【SSPW見所コラム】間下隼人がレジェンド王座初防衛戦! 初フォール負けのタイガー・クイーンが再起をかける
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初代タイガーマスク佐山サトル率いるストロングスタイルプロレスが8月31日(木)、東京・後楽園ホールにて『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.25』を開催する。
当日はレジェンド選手権試合、初代SSPW女子タッグ王座決定トーナメント準決勝をはじめ、厳選の5試合がラインアップされている。デビューからSSPW一筋、苦節15年5カ月で団体最高峰王座に到達した間下が、ライバルの将軍岡本相手に虎の子のベルトを守ることができるのか? デビュー以来快進撃を見せていた女性版タイガーマスク、タイガー・クイーンが7月2日大阪で自身初のフォール負け、再起を期す闘いはどうなるのか? 全試合の見どころを探ってみる。
第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負
日高郁人(ショーンキャプチャー)&阿部史典(格闘探偵団)vs 政宗(フリー)&チェック島谷(GLEAT)
今年3度目の聖地・後楽園大会は、ジュニアのタッグマッチで幕を開ける。
日高郁人&阿部史典組はバトラーツつながりの師弟タッグ。日高はSSPWのコーチも務めており、阿部は実力と試合内容でレギュラーの座を勝ち取った人気選手だ。
SSPWジュニアを代表するこのチームに挑むのは、政宗&チェック島谷組という異色チーム。メキシコで修業し逆輸入された政宗は、メキシコ仕込みのルチャリブレと戦国キャラクターで大阪プロレスを中心に活躍。近年はフリーとして活動し、SSPWにも活動の幅を広げている。が、後楽園となると意外にも初参戦。かねてから聖地におけるSSPW参戦をアピールしていただけに、念願かなった形である。
政宗のパートナーは、両国国技館進出を成功させたばかりのGLEATからの初参戦となるチェック島谷だ。島谷はDDTの若手ブランドDNAでデビューし、フリーを経て新団体GLEATに合流、バルクオーケストラなるガチムチのユニット結成に加わった。身体は小柄だが存在感あるファイトは必見。今後SSPWへのレギュラーを勝ち取れるか、ぜひチェックしてほしい。
第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
スーパー・タイガー&船木誠勝(フリー)vs 関本大介(大日本プロレス)&宮本裕向(666)
第2試合は、SSPW最高峰のレジェンド王座を戴冠した選手を中心としたヘビー級のタッグマッチ。スーパー・タイガー&船木誠勝組と関本大介&宮本裕向組が激突する。
この中では、スーパーが第5代&第7代&第13代&第15代王者で、船木は第8代&第10代&第12代のベルトを巻いた。また、大日本の関本は第9代王者として君臨しており、とくにこの3人は初代タイガーマスク欠場後のSSPWを盛り上げている立役者でもある。団体の至宝を文字通り最高峰に引き上げたのが、スーパー、船木、関本という歴代王者たちだった。
そして今回、ここに加わるのがデスマッチファイターの宮本である。ここまでレジェンド王座挑戦こそない宮本だが、かつては佐山サトル提唱の掣圏真陰流トーナメントに優勝、このリングに縁のある選手でもある。それだけに、歴代王者に囲まれたこのカードは宮本を中心に見るのもおもしろい。試合結果と内容によっては、メインで争われるレジェンド王座に名乗りを挙げるのもありではないか。
第3試合 初代SSPW女子タッグ王座決定トーナメント準決勝A 45分1本勝負
ジャガー横田(CRYSIS/ワールド女子プロレス・ディアナ)&藪下めぐみ(CRYSIS/フリー)vs高瀬みゆき(フリー)&本間多恵(フリー)
2020年3月19日後楽園でスタートしたSSPWの女子プロレス。翌年7月29日後楽園では女性版タイガーマスクのタイガー・クイーンが初代タイガーマスクとジャガー横田の二人三脚によって誕生した。
そして、SSPW女子で初のベルトとなるタッグ王座の新設が決定。初代王者チームを決めるトーナメント6月8日後楽園でスタートし、今大会では準決勝2試合がおこなわれる。
ジャガー横田&藪下めぐみ組と高瀬みゆき&本間多恵組の準決勝は、ヒールのCRYSISとベビーフェースの元アクトレスガールズの図式と言っていいだろう。女優によるプロレスがコンセプトのアクトレスガールズにリビングレジェンドのジャガーは、彼女たちの姿勢に共感し、認める選手が非常に多くなった。現在フリーとして活動する高瀬と本間はアクトレスを代表する選手であり、ジャガーのお眼鏡にもかなったレスラーだ。
ジャガー組はダーク・パンサー&ダーク・チーター組、高瀬組は青木いつ希&関口翔組を破っての準決勝。ともに決勝戦でのタイガー・クイーン戦を望んでいると思われるが、12月7日後楽園でおこなわれる決勝戦にコマを進めるのは、どちらのチームか?
第4試合 初代SSPW女子タッグ王座決定トーナメント準決勝B 45分1本勝負
タイガー・クイーン(SSPW)&梅咲遥(ワールド女子プロレス・ディアナ)vs ダーク・タイガー(DarkerZ)&ダーク・ウナギ(DarkerZ)
第4試合(セミファイナル)は、もうひとつの初代SSPW女子タッグ王座決定トーナメント準決勝、タイガー・クイーン&梅咲遥組vsダーク・タイガー&ダーク・ウナギ組だ。
クイーンと、そのクイーンの首を狙うDarkerZによる直接対決であると同時に、トーナメント決勝進出をかけた大一番。どちらも負けられない試合だが、クイーンとDarkerZの闘いがなかなか組まれなかっただけに何が起こるかわからない、予断を許さぬ闘いが展開されそうだ。しかもクイーンは7月2日大阪で彩羽匠に敗れ、デビュー以来初となるフォール負けを喫してしまった。デビューから25戦目、シングルではちょうど10戦目という節目で味わわされた初めての屈辱。よって、こんどの試合は再起をかけての一戦でもある。
対するダーク・タイガーにとってクイーンとの直接対決となると昨年6月9日後楽園、8月25日後楽園以来、3度目。ちょうど1年ぶりとなるわけだが、いずれもクイーンから直接取ったわけではないとしても、2戦ともDarkerZが勝利をおさめている。それだけに、クイーンにとっては分の悪いこのカード。うまく突破できるか不安が残る。
しかも、ここに加わるのが新メンバーのダーク・ウナギとあって不安要素はさらに高まるのではなかろうか。正体不明のダーク・タイガーに、正体バレバレのダーク・ウナギ。男女を問わず様々な団体にケンカを売るウナギが飛ぶ鳥を落とす勢いのタイガー・クイーンを視界に入れるのは自然の成り行きでもある。そのうえ、ただ挑むのではなく姿を変えて乗り込んでくるところに他団体との差別化をはかる意思と工夫が感じられる。初黒星のショックから初の試合となるクイーンは、ダーク・タイガーにもダーク・ウナギにもおいしすぎる獲物なのだ。
となれば、カギを握るのはクイーンとタッグを組む梅咲か。ディアナの若きエースである梅咲は、ディアナ最高峰のWWWD世界シングル王者。もうひとつの準決勝に出場する高瀬みゆきはディアナとWAVEでタッグベルトを巻いたパートナー。クイーンがジャガーとの初師弟対決を望んでいるとすれば、梅咲のそれは高瀬との決勝戦か。いずれにしても、クイーン&梅咲組には決勝進出に向けて絶対に落とせない闘いだが…。
メインイベント レジェンド選手権試合 60分1本勝負
(王者)間下隼人(SSPW)vs(挑戦者)将軍岡本(フリー)
※第17代王者、初防衛戦。
メインはレジェンド選手権試合。王者・間下隼人に将軍岡本が挑む、団体最高峰のタイトルマッチだ。
当初はRIZINでも活躍、実績を残している関根“シュレック”秀樹の挑戦が発表されていた。格闘技とプロレスの二刀流、プロレスではSSPWマットを主戦場にもしているシュレックは、真霜拳號からベルトを団体に奪還した間下との直接対決を6月8日後楽園でアピール、昨年12月8日後楽園以来2度目の同王座挑戦を決めていたのだが、7月下旬、練習中に負傷。右ヒザ外側側副靭帯損傷、大腿骨剥離骨折、前十字靭帯損傷のため、今回の挑戦がかなわなくなった。
そのため、シュレックに代わり名乗りを挙げたのが、将軍岡本だ。将軍は間下とUWAパシフィックヘビー級王座をめぐり闘ってきたライバルでもある。よって、間下と将軍によるタイトルマッチがあらためて決定、8月31日後楽園で実現することになったのだ。
将軍は大相撲の元力士で、12年2月にIGFでプロレスデビュー、SSPWには16年6月23日後楽園に初参戦し、以後セミレギュラー的にこのリングで闘ってきた。19年9月19日後楽園でUWAアジアパシフィックヘビー級王座を奪取すれば、20年3月19日後楽園における3WAYマッチで負けずしてベルトを間下に明け渡した(間下はこれが初戴冠)。そして21年4月22日後楽園では将軍が間下を破り王座奪回。今度のタイトルマッチは2年4カ月ぶりの一騎打ちであり、将軍が間下と対戦するのは今年3月18日福岡以来、SSPW参戦もこのとき以来となる。
福岡は、レジェンド王者として間下が初めて地元に凱旋した初めての大会だった。ここで将軍は間下に直接敗れ、間下は故郷に錦を飾った。まさかこのとき、間下の初防衛戦の相手が将軍になるとは思いもしなかったが、これもまた運命の巡り合わせと言えるだろう。
デビューから初代タイガーのもとSSPW一筋で闘い、15年5カ月にしてレジェンド王座にたどり着いた間下だけに、初防衛戦でやすやすとベルトを明け渡すわけにはいかない。一方の将軍もこのチャンスをここぞとばかりに活かそうと乗り込んでくる。この試合の勝者にあらためてシュレックが名乗りを挙げることも考えられるが、まずはこの試合。初代タイガーも見守るリングで、最後にベルトを巻くのは間下か、それとも将軍か!?