芥川賞に又吉直樹氏「火花」
第153回芥川賞・直木賞の受賞作が決まった。芥川賞が、羽田圭介氏「スクラップ・アンド・ビルド」(文学界3月号)、そして又吉直樹氏の「火花」(同2月号)。直木賞は、東山彰良氏の「流」(講談社)が選ばれた。
吉本興業のお笑いコンビ「ピース」の又吉氏による「火花」は選考前から注目を集めていたが、選考委員の代表として会見に臨んだ作家山田詠美氏は「切実なものが迫ってきた」と受賞理由を述べた。又吉氏がタレントである点について「(職業の話は)ほとんど出なかった」という。一方、ツイッターでは「又吉さん凄い」という称賛コメントが溢れた。
3月に発売された同作の単行本は60万部を突破。さらに今回の受賞が弾みとなり、純文学としては驚異的な販売部数が見込まれるだろう。
なお、又吉氏は2015年12月に池袋・東京芸術劇場シアターイーストで上演される舞台『書を捨てよ町へ出よう』(作:寺山修司、上演台本・演出:藤田貴大)に参加することがアナウンスされている。芥川賞をとった後だけに、そう簡単に“書は捨てられない”、といったところか。