「歴史の1ページに刻んでいただけるような作品に」 松倉海斗&川島如恵留W主演+青柳翔の音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』が開幕
音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』
ーーそもそも原作はみなさんが生まれる前の大ヒット映画ですよね。出演が決まったときはどういう印象を持ちましたか?
青柳:世代的にはちょっと下なんですが、映画は見ていて。お話をいただいて、即決でやらせていただきたいですと返事をしたのは覚えています。本当にアクションがすごくて、かっこいい人たちが描かれているので、それを舞台でやったらどうなるんだろうという思いがあって、お話を受けさせてもらいました。
松倉:めちゃくちゃ嬉しかったです。もともと(原作は)知らなくて。お話いただいたのも、僕らのツアー中で、休憩時間に聞かされたんですけど、資料に『男たちの挽歌』「松倉海斗、川島如恵留 W主演」とあって、マジっすかって。改めて原作映画を見たのですが、とにかくかっこよく、男くさい映画。ガンアクションも本当に素晴らしいし、伝説の香港映画にこんな僕が主演を務めさせていただいていいのかとも思いながら、でも日を重ねるにつれて、作品に恥じぬように頑張りたいなと自分を高めてきて……今日ここにいます。
川島:僕も同じく作品のオファーをいただいたときには、(原作を)存じ上げなかったんですけれども、ツアーの最中だったこともあって、結構移動時間とかたくさんあったので、何度も何度も原作を観せていただきました。そこで自分とマークの共通点は何だろうと探したり、ストーリー全編通してどのように役が交わっていくのか、僕なりに色々研究したり。研究していけばしていくほど、本当に深い作品なんだということがどんどん分かっていって。
多分世界中に『男たちの挽歌』という作品が大好きだという方がたくさんいらっしゃると思うんですけども、きっとみなさんも1回見て「なに、こんな楽しい作品あるの?」となって、繰り返し見ちゃう人がたくさんいて、だからこれだけ大ヒットしたと思うんです。今回の舞台も1回観たら絶対もう1回観たい、来年も観たいと思ってもらえるような作品にすべく、僕たちも稽古場で頑張ってやってきた感じですね。
ーーちなみに役とご自身の共通点なんでしたか?
川島:共通点は、とにかく泥臭いことでした。僕は自分のこと、すごく泥くさい人間だと思っていて。夢を諦めないし、自分は一段飛ばしで階段を昇れないけど、1歩ずつでいいから前に進んでいきたいという思いでずっと芸能活動をやってきた。それがまさにこのマークという役の人生と少し似てるなと。
ーー演じる上で1番難しかったところは?
川島:僕は2幕に入ったら右足をがっつり怪我して、右足が動かない状態でのアクションがあるので、そこはかなり苦戦しましたね。お稽古が終わったら、普段の川島如恵留に戻らなきゃいけないと分かってはいるんですけど、ちょっと足を引きずって歩いている自分がいて。テレビ局でスタッフさんに「足、大丈夫ですか?」と言われることもあったので、役が抜けてないんだなと(笑)。役に浸かりすぎちゃってるので、オン・オフをきっちり分けたいと思います。
松倉:痛みを引きずりながらアクションをすることですね。アクションって、殴ったり殴られたりもするじゃないですか。僕は『虎者』という舞台をやってましたが、アクションは初みたいな状態なので、稽古の序盤は、殴られてダメージを受けている場面なのに、元気よく走ったりしていました(笑)。殴られているから、痛みを引きずらなきゃいけないんだというのは発見でしたね。そこがちょっと難しかった。
青柳:みなさんの想像通り、アクションがやはり多いですし、音楽もあるので……汗かくなと言われまして。
松倉:翔さん、稽古場にTシャツを何枚持ってきているんですか?
青柳:5枚ぐらい。濡れると危ないときもあるのでね、汗かくなと。でも時期の設定上、厚着でね。
松倉:裏起毛(うらきもう)でアクションしたりしています(笑)。
ーーお芝居の面ではどうですか?青柳アニキに教えてもらったことはありますか?
川島:セリフは1人のものではないんだということを教わりました。マークとホーは1対1でお芝居するシーンが結構あるので、そこで少しお話いただいたりして。本当にそうだなと思って。それから結構ガラッと僕の中でもマインドチェンジできて、これはアニキに対して言っていることなのか?自分の独り言なのか?とちゃんと使い分けられるように意識しました。それを舞台作品の中でより効果的に見えるように挑戦すること。それが今回のこの僕の挑戦だったのかなと思います。
松倉:キットとホーはもう本当にお兄ちゃんみたいな感じなので、1番距離感が近い。役柄としても距離感が近いので、役を深掘りしようと、台本を開いて話し合いましたよね。「キットとして、ここのセリフを強調した方が、もっとキットとして生きやすいんじゃないか」といったアドバイスをいただきました。
青柳:なんか褒めていただいてますけど、全然そんなことなくて(笑)。稽古場でも劇場入りしてからも、顔見合わせたら「ちょっとセリフやろうよ」みたいな関係性を築けたことが1番大きいかなと思います。
川島:そうですね、そう思います。今日の今日までずっとリードしてくださっているので、本当に感謝してます。
ーーTravis Japanのメンバーはどうですか?観に来るのですか?
松倉:はい。多分めっちゃ楽しみにしていると思います。それこそメンバーみんな「来たい」というのもそうですし、グループのスケジュール帳があるんですよ。そこにもう何人か、スケジュールが入ってたりしてて。めちゃくちゃ楽しみにしてくれていますね。
ーーファンのみなさんにメッセージをお願いします!
青柳:これから最後まで怪我なくみなさんに楽しんでもらえるよう、いい作品になるよう、力を合わせて頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
川島:観に来てくださるファンのみなさまに、そして今回残念ながら観に来れなかったファンのみなさまにも、また次も絶対に観たい、次こそ観たいと思っていただけるような作品にしてまいりたいと思います。ぜひ『男たちの挽歌』をみなさまの歴史の1ページに刻んでいただけるような作品にしたいと我々思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
松倉:『男たちの挽歌』、「A BETTER TOMORROW」ということで、観に来てくださったお客さんに、よりいい明日を迎えたいと思ってもらえるような作品を届けたいと思います。ここから千秋楽まで突っ走っていきたいと思います。よろしくお願いします。
取材・文=五月女菜穂