開幕戦は前王者・トヨタ自動車と沖縄電力! 7月19日からの『都市対抗野球』の組み合わせが決定
第95回都市対抗野球組み合わせ抽選会が行われ、楽しみな顔合わせが決まった。
『第95回都市対抗野球大会』が7月19日(金)~30日(火)に東京ドームで開催される。その組み合わせ抽選会が6月16日(日)、ニッショーホール(東京都)で行われ、前回優勝のトヨタ自動車(豊田市)の1回戦の相手が10年ぶり出場の沖縄電力(浦添市)になるなど、話題の多い顔合わせが決まった。
抽選を前に挨拶する日本野球連盟・谷田部和彦専務理事
抽選を前に、主催の日本野球連盟・谷田部和彦専務理事が挨拶。今年は5年ぶりに全チーム参加の開会式を行うことが案内された。また、今回の応援コンクールは「より郷土色を出したものを期待する」という。終わりに同専務は「都市対抗の素晴らしさを味わっていただきたい」と話し、野球ファンに来場を呼びかけた。
前年優勝のトヨタ自動車が、まず1番枠に入った。
その後、全国12地区の代表32チームの組み合わせを決める抽選会がスタート。推薦出場チームとなる前年優勝のトヨタ自動車が規定通りに山型1番の枠に入った後、各チーム代表が抽選封筒を引き、対戦カードを決めていく流れとなった。
特定シードの13チームから抽選が始まった。
まず、登壇したのは「特定試合シード」13チーム。同シードは、1万人以上の観客動員を条件に、事前申請したチームを、そのチームが希望する日時の試合に振り分ける制度。今大会では次のチームから申請があった。
・明治安田(東京都)
・JR東日本東北(仙台市)
・JR西日本(広島市)
・JR東日本(東京都)
・西濃運輸(大垣市)
・SUBARU(太田市)
・JFE西日本(福山市・倉敷市)
・日本製鉄かずさマジック(君津市)
・JFE東日本(千葉市)
・東京ガス(東京都)
・ENEOS(横浜市)
・日本製紙石巻(石巻市)
・NTT東日本(東京都)
特定試合シードとなったチームは、23年から同一地区、同一企業同士の対戦も認められようになったため、申請時点で「JR東日本東北 vs JR西日本」、「JR東日本 vs 西濃運輸」、「SUBARU vs JFE西日本」、「日本製鉄かずさマジック vs JFE東日本」の4カードが決まっていた。ここから、枠順を決めるための番号抽選が行われ、13チームが山型に収まった。
続いて行われたのは同一企業グループ内の初戦での対戦を避けるための「同一企業関係チーム」抽選。日本製鉄瀬戸内(姫路市)、NTT西日本(大阪市)、三菱重工East(横浜市)、三菱重工West(神戸市・高砂市)、三菱自動車岡崎(岡崎市)、KMGホールディングス(福岡市)が登壇した。封筒を引く順を決める予備抽選後に、本抽選という方式で進行。会場に集まったファン、関係者が見守る中、ここまでは厳粛な雰囲気で進められた。
封筒を開くエイジェックの難波貴司監督
その後、同一地区連盟内のチーム同士が初戦での対戦を避けるための抽選に入ると、会場から声が上がる。まず、登壇したのはエイジェック(小山市・栃木市)と日本通運(さいたま市)。エイジェックが大外枠32番を引き、相手が直前に31番を引いたばかりの日本製鉄瀬戸内に決まると「ウオー」の声が響き、会場は和やかなムードとなった。
大外枠の32番を引いたエイジェックの難波貴司監督(右)と対戦相手・日本製鉄瀬戸内の米田真樹監督
続いて登壇したのは東海地区チーム。ヤマハ(浜松市)、王子(春日井市)、東邦ガス(名古屋市)、東海理化(豊川市)で、盛り上がったのは、ヤマハと王子だ。本抽選3番目の王子が三菱重工Westとの対戦を決めると、「ワー」と歓声が上がり、同4番目のヤマハの相手が明治安田に決まると、会場全体からため息が漏れた。
さらに、近畿地区2チームの日本生命(大阪市)、ミキハウス(八尾市)がステージに上がって抽選、ここまでで28チームの枠順が決まった。
封筒から番号を取り出す、左から沖縄電力、北海道ガス、伏木海陸運送、四国銀行の各代表
残ったのは4チーム。沖縄電力、北海道ガス(札幌市)、伏木海陸運送(高岡市)、四国銀行(高知市)が登壇した。最後は、各チームの代表が封筒を手に取ると横並びに。この4チームから前回優勝トヨタ自動車の対戦相手が決まるとあって、会場は固唾を飲んで見守った。四国銀行、伏木海陸運送が予備抽選順に続けて枠番号を取り出すが、残り2枠になってもトヨタ自動車の相手は決まらない。残ったのは北海道ガスと沖縄電力。すると、予備抽選3番の北海道ガスがNTT東日本との対戦枠番号を取り出し、沖縄電力がトヨタ自動車の相手に決まった。会場からは、歓声と悲鳴が入り交じった最大級の声が上がり、場内のボルテージは最高潮に達した。
そして、32枠が決まった後、連戦を避けるための試合日時抽選が行われ、第95回大会の組み合わせが確定した。
毎日新聞社野球委員会の藤野智成事務局長
閉会に際し、主催の毎日新聞社野球委員会:藤野智成事務局長が「トヨタの対戦が最後まで決まらない楽しい抽選会になりました」と話すと、会場から大きな笑い声が上がった。
抽選会後には、対戦チーム代表同士の写真撮影が行われ、有力チーム監督が囲み取材に応じた。
<有力チーム監督のコメント>
開幕戦で顔を合わせるトヨタ自動車の藤原航平監督(左)と沖縄電力の平田太陽監督
■トヨタ自動車:藤原航平監督
「去年とは戦い方が違う。点を取られても、どう返すかチームで考える。また、ピッチャーたちがどう投げるか。(昨年の都市対抗野球MVP)嘉陽(宗一郎)は、この本戦で投げるための準備をしている。(5月のJABA九州大会では登板しなかったが)本大会には間に合うと思う。連覇は簡単ではないと思うが、日本一を目指している。取りに行く気持ちはチーム全員が持っている」
1回戦の相手に決まった明治安田の岡村憲二監督(左)と拳に力を込めるヤマハの申原直樹監督
■ヤマハ:申原直樹監督
「粘り強く、最後まで諦めず、相手の隙をついていく。野手はどこからでも点が取れるので、自信を持っていく。トヨタの藤原監督は同級生なので、決勝で会えたらという夢がある。接戦をモノにできる力はついてきている。1戦必勝。全員野球。41名の力を結集して、戦っていきたい」
初戦の相手、東海理化の山根直輝監督(左)と、笑顔のなかにも闘志をにじませるENEOSの大久保秀昭監督
■ENEOS:大久保秀昭監督
「(初戦の相手の)東海理化は若くて勢いがある。何とか良い試合をしたい。そして、3つは勝ちたい。投手の出来次第だと思うので、投手陣をさらに強力にしたい」
昨年の第94回大会では、トヨタ自動車がヤマハを4-2で下し、7年ぶり2回目の優勝を飾った。この2強に第93回優勝のENEOSも含め、今年は、どのチームが栄冠に輝くか、1回戦から決勝まで、熱い戦いの連続を期待せずにはいられない。