山本耕史&クリスタル・ケイにインタビュー~日米合作ブロードウェイミュージカル『RENT』の魅力と期待をたっぷりお届け!
ーーお二人の関係性についても伺いたいんですけど、最初の接点は、山本さんが出演していたドラマ『恋におちたら〜僕の成功の秘密〜』の主題歌をクリスタルさんが歌われたことですか?
山本:そうそう、あれは2005年かな? 俺が大河ドラマ『新選組!』をやった後の1発目だったから。打ち上げでケイちゃんが主題歌を歌ってくれたよね?
クリスタル:そうでしたっけ?(笑)
山本:そう。そのあとに歌番組のゲスト同士で共演したこともありましたが、直近だと2020年の『美女と野獣』フィルムコンサートでご一緒して。でも、あまり喋ってはないよね。
クリスタル:そうですね。今が1番喋っています(笑)
ーー改めて、俳優やアーティストとして、お互いをどう見ていらっしゃるか教えてください。
山本:ずば抜けた歌唱力と存在感ですよね。今おいくつになられたのか分からないけれど……。
クリスタル:38歳!
山本:38歳か。年を重ねるにつれてどんどん魅力を増していくイメージです。
クリスタル:Thank you!
山本: これまでそんなにお話はしてこなかったけど、『美女と野獣』のコンサートのときも舞台袖で生の歌声を聞いて、絶大な信頼感と説得力があるなぁと思いました。
今回の『RENT』は全編英語上演ですし、ケイちゃんのモーリーンはベストキャストだと思います。これまでいろいろな人が演じてきているけど、共通点は楽しんでやっていること。ケイちゃんのモーリーン、とても楽しみです。
クリスタル:(山本さんは)ちょっと妖怪みたい。 小さい頃からテレビなどで見ていますけど、全く変わらなくて、寧ろどんどん若くなっている気がするから。いろいろなジャンルをやられているし、本当にすごい人。今回、ご一緒できることがとても光栄ですし、めちゃくちゃ心強いです。
ーー日米合作の上演は貴重な機会ですよね。日米合作だからこその楽しみはございますか?
山本:(海外キャストを招く)招聘公演は、あまり知らない出演者が出ていることも多いと思うんです。よく言えば「作品」を見る機会だと思うんですね。一方で、日本版キャストの上演だと「○○が出ているから観る」というようなパターンが往々にしてある。そういう意味だと、今回の日米合作は「あの作品を観てみたい。ブロードウェイのまま作品が観られるらしいよ」という希望と、「山本耕史とCrystal Kayがいる!」という面白さがあって、日本の方は倍楽しめる気がしているんです。
クリスタル:確かに!
山本:ネイティブの人や英語が堪能な人は一言一句、分かるだろうけども、招聘公演で翻訳された字幕を見ても、「あ、ここはこうやって訳すんだ」とか「ここは言わないんだな」とか思うこともありますよね。
例えば、今回、僕としての発見があって。「Light My Candle」で、ミミとロジャーが「Do you wanna dance?」「with you?」「No,with my father」という下りがあって、直訳だと「踊りたい?」「君と?」「私のパパと」となるんですけど、海外ではみんな大笑いするわけですよね。なんでだろうと思っていたんだけども、あえてその場にいない人のことを言って笑いをとるんだよね?
クリスタル:あ、でもその前に「Big.Like my father's」と言って、ロジャーの手が私のお父さんみたいに大きいとは言っているかな。だけど「お父さんかい!」というツッコミが入る部分ではある。
山本:そうかそうか。他にも「Tango:Maureen」で、「どこでタンゴ習ったの?というシーンがあるんだけど……。
クリスタル:ああ、分かりにくいですね、あそこは。
山本:本来タンゴを習うような本格的な場所ではない上に、Nanette Himmelfarbという言葉の響きがそもそも面白いんだと。
クリスタル:しかもNanetteはジョナサンのお母さんのお名前らしいですよ。ユダヤ系コミュニティの、なんちゃら会館でのダンスレッスンというすごくローカルなネタだから笑えるんだと思います。
山本:「どこで日舞を習ったの?」と聞いたら、かたや本場の花柳流で習っているのに、もう片方は「お父さんのゴルフ友達のハジメさんに教えてもらったんだ」みたいなことだよね(笑)。そういうなかなかネイティブでないと分からないジョークをそのまま書いても、分からないし笑えない。そういう箇所が『RENT』は比較的多いと思うんだけど。だからこそそれを日本語でやったときは、フィジカルで面白くしたり、いろいろと工夫はしてましたね。
日米合作ブロードウェイミュージカル「RENT」ドリームキャストが集結!!
ーー貴重なお話ありがとうございます!最後に改めてお客様にメッセージをお願いします。
山本:『RENT』が持っているエネルギーや勢いを感じてもらいたいですね。1990年代の話だから、少し古い話ではあるし、ジェンダーやドラッグ、エイズの話など、日本にいる僕たちがなかなか理解できない部分もあるかもしれないけれど、当時のニューヨークでお金がなくても、ただがむしゃらにそれぞれの夢や希望を持って生きていた若者たちの空気感を感じられるという点では、この『RENT』はもう突出していると思う。日本にいながら海外にいる気分を味わえるかもしれない。作品を知っている方も知らない方も、『RENT』の空気感に浸っていただきたいですね。それが1番の見どころだと思います。
クリスタル:そうですね。設定は昔だけど、十分現代に通じる部分もありますしね。実際、“サイバーランド(創造性に欠けた無機質な世界)反対”とモーリーンが言うように、もっと人間と人間のコネクションを大切にしようよ、アートを大切にしようよというエネルギーは今にも通じるし、「今を大事にしようぜ」「今日しかない。今を生きよう」ということを感じて、家に帰れる作品。劇場でお待ちしています。
取材・文=五月女菜穂 撮影(インタビュー)=岸隆子(Studio Elenish)
【山本耕史】スタイリスト:笠井時夢 ヘアメイク:佐藤友勝
【Crystal Kay】スタイリスト:角田今日子 ヘアメイク:中塚智恵
舞台写真:RENT 25th Anniversary Farewell Tour, Credit Carol Rosegg
公演情報
【演出】トレイ・エレット 初演版演出:マイケル・グライフ
【振付】ミリ・パーク 初演版振付:マーリス・ヤービィ
【出演】山本耕史、Alex Boniello、Crystal Kay、Chabely Ponce、Jordan Dobson、Aaron A. Harrington ほか
<東京公演>
日程:2024年8月21日(水)〜9月8日(日)合計23公演
会場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11F)
日程:2024年9月11日(水)〜9月15日(日)合計7公演
会場:SkyシアターMBS(JPタワー大阪6F)
S席16,500円、A席12,500円、B席9,500円、エンジェルシート8,000円
※大阪公演はB席の販売はなし
※未就学児入場不可 ※はお一人様1枚必要
※車イス席をご利用ご希望のお客様はS席をご購入いただき、東京公演はキョードー東京(0570-550-799)まで、大阪公演は梅田芸術劇場(06-6377-3800)までお電話にてご連絡ください。
※出演者の変更による払い戻しは致しません。
【主催】キョードー東京(東京・大阪)、梅田芸術劇場(大阪)
【後援】J-WAVE(東京)【企画制作・招聘】キョードー東京
<東京公演>キョードー東京 0570-550-799(平日11:00-18:00/土日祝10:00-18:00)
<大阪公演>梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00)