新国立劇場、大野和士×デイヴィッド・マクヴィカーによるセンセーションを起こしたオペラ『トリスタンとイゾルデ』を再演

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2023.12.25
『トリスタンとイゾルデ』2010年公演より                  撮影:三枝近志

『トリスタンとイゾルデ』2010年公演より 撮影:三枝近志

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2024年3月14日(木)~3月29日(金)新国立劇場 オペラパレスにて、新国立劇場2023/2024シーズンオペラ『トリスタンとイゾルデ』が上演されることがわかった。

大野和士指揮、デイヴィッド・マクヴィカー演出の夢の顔合わせで新制作上演し、センセーションを起こした『トリスタンとイゾルデ』がオペラパレスに再登場する。

大野和士

大野和士

2010年年末に開幕したこのプロダクションは、も瞬く間に完売、音楽ファンが注視する熱狂的な期待の中で上演され、開幕するや、夢幻と官能を繊細に描出した演奏と、象徴的で美しい舞台とが絶賛されて、オペラ指揮者大野和士の並々ならぬリーダーシップを鮮烈に印象付ける大きな話題となった。再演が渇望され「幻のプロダクション」とファンの間で囁かれていた伝説の舞台が、大野自らの指揮でついに再演される。

マクヴィカー演出の『トリスタンとイゾルデ』は夜の世界。禁断の愛に目覚める序幕と愛の死を迎える終幕は月が支配し、愛の歓びを迎える第2幕は漆黒の闇に星が煌めき、理性と対比される闇の世界を印象付ける。美しく一貫して象徴的な舞台で求心力あるドラマが展開し、研ぎ澄まされた音楽の甘美なうねりが観客を惹きつけてやまない。

デイヴィッド・マクヴィカー

デイヴィッド・マクヴィカー

ワーグナー円熟期の楽劇『トリスタンとイゾルデ』はワーグナー楽劇の最高傑作とも称えられており、愛と苦悩が身を焦がすような音楽で描き上げられ、ワーグナーの魔力を全身で感じることができる作品。ワーグナー楽劇ならではのライトモチーフ(人物や状況を示すモチーフ)や、旋律から新しい旋律へと連綿と繋がる無限旋律がふんだんに用いられるだけでなく、ワーグナーは『トリスタンとイゾルデ』で半音進行を突き詰め「トリスタン和音」と称される不安定な響きの和声を生み出して、官能と昂揚を表現。単独で演奏されることも多い前奏曲、そしてクライマックスの「イゾルデの愛の死」は特に有名で、甘美なうねりが聴くものをカタルシスに導く。

『トリスタンとイゾルデ』2010年公演より                  撮影:三枝近志

『トリスタンとイゾルデ』2010年公演より 撮影:三枝近志

芸術監督・大野和士はオペラ史上の革命的作品であるこの作品をオペラファンの方々へ届けたいと強い信念を持ち、またこれまでのシーズンの数々の公演を体験した観客の方々にはさらに深くこの作品を感じてもらえると信じ、今こそ再演の時を迎えたと意気込みを見せているそうだ。

題名役トリスタンには、世界最高峰のヘルデンテノールとして主要劇場で活躍し、日本でも人気を誇るトルステン・ケールが登場。イゾルデにはワーグナー歌手として欧州各地で活躍するリエネ・キンチャが出演。
さらに、マルケ王に若手ワーグナー歌いのトップと目され、バイロイト音楽祭にも出演を重ねるヴィルヘルム・シュヴィングハマー、従者クルヴェナールにワーグナー歌手として日本でもおなじみの名バス・バリトン、エギルス・シリンス、ブランゲーネには日本が世界へ誇るメゾ藤村実穂子と、ワグネリアンには見逃せないトップ歌手陣が集結。メロートの秋谷直之をはじめ、国内からも大野の信頼厚い歌手陣が揃う、盤石の布陣。
そして、最近ではブリュッセル・フィルハーモニック、東京都交響楽団での演奏に加え、ロンドン響、大成功を収めたパリ管の「メトロポリス」、モネ劇場 23/24 シーズン開幕公演『カッサンドラ』(世界初演)などで国際的反響を呼び、情熱、知性と共に繊細さ、構築力に富んだ演奏がますます評価される指揮者大野和士の円熟にも注目が集まる。

【トリスタン】トルステン・ケール(テノール)

【トリスタン】トルステン・ケール(テノール)

【イゾルデ】リエネ・キンチャ (ソプラノ)

【イゾルデ】リエネ・キンチャ (ソプラノ)

【マルケ王】ヴィルヘルム・シュヴィングハマー (バス)

【マルケ王】ヴィルヘルム・シュヴィングハマー (バス)

【クルヴェナール】エギルス・シリンス (バス・バリトン)

【クルヴェナール】エギルス・シリンス (バス・バリトン)

【ブランゲーネ】藤村実穂子 (メゾソプラノ)       (C)R&G Photography

【ブランゲーネ】藤村実穂子 (メゾソプラノ)       (C)R&G Photography

この春、国内外の音楽ファンが注目する大型公演となっている。クラシック通の方も、ワーグナーに挑戦してみたいという方も、ワーグナーの至高の愛の世界、ワーグナーの魔力に全身で没頭できる貴重な公演を見逃さないでおこう。

【あらすじ】
コーンウォールのマルケ王の甥の騎士トリスタンは、アイルランドの王女イゾルデを王の妃として迎えに行く。かつて愛し合った経験のある二人は毒薬で心中を図るが、侍女ブランゲーネの手により毒薬は愛の媚薬にすり替えられていた。二人の愛は燃え上がり逢瀬を重ねるが、密会の場面を王に見つかり、トリスタンは王の家臣メロートの剣により重傷を負う。トリスタンは故郷の城でイゾルデを待ち、やっと到着した彼女の腕の中で息を引き取る。イゾルデもまた彼を負い愛の死を迎える。

 

公演情報

新国立劇場 2023/2024 シーズン オペラ
リヒャルト・ワーグナー
『トリスタンとイゾルデ』全3幕 〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
Tristan und Isolde/Richrad Wagner
 
日程:2024年3月14日(木)~3月29日(金)
会場:新国立劇場 オペラパレス
予定上演時間:約5時間45分(休憩含む)
 
スタッフ:
【指揮】大野和士
【演出】デイヴィッド・マクヴィカー
【美術・衣裳】ロバート・ジョーンズ
【照明】ポール・コンスタブル
【振付】アンドリュー・ジョージ
【再演演出】三浦安浩
【舞台監督】須藤清香
 
キャスト:
【トリスタン】トルステン・ケール
【マルケ王】ヴィルヘルム・シュヴィングハマー
【イゾルデ】リエネ・キンチャ
【クルヴェナール】エギルス・シリンス
【メロート】秋谷直之
【ブランゲーネ】藤村実穂子
【牧童】青地英幸
【舵取り】駒田敏章
【若い船乗りの声】村上公太
ほか
 
【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団
 
【芸術監督】大野和士

料金】 S:31,900円 ・ A:26,400円 ・ B:18,700円 ・ C:13,200円 ・ D:7,700円・ Z:1,650円
【前売り開始】 2024年1月6日(土)10:00~
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