史上2人目! 日本人メンバー・櫻井多美衣に聞く『STOMP ストンプ』その見どころとは?
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バケツ、デッキブラシ、ゴミ箱のふたなど、あらゆるものを楽器にしてしまうパフォーマンスショー『STOMP ストンプ』が、2023年8月16日(水)~ 8月27日(日)東急シアターオーブで開催される。13年ぶりとなる来日公演には、史上2人目となる日本人ストンパーの櫻井多美衣(さくらいたみい)も出演。スペイン公演真っただ中の櫻井に、世界53カ国以上で上演されているショーの魅力と、自身初となる凱旋公演に向けた意気込みを聞いた。
――世界53カ国以上で1500万人を動員している『STOMP』が13年ぶりに日本で上演されます。ここに注目して見たら面白いよというポイントがあれば教えてください。
13年ぶりの日本公演では、メンバーも新しくなり、また『ポルターガイスト』『スーツケース』など新しいナンバーも加わっています。チームワークを大切にしているので、キャスト同士がアイコンタクトをしていたり細かいところまで見てほしいです。
――お互いを信じて、呼吸を合わせることが大切なんですね。
そうですね。お互いの音をよく聴くことを大切にしています。例えば、誰かがギャグをやる場面があったら、そこにフォーカスが向けられるようにするとか。姿が見えなくても、個々が発する音の大小で動きを推測できたりするので、みんなそれぞれの音にとても敏感です。
――櫻井さんは2016年8月にオーディションで選ばれ日本人として2人目のストンパーになりました。現在はヨーロッパツアーの一員として活躍されていますが、参加して気が付いた、『STOMP』の魅力についてお話しいただけますか。
ステージからお客さんひとりひとりの顔がしっかり見えるんです。反応がよく見えるので、メインキャラクターは、その反応を見て内容を変えることもあります。「今日は、子どもが多いからギャグは止めよう」とか。ピースとピースをつなぐものを臨機応変に変えられるのもSTOMPの魅力だと思います。
――東京公演ならではの仕掛けもありそうでしょうか。
あると思います。ヨーロッパを周っていてもスペインやドイツなど国によって反応が違うと感じるので、日本では日本のお客さんに1番喜んでもらえるようなことを考えたいですね。
――各地でのお客さんのリアクションに違いはありますか。
国ごとに違いますね。ドイツでは、アンコールのときに拍手や声の代わりに足を踏み鳴らすんです。本編が終わって楽屋に戻ったとき、客席から地響きのような音が聞こえたのが面白かったです。
――ステージでは、マッチの小箱やアメリカンサイズの買い物カートなど、あらゆるものを楽器に変えてしまいます。日常生活で「これ、鳴らしてみたいな」という職業病のような思いが生まれることはありますか。
ホームセンターに行くと、みんな叩いていますね(笑)。「これ、いい音するよ」と言い合っています。基本的に、ステージで使用するものは全て用意をしてくれているのですが、入ったばかりの頃、渡されたビニール袋の音が気に入らなくて、良い音がする袋を探したことがありました。それから、ツアーであちこち旅をする中で、初めて見る形のペットボトルとかは「叩いてみたい」と思います。ソーダが入っているもの、ミネラルウォーターのボトルなど、同じペットボトルでも音が違うんですよ。
――『STOMP』を見たお客さんは「叩きたい」という気持ちになると思うので、身近にあるものから音の違いを発見するのも面白いですね。
そうですね。例えば(小道具の)新聞は毎回現地のものを用意していただくのですが、紙の厚さによって音が違います。日本の新聞は分厚いので硬くて重い音がするんですよ。みんな真面目に読んでいるように見えますが、現地の言語で書かれているので、私の場合、スペイン語やドイツ語の新聞を渡されたときは全然読めませんでした(笑)。
――100分のショーにはセリフがありません。リズムと動きのみで表現する『STOMP』を楽しむ秘けつについて教えていただけますか。
解釈の自由さを楽しんで欲しいです。セリフがない分、私たちはリアクションで表現するのですが、受け取る側がそれをどうとらえるかは自由です。言葉があると、言葉の意味などに集中してしまいがちですが、『STOMP』にはそれがありません。実はキャストの中には英語ができない人もいて、私たち自身がコミュニケーションを言語に頼ってはいないんですよ。それでも問題なく舞台は進みます。だから音や表情、目線などを見て、そこにお客さん自身が感じたことをプラスして受け取ってほしいです。
――櫻井さんがお気に入りの場面などはありますか。
フィナーレです。「ビンズ」という曲では、8人が一斉に叩くのですが、それまでセットの一部のように見えていたものなど、さまざまなものを叩いて命を吹き込んでいくんです。その様子を楽しんでほしいですね。私自身の見どころは……大きなオレンジ色のバケツを叩いている役のときに注目してほしいです。キャスト一人ひとりがそれぞれいろいろな背景を持っていて、ショーの中にはその人が中心となって光り輝く場面があるんです。私も力強くぶれずに芯となる音を鳴らす時間があるので、ぜひ見ていただきたいです。
――『STOMP』の公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@StompJapan)では、櫻井さんのコメント動画も見ることができますね。メンバーと並ぶとでこぼこで、その身長差に驚きました。ご苦労などはありますか。
私は身長150センチなので、一番大きいメンバーとは60センチ以上の差があります。音量については調整をして叩いているので問題ないのですが、殺陣のようにお互いのプロップを叩く場面では、身長差がある同士がペアになると「手が届かない」ということがあるので、リハーサルで確認をするようにしています。
――櫻井さんご自身、身長をいかした「技」などはありますか。
誰よりも低くなることが出来ると自負しています。誰かがジャンプをしたり、上の方に目線が行くことをしているときは、私は下の方で何かをするようにしています。観ていた友だちから「イリュージョンだね」と驚かれました。
――100分間のショーを完走するために、日ごろどのようなトレーニングをされているのでしょうか。
元々タップダンスをしていたので、脚力と持久力は問題ありませんでした。(『STOMP』に入って)鍛えなくてはと思ったのは上半身です。毎日、100回の腕立て伏せは欠かせません。最初は1日50回とか、25回を4セットとかから少しずつ始めて、今では大きな音を出すことも苦ではなくなりました。毎日ジムに行く人もいるけど、私はスクワットなど自重トレーニングをすることが多いです。スタッフの中には、ウォームアップをリードしてくれる人もいるので、助かっています。
――日本公演は8月。連日の公演でお忙しいと思いますが、オフのときにしたいことなどはありますか。
帰国するのは昨年の夏以来。お仕事で帰るのは初めてです。みんな日本の食事をすごく楽しみにしているので、時間が合えば一緒に食事に行きたいです。私の父が料理人なので、おススメしてくれたお店に行きたいと思っています。あとは、夏ですから、夏祭りとか花火とか、見に行けたらいいですね。
――櫻井さんにとっては初めての凱旋公演ですね。改めて意気込みと見どころをお願いします。
家族や日本で暮らしているお友だちにも来てもらえるので、ひとつひとつの公演を楽しみたいと思っています。お客さんからのエナジーもたくさんもらえると思うので、それを力にしたいです。公演では、コール&レスポンスをする場面もあるので、お客さんも常に手を叩ける準備をして、一緒に体を使って『STOMP』を体感してほしい。せっかくのライブですから、座って見るだけではなく、一緒に楽しめたら嬉しいです。
STOMPストンプ2023年8月公演30秒映像
取材・文=翡翠
公演情報
■日程:2023年8月16日(水)~ 8月27日(日)
■会場:東急シアターオーブ
■出演:STOMP ストンプ カンパニー
、Joshua Cruz、Molly Wallace、櫻井多美衣、Andrew Patrick、Jamie Welch、John Gavin、Jasmine Joyner、Alan Asuncion、Riley Korrell、Sean Perham、Shae Carroll
平日公演 S席¥9,800、A席¥8,800、B席¥7,800(税込・全席指定)
土日公演 S席¥10,800、A席¥9,800、B席¥8,800(税込・全席指定)
*3歳以下入場不可
https://kyodotokyo.com/pr/stompjapan.html
■公式サイト:https://stompjapan.jp/
■公式 Twitter: https://twitter.com/StompJapan
■公式 Instagram: https://www.instagram.com/stompjapan
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