいです。MVのダンスシーンは屋上で撮影をしたんですけど、「つばきのみんな、こんなに踊れるんだ?」って映像を観ながら思いました。ひとりひとりの際立つポイントがある曲は、今までに意外となかった気がするので嬉しかったです。ぜひこのMVでメンバーそれぞれのダンスをじっくり観ていただきたいですね。あと、ダンスシーンの撮影の時は、すごく寒かったです(笑)。

――(笑)。つばきファクトリーの進化も感じられたMVですか?

秋山:はい。八木栞ちゃんはプライベートでもダンスレッスンに通っているんです。加入した頃と較べても、どんどん上手になっているのを感じます。

八木:ありがとうございます(笑)。いつかハロプロダンス部に入れるように、レッスンに力を入れて頑張っていきたいです。

秋山:おっ! 最高じゃん。

八木:ミュージカルの歌やダンスも、アイドルの活動と通ずるものがあると思うんです。つばきファクトリーで培う歌唱力、ダンスの技術は、いつかミュージカルで活かしていきたいです。私はまだ「全力で踊って動こう」っていうくらいですけど、成長していきたいです。初めてパフォーマンスで参加したツアーで、私は「続・花鳥風月」の風チームに参加して、半分くらいはステージ袖で見学していたんです。風チームのメンバーの方々は秋山さんを含め、ダンスが上手な方々が多くて、「私もこんな風に踊れるようになりたい。かっこよくなりたい」って思いました。それがきっかけで、プライベートでもダンスレッスンに通うことにしたんです。

秋山:そうだったの? 初耳。

八木:そうなんです。大きなきっかけを頂きました。

――メンバーと一緒に踊って表現する楽しさも、どんどん感じるようになっているんじゃないですか?

八木:そうですね。ダイナミックさとかは技術がつけばひとりでも出せるようになるのかもしれないですけど、メンバーのみんなと踊るならではのものもあるんだと思います。例えば「間違いじゃない 泣いたりしない」の冒頭のダンスは、ひとりひとりの動きはシンプルなんですけど、全員が合わさることによってかっこいいものになっているんです。大人数で踊るならではの楽しさってありますね。

新沼希空

――グループのダンスは、全員の動きが融合することによって綺麗な空間や世界が作り上げられますからね。

新沼:そうですね。振り入れは4、5時間をかけて教えていただいてから、みんなで1回合わせてみるんですけど、最初はやっぱりグダグダなんですよ。でも、レッスンを重ねる毎に少しずつ完成していくんです。そういう過程を動画で観ると感動します。メンバーが12人いるからこそできるフォーメーションもたくさんありますから、ホールの2階席、3階席から観ても楽しんでいただけるようになっていきたいです。

――会場によってステージの大きさも変わりますから、そういうことに合わせたフォーメーションの調整は大変なんだろうなあと想像しています。

秋山:調整はしていますね。でも、自分たちで修正するのは、意外と慣れてきています。それは改めて考えると成長を感じるところです。