小林春世と佐藤千夏によるユニット・ハルナツ 旗揚げ公演となる舞台『Proof』を日・英・バイリンガルの3バージョンで上演

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2023.5.18
舞台『Proof』

舞台『Proof』

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2023年7月21日(金)~7月29日(土)シアター風姿花伝にて、ハルナツによる舞台『Proof』が上演されることが決定した。

ハルナツとは、これまで複数回共演してきた演劇集団キャラメルボックス劇団員の小林春世(俳優・翻訳)と舞台や映像出演の他、TVCMやweb等のナレーションでも活躍する佐藤千夏(俳優)が、演劇について談笑し議論し盛り上がる中で、目指す演劇の形や、やりたい作品、挑戦したいことのタイミングが合ったことから、結成したユニット。今公演が旗揚げ公演となる。

本作は、アンソニー・ホプキンス、グウィネス・パルトロー主演で2005年に映画化されている名作。2001年には、第55回トニー賞(演劇作品賞)とピュリッツァー賞戯曲部門も受賞している。日本でもこれまでに様々な団体が上演しているが、今回、おそらく日本初(ハルナツ調べ)となる日本語・英語・バイリンガル(日英ミックス)の3バージョンで同時上演する。

英語やバイリンガルでも上演する1番の理由は、海外戯曲の日本語上演で感じることのある「違和感」を解消したいという思いから。その違和感の正体は、元の言語で現地の方が演じると必ずあるであろう「文化的な何か」が、日本語になると消えてしまうことなのではないか、とハルナツは考えた。今回、英語版にも同時に取り組むことで、台詞の持つ本来の意味や現地の文化にも向き合って演じることになる。その結果、日本語版の上演でもそれが生かされて表現が変わり、新たに見える景色があるのではないかと。また、ハルナツは現地の文化の調査・研究のため、シカゴとニューヨークまで足を運び、そして、観客に作品だけではなく自分たちの「挑戦」自体も楽しんでもらいたいという公演にしたいと考え、バイリンガル上演も行うことにした。

また、ハルナツは、本公演が翻訳劇の違和感をなくし、日本語バージョンを観た方にも、米国で起きている米国人の出来事だと自然と感じてもらえる公演になることを目指している。これは、数々の翻訳劇が上演される日本の演劇界で、意外と無視されてきた問題ではないかと考え、それを解決し、今後日本で上演される翻訳劇に生かされるような公演にしていきたいと思っているそうだ。

 
【あらすじ】
アメリカ、シカゴ。天才数学者・ロバートを父親に持ち、同じく数学を学んで育ったキャサリン。精神を病みながらも数学の証明を続けようとする父を看病していたが、彼は亡くなってしまう。ロバートの研究を引き継ごうと、教え子のハルが家を訪れ、妹キャサリンの身を案じる長女クレアは、ニューヨークから帰ってくる。やがて、未発表の「証明:proof」が書かれた1冊のノートが発見される。すると、キャサリンが打ち明ける。この証明は…。


小林春世 コメント

数年前までの私は、『Proof』という作品は知っている、おもしろいとは思う、その程度でした。そんな中、文化庁の研修員として1年間、米国ニューヨークで演劇を学ぶ機会をいただきました。演劇スタジオで沢山の戯曲に取り組みましたが、この『Proof』という作品だけは、どんなにクラスや講師、演出家が変わってもなぜか私は配役され、取り組むことになりました。役はキャサリンで、どんどんこの作品に魅了され、毎日演じることが楽しみでした。そして、『Proof』が大好きでキャサリンがdream roleの1つだと言っていた、友人の佐藤千夏のことを思い出すことが多くなりました。いつか一緒にやりたいねと連絡するようなこともありました。2021年12月1日、「ほんとにやらない?」と、まだニューヨークにいた私から佐藤に送ったLINEでこの企画が動き出しました。
佐藤とやるならば私がクレアだと思いました。クレア役は全く経験していないため、今、新鮮な気持ちでとても楽しみです。
また今回は、私が翻訳も担当します。お仕事としてはまだ2作目ですが、研修中に、今後は戯曲翻訳もやっていきたいと考えるようになったため、真剣に取り組んでまいります。ニューヨークで『Proof』を学んだ際に、単語の意味は分かっても日本人の私にはニュアンスがわからないところはアメリカ人に聞き、研究したりもしました。そのような経験をした私だからこそできる翻訳にしたいと思います。

佐藤千夏 コメント

大学で数学を専攻した後に演劇の世界に入った私にとって『Proof』という作品はどこか特別で、初めて触れたときから明確に “生きているうちに必ず挑みたい作品”となりました。そして同時に、待っていても役を演じる機会はそう簡単に回ってくるわけではないから、いつか自分で企画して挑戦しよう、と考えるようになりました。しかし、「いつにしよう」なんて悩んでいるうちに、私がこの作品を知ってから何年もの時が経ってしまっていて。このままでよいものかと考えていた2021年に、当時アメリカで演劇を学んでいた友人の小林春世から、授業で『Proof』に取り組んでいるというお話を聴きました。そこから、本格的に企画しようと小林が言い出してくれたことをきっかけに、私たちは動き出すこととなりました。
また、打ち合わせを重ねる中で、「英語版も一緒にやるのはどうかな?」と、気づいたら提案していました。自分でも驚いています。なぜなら私自身、英語を避けるために数学を専攻したといっても過言ではないくらいに英語が苦手だったからです。しかし今回この企画で、皆様と一緒に、英語で書かれた『Proof』を通して作品をつくっていくことに、今とてもワクワクしています。私は英語版の中でキャサリンを演じるわけではありませんが、稽古を通して、大好きな『Proof』という作品を英語で味わいながら、ぎっしり詰まっているエッセンスを感じとった上で、日本語版のキャサリン役として公演に挑んでいきたいです。
たくさんの人に触れてもらえるような公演にできるよう、全力で臨みます。

公演情報

ハルナツ 舞台『Proof』

日程:2023年7月21日(金)~7月29日(土)
会場:シアター風姿花伝
 
作:David Auburn
翻訳:小林春世
演出:田中壮太郎

【スケジュール】
7月21日(金)19:00 日本語版
7月22日(土)14:00 日本語版
7月23日(日)12:00 英語版(字幕あり) / 16:00 日本語版
7月24日(月)12:00 日本語版 / 19:00 英語版(字幕あり)
7月25日(火)休演日
7月26日(水)14:00 英語版 / 19:00 日本語版
7月27日(木)14:00 日本語版
7月28日(金)14:00 バイリンガル版 / 19:00 バイリンガル版(※アフタートーク)
7月29日(土)12:00 英語版 / 16:00 日本語版
※英語公演の7月23日(日)12:00 / 7月24日(月)19:00回は、日本語字幕付きでの上演を行います。
 
【キャスト】
●日本語版      
ロバート:高川裕也 / キャサリン:佐藤千夏 / ハル:祁答院雄貴 / クレア:小林春世
●英語版&バイリンガル版
ロバート:田中壮太郎 / キャサリン:リサリーサ / ハル:祁答院雄貴 / クレア:小林春世
 
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