『ぼくらは格闘探偵団』に向けて―― 野村卓矢の特別インタビュー公開！

デスマッチとストロング、両方のスタイルが混在する大日本プロレスの中でも、デビュー当初からレガースを履き、ストロング路線を貫く野村卓矢。アストロノーツの盟友、阿部史典とは元々は戦うことから始まった。

その阿部への想い、阿部を通じて知り合った、格闘探偵団バトラーツ総帥・石川雄規との出会いから、初めて語る“シン野村卓矢”のプロレス論。今大会、そして対戦相手への熱い想いを語ってもらった。

全方位に尖ったファンに響かせたい、阿部と打ち上げるでっかい花火

――今回どういう形で阿部選手からこの興行の話を聞いたのですか。

野村：もうけっこう前から阿部さんからバトラーツみたいなことをやりたいとは聞いていたんです。まだふわふわして明確な形ではなかったんですけど。

――実際に大会をやることになったときには、ご自身のカードは阿部選手とのシングルというのはもう決まっていたんですか。

野村：決まってましたね。普段はタッグ組んでますけど、元々は戦ってタッグを組むようになったわけだし。今のお互いの実力というのは、どちらもトップだと僕は信じているので、そのトップ同士がぶつかる、激しいけれど楽しい試合を見せたいですよね。

――そもそも野村選手はどういうプロレスを見て育ってきたんですか。

野村：最初は深夜の新日本を見て、そこからNOAHからWWEから全日本から全部見てました。UWFを見るようになってそこからバトラーツという名前や石川（雄規）さんの名前は知ってましたけど、映像を見るようになったのは阿部さんと会ってからですね。「凄いのやってるから見た方がいい、見てみ？古い映像」って言われました。

――実際にバトラーツの映像をご覧になっていかがでしたか。

野村：本当に凄かった。笑っちゃうくらい凄くて、何で？　っていう。でもそれでもお客さんは熱狂していて、ボコボコやってるのにお客さんが笑うじゃないですか。それが凄く不思議な空間だけど、刺激的だなと思いましたね。

――野村選手はレガースを履くスタイルのプロレスラーですが、ご自身の目指すスタイルとバトラーツというのは近かったんですか、それとは違うものでしたか。

野村：近かったですね、その究極系を見てるような気がしましたね。初めて映像を見たときには「本当にこんなことやってたら他のプロレスがかすむやろ」って。そんな試合を石川さんや池田（大輔）さんがやってらっしゃったので、衝撃を受けましたね。すげえな、やってみたいというより、こんなレスラーがいるんだ、少しでも近づきたいなというのはありました。

――実際に石川さんとは練習も一緒にされたんですね。

野村：今年に入ってから阿部に紹介してもらって一緒に蕨の道場に通わせてもらって。面白い方です。

――具体的にはどんなことを教わったのですか。

野村：疎かにしがちな基礎の部分であったり、応用な部分であったり、1から丁寧に教えていただいます。あとは技術的なものはもちろんですけど、プロレスに対する姿勢、要するにファイティングスピリッツの部分を伝えていただいてるような気がします。

――どうでしたか実際に会ってみた石川雄規さんは。

野村：まだ尖ってる。めちゃめちゃ尖ってます。今でも全方位にクソ食らえって言ってます。世間に対してまだまだガッチガチに尖り続けていて、こんな尖ってる人見たことねえよって思わず笑っちゃいますけど、その純粋な感じはかわいらしいなとも思います。たぶん石川さん、尖りすぎてて周りからぞんざいな扱いをされているかもしれないですけど、そこはもう一周回ってカッコよく見えてきたなという感じはあります。

――今回メインで戦う阿部史典選手ですが、最初からしっくりくる相手でしたか。

野村：初めて試合した時に、この人だったらいい試合できるな、お互い同じ方向を向いているのかなっていう気はしましたね。完全に一致はしないでしょうけれど向いている方向は一緒なのかなっていう、そこからですね。

――『格闘探偵団』と名のつく興行で、バトラーツルールでということに特別な意識はありますか。

野村：阿部経由で石川さんと練習させていただいたり、バトラーツの先人たちの意識というものは少なからず僕も注入されているので。映像もしっかり見ているので、ルールが変わったことに関してはそこまでの困惑はないです。

――今回は野村選手と阿部選手のシングルを見たいというお二人のファンもいれば、古くからのバトラーツを知るファンも会場に来ると思います。

野村：いや響かせたいですよ、僕と阿部さんの試合を。やっぱりファンも尖ってると思うんですよね、昔の方って。そういう人たちに響くような戦いを僕は絶対やりたいし、やれないと駄目だと思ってるんですよね。石川さんとか日高（郁人）さんとかたくさんの人に協力してもらっているので、ここまで来てやれないとは言えない。やりますよ。

――今回の興行は野村選手にとってどういう位置づけになりそうですか。

野村：先のことはわからないですけど、続いて欲しいなという気持ちもあります。何より阿部さんのひとつの集大成でもある大会に僕も参加させてもらって、でっかい花火を打ち上げますよ。

聞き手：三田佐代子

【対戦カード】

■メインイベント 30分1本勝負
阿部史典（格闘探偵団）vs 野村卓矢（大日本プロレス／格闘探偵団）

■セミファイナル 30分1本勝負 
石川雄規（フリー）&関本大介（大日本プロレス）vs 池田大輔（フーテンプロモーション）&藤田ミノル（フリー）

■第3試合 30分1本勝負
スーパータイガー（ストロングスタイルプロレス）vs 矢野啓太（プロフェッショナルレスリングワラビー）

■第2試合 30分1本勝負
日高郁人（ショーンキャプチャー）&タノムサク鳥羽（フリー）vs 佐藤光留（パンクラスミッション）&“brother”YASSHI（ダブプロレス）

■第1試合 30分1本勝負
鈴木秀樹（フリー）vs 飯塚優（GLEAT）