東出昌大、尾上寛之、阿部亮平、小日向星一が出演 欲望むき出しの悪党たちを描いた『ハイ・ライフ』上演
まつもと市民芸術館プロデュース 『ハイ・ライフ』
2023年11、12月長野県松本市と東京にて、『ハイ・ライフ』が上演されることが決定した。
同作は1996年カナダにて、権威あるドーラメイヴァームーア賞を受賞。2009年には映画化、その後第31回ジニー賞で脚色賞にノミネートされ、 カナダ全土、オフ・ブロードウェイ、シカゴ、ロンドン、東京、ソウルなど世界各国で上演され続けている。
演出を手掛けるのは 、骨太な社会派の作品を上演し続ける劇団チョコレートケーキの日澤雄介。 2014年『治天ノ君』にて第21回読売演劇大賞優秀演出家賞、 23年には劇団公演『生き残った子孫たちへ 戦争六篇』で、第30回読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞し注目を集めた。近年では劇団外での演出も数多く手掛け、主な演出作には『M.バタフライ』、『アルキメデスの大戦』などがある。
出演は、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューし、同作で毎日映画コンクールなど数々の新人賞を受賞後、映画・ドラマ・舞台など様々なジャンルで活躍の幅を広げ、近年では『とべない風船』、『天上の花』、『Winny』など話題の映画への出演が続く東出昌大。今回、口八丁手八丁で前科だらけのディック役を演じる。
天才的コソ泥のドニー役には、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、 そして連続テレビ小説『スカーレット』などTVドラマに多数出演し、近年では映画『それぞれの花』で主演を務め、自身の劇団「ヒトハダ」を立ち上げるなど映像作品や舞台で幅広く活躍し続ける尾上寛之。
コロシなんぞ朝飯前、ムショ(刑務所)帰りのバグ役には、悪役に定評があり、映画『クローズZERO II』、NHK連続テレビ小説『らんまん』など、映画・TVドラマなど映像作品を中心に活躍している阿部亮平。今回が本格的な舞台は初挑戦となる。
そして女に貢がせてばかりのビリー役は、『染、色』、『マーキュリーファー』、『エダニク』、『スカパン』、『宝飾時計』など話題の舞台に次々と出演し、第43回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞など、映画や舞台で活躍をみせる小日向星一が演じる。
(左から)東出昌大、尾上寛之、阿部亮平、小日向星一
本作の見どころは、筋金入りのジャンキーな4人の男たちが繰り広げるスリリングな駆け引き。ならず者同士、馬が合うはずなどなく、顔を合わせば一触即発の緊迫ムード。その不協和音が、痺れるような興奮となって観る者の体内に流れ込む。ぶつかり合う挑発とプライド。立ち込める暴力の匂い。胃がざらつくような不安と高揚。まるでいつ火がつくかわからない爆薬を抱えているような緊張感に観客の血が騒ぐことだろう。
法や常識など彼らには通用しない4人は放埒で欲望がむき出し。今この一瞬の快楽を何より優先し、本能のままに生きている。決して後悔することもなければ反省もしない。その無軌道な生き方が、愚からであるはずなのに時に眩しく映る。ハイ・ライフ(上流社会)を夢見て、人生を懸けた大博打に出た悪党たちは、どのような結末を迎えるのか。
ーある計画のために集まった4人の男たち。
前科まみれのディック(東出昌大)に、刑務所帰りのバグ(阿部亮平)、コソ泥のドニー(尾上寛之)、そして女に貢がせてばかりのビリー(小日向星一)。いずれも違法薬物に手を染めた筋金入りのジャンキーだ。4人は一攫千金を狙って銀行強盗を企てるのだが……ー
■演出:日澤雄介 コメント
あまりお声がけいただけないのですが(笑)、僕は滞在製作が大好きです。その土地と人に触れながらの滞在製作は独特の色合いを作品に写し込みます。そして今回の上演作品が『ハイ・ライフ』。これ程までに過激でぶっ飛んだ作品も珍しいので、いつか演出してみたいと思っておりました。この猥雑で滑稽で人間の欲望が煮凝りの様に煮詰まった作品に向き合うべく、東出昌大さん、尾上寛之さん、阿部亮平さん、小日向星一さんに、出演をお願い致しました。一癖も二癖もある魅力的な俳優たちと共に緻密に戯画的に作品を立ち上げて行く、まつもと市民芸術館『ハイ・ライフ』、その濃厚で刺激的な味をお楽しみください。
■ディック役:東出昌大 コメント
松本で芝居をしたことはなかったのですが、松本という環境で集中して稽古をしながら四人芝居を作る事が出来ると思い、出演を決めました。それぞれのキャラクターは強烈ですが、この作品は会話劇なので芝居の緊張感とその奥ゆかしさや厚みをじっくりお客様に楽しんでいただきたいです。この4人だったら最強の座組というか、演出の日澤さんも含めて熱意を持った人たちが少人数で集って芝居を作る機会は、なかなかないと思うので、きっと良い芝居が作れるのではないかと思うんです。今まで見たこともないような熱量だったり、緻密さだったりを、お客様には一緒に体験して頂きたいなと思うので、この夏から秋にかけてみっちり頑張って、本番を迎える事を僕も今から楽しみにしています。
■ドニー役:尾上寛之 コメント
今まで先輩たちがやっている三人や四人芝居などを観ていて、いつか少人数での舞台を自分もやりたいなと思っていましたし、また、松本で4人で濃密な時間を過ごして作品をつくる事が、今の自分にとってとても貴重な体験になりそうだと思いこの作品を絶対にやりたいと出演を決めました。作品のことだけを考え、東京とは違う環境の中で感じるものがいっぱいあるんじゃないかなと。そして今まで観ていた劇団チョコレートケーキの日澤さんが演出と言う事も出演を決めた理由の一つです。ドニーと言う役は、かなりハードルが高いと思いましたが(笑)今まで演じたことのない役なので自分の殻を破り、また自分にとって一歩踏み出せるような体験が出来そうな気がしています。
■バグ役:阿部亮平 コメント
台本を読んで素直に面白い作品だと思いました。今まで舞台にちゃんと挑戦したことがないので不安はありましたが、演出の日澤さんとお会いして、この人に自分を任せて、舞台の経験が浅いからこそ、自分ができる限りの全てをぶつけてみたいと思ったのが、この舞台に出ようと思ったきっかけです。良い化学反応が起こって、舞台の上に立つことを期待しています。共演者の中では、一番年上ですが、全員に胸を借りる挑戦者のつもりでいます。それくらい頼もしい仲間がいるなと楽しみにしています。今まで悪い役をたくさんやってきましたが、今回はリミッターを外して、どこまで行けるかな? と自分にも楽しみでもあるし、どんどん挑戦をして今までにない自分を出したいです。
■ビリー役:小日向星一 コメント
今まで出たことがないタイプの作品、演じたことのない役で、見る側にも演じる側にも凄い刺激的な作品だと感じ、ぜひ挑戦したいと思いました。めちゃくちゃな破天荒なのに、惹きつけられるものがあって。4人が全員とも愚かなんだけど、愛おしさを感じるところがあったり。普段だったら関わらない人たちですが(笑)全員が魅力的です。男4人がぶつかり合う芝居ですが、僕が一番年下なので先輩方に全力でぶつかっていきたいなって思っています。ギスギスしたシーンが多いですけど、みんなで仲良く作品作りができたらなと思います。また演出の日澤さんが劇団で普段やってる作品と全然違うこの作品をどう演出されるのか楽しみですし、自分も知らない自分を引き出して貰えたら嬉しいです。
公演情報
『ハイ・ライフ』
翻訳:吉原豊司
演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
【松本】
日程:2023年11月23日(木)~11月26日(日)
場所:まつもと市民芸術館 実験劇場
日程:2023年12月1日(金)~12月6日(水)
場所:吉祥寺シアター
主催:一般財団法人松本市芸術文化振興財団
後援:松本市 松本市教育委員会
企画制作:まつもと市民芸術館
協力:ゴーチ・ブラザーズ(東京公演)
提携:公益財団法人武蔵野文化生涯学習事業団(東京公演)