PLAY/GROUND Creation、「動」と「静」の二つの物語『Spring Grieving』が開幕 井上裕朗よりコメント&舞台写真が公開
PLAY/GROUND Creation #5『Spring Grieving』舞台写真 撮影:保坂萌
2023年5月19日(金)サンモールスタジオにて、俳優・演出家の井上裕朗が代表を務めるPLAY/GROUND Creationの新作公演、PLAY/GROUND Creation #5『Spring Grieving』が開幕した。この度、井上裕朗よりコメント&舞台写真が届いた。
PLAY/GROUND Creationが今回上演するのは、須貝英作、井上裕朗演出による家族の物語2作。
side-A「桜川家の四兄弟」には、鍛治本大樹、林田航平、小早川俊輔、河原翔太が母親と死別した四兄弟を演じ、亡くなった母親を永井幸子が演じる。
撮影:保坂萌
撮影:保坂萌
撮影:保坂萌
撮影:保坂萌
撮影:保坂萌
2022年3月、母はこの世を去った。古い家と、桜の木と、たくさんのメモを遺して。
個人塾を経営する長男「恵一」、高校教師の次男「勇気」、居酒屋で働く三男「制多」、ミュージシャンになりたい四男「正義」。
お母さん、僕はあなたに愛されていましたか。
side-B「春を送る」では、辻親八が息子を亡くした父親を、三津谷亮が兄を演じ、亡くなった弟と彼らの従弟の二役を竹田光稀が演じる。
撮影:保坂萌
撮影:保坂萌
撮影:保坂萌
撮影:保坂萌
撮影:保坂萌
2011年3月、弟はこの世を去った。通っていた大学の渡り廊下から落ちて死んだ。
その大学で准教授だった父と、証券会社で働く僕はどうもそりが合わない。正直、弟のことも苦手だった。
だけどあいつのことばかり考えてしまう。こんな春の日には。
なお、本公演は5月31日(水)まで上演される。
井上裕朗 コメント
今回は劇作家の須貝英くんを迎えて、ユニットとして初めて新作に挑戦をしています。近しい人の「死」を通して、遺された人間がその「喪失」をいかに受け止め、受け入れ、「再生」していくかについての物語を二本作りました。「桜川家の四兄弟」は、母の死を経て、遺された四兄弟の思いが渦巻く三日間を描いた「動」の物語。「春を送る」は、ハラスメントが原因の自死かもしれない弟の死を経て、遺された父と兄の二年に渡る変化を描いた「静」の物語。全く色合いの異なる二つの物語ではありますが、同じ手法で、同じ空間で立ち上げられる、双子のような作品になりました。
この二作品には「奥谷基次郎」という共通の登場人物が出てきます。2011年〜2013年の「春を送る」で描かれる物語を経て、2022年の「桜川家の四兄弟」にも再び登場してきます。それぞれ独立した作品ではありますが、二本合わせて観ていただくと、彼の人生が浮かび上がってくるような作りにもなっています。
真摯で誠実で才能溢れる13人の俳優陣と、思いや理想を共有する素晴らしいスタッフ陣とで作り上げた、シンプルで美しい二つの作品です。ぜひ劇場にてお立ち会いください。