「おもろいことをするしかない!」四星球、地元徳島でワンマン&『ふざけてナイト』開催ーーバクホン、accobin、金属バットらが集結した、笑い泣きの2日間を振り返る
『四星球企画 ふざけてナイト』2024.11.24(SUN)徳島・BOAT RACE鳴門
さて、2日目。2023年も開催された『ふざけてナイト』。バンドやミュージシャンを招いて、朝から夜まで行われるといういわゆるフェスなのだが、出演者の人選を見ても単なるフェスでないことはわかるので、それは追い追い書いていくとして。朝10時からUZU HALLでトップバッターのきいやま商店が出演するが、彼らのリハーサルは朝8時から。彼ら含め四星球はもちろん、みんな何だかんだ朝7時にはスタッフ筆頭にどろっている。
康雄と早速話すが流石に昨夜は興奮して眠れなかったという。あれだけのワンマンライブを初日にして、翌日2日目にまだまだメインフェスティバルが控えているわけで、興奮と緊張で眠れないのは当たり前だろう。きいやま商店のリハ模様は本番のレポートで書くとして、朝9時47分に四星球メンバー4人が舞台袖に集まり、朝9時50分には舞台へと2日目の挨拶に向かう。朝早くからたくさんの観客が集まっているが、調べてみるとほとんどが徳島県以外の人々。やはり他府県から観客が集まっているということは素晴らしい。
康雄の「せっかく徳島に来て下さったのに、いきなり沖縄になりますからね。それも沖縄2回ありますから」というひとことにも笑えた。そう今日はきいやま商店とかりゆし58が出演するのだ。朝9時58分、まだ四星球メンバー4人は前説的に話しているが、本番2分前にはバックバンドも舞台に上がってきて準備し始める。いよいよ始まる。
きいやま商店
朝10時。沖縄民謡的な登場SEから、いきなりEDMみたいなダンスミュージックへと変わり、沖縄は石垣島出身のリョーサ・マスト・だいちゃんという兄弟と従兄弟の3人組が踊りながら現れる。いきなり「浪漫飛行」という90年代大ヒット曲のカバーからぶちかます。これロマンチックナンバーなのにぶちかますと書いたのには理由があって、当初は私もライブを観たことがなかったので、イメージ的にアコースティックな緩やかで穏やかなイメージを勝手に持っていた。ところがリハを観るとフルバンドであり、バッキバッキの演奏だったので驚いたのだ。康雄に聞くと、四星球もメンバー3人でのライブでしか対バンしたことがないが、「今日はバンドで来たい」と言われたそう。それだけの真っ直ぐな想いはリハから感じた。照明や音響を使って遊んで観客を巻き込んでいくパフォーマンスも何が何でも盛り上げようという意気込みを感じたし、ラストナンバーがロックンロールなのも格好良かった。
ふと芝生広場に出ると、初日にはなかった食べ物の屋台や子供遊具の屋台や地元企業の屋台やアパレルの屋台などが出揃っている。U太は知り合いにミットを持ってもらい、パンチとキックでスパーリングをしている。この何でもありな自由さも地方のお祭り感があって楽しい。
ななまがり、金属バット
朝10時50分・UZU HALLは、ななまがりと前回も出演した金属バットによる漫才の時間。金属バットは朝7時30分に大阪を旅立ち、朝9時30分には鳴門入りしたという。前回も感じたが、関西在住の私などは地元関西で普通に生で漫才を観て育ってきたものの、やはり鳴門で生漫才を観られるというのは稀有なことであり特別感がある。まずは金属バットが登場。いつもどおりヘラヘラ笑いながらゆっくり登場するが、登場するだけで場を掴んでしまう感じは不思議だ。友保は「人間が笑う時間じゃないですよ」としきりに言うし、本当にその通りなのだが、その言葉で会場にいる全ての人が笑っている。小林も「知らんかった人は?」と聞くもひとりもいないので、「徳島では売れてんのや」と笑う。いやいやあなたがたは全国的に充分に売れてますよと思うし、早口言葉のネタなどバッチェリオ!な漫才で御座いました。
続くななまがりも「こんなの初めて」だけで延々と引っ張り延々と笑わされる。最後は4人全員が出てきて康雄を交えてトーク。ななまがりおふたりも朝4時起き、朝5時旅立ち、朝6時飛行場、朝7時フライト……と、御本人たちいわく「どんな日なん!?」。夜には東京でイベントライブもあるといい、そんなハードスケジュールで鳴門に来てくれたのが、私は鳴門の人間ではないが何だか嬉しかった。
気が付くと11時55分とまもなくお昼の時間。芝生広場の庭を観るとモリスの握手会が自然と開かれており、長蛇の列ができている。今会えるアイドルじゃないが今会えるバンドマンというか、この分け隔て無い距離感も四星球のお祭りの魅力である。
THE BACK HORN
昼12時・UZU HALL。THE BACK HORNが登場。1曲目「刃」での一声一音が鳴らされた瞬間から凄みがエグい……。ドラムの松田晋二が「四星球とバックホーンは音楽ジャンルなど真逆と思うかもですが、みなさんの心を震わせたいと想う気持ちは一緒です」と言ったが、それが全てだと思った。ツアーにも呼んでもらってると話して、「熱いライブをして恩返しをしたいと思います」とも言ったが、このバンドマンシップに我々は感動してしまうし、より惹き込まれる。ボーカルの山田将司の縦横無尽に動き回る姿も堪らないし、硬派な漢のロックなライブを浴びせてもらえた。
好き好きロンちゃん
昼12時35分。この日は初めて入るし、初日には使われていなかったなるちゃんホールステージへ。BRAHMANのドラム・RONZIとよく似ていると言われている好き好きロンちゃん。一転急転という言葉は今こそ使うべきなのだなと、髭面長髪おじさんがピンクの女子スカートを履いたロンちゃんを観ながら思う。本人も重々承知しているみたいで「THE BACK HORNを我慢して来てくれた人たちですよね!」と言って、BACK HORNの楽曲を替え歌にして歌う。そのキュートな仕草を観ていると本当にキュートに見えてくるから困ってしまう。白金生まれフランス育ち100万50歳のロンちゃんには、私のような観客から「かわいい!」と黄色い声援が飛ぶが、ロンちゃんは「ブスよ! どうかしてるぜ!」とぶったぎっている。その姿勢も素敵だが、歌われる楽曲は全てエモメロディーだが全て下ネタソング! 恐れ入ります。何よりも恐れ入ったのはライブ後の物販への長蛇の列……。本人との撮影会があるとはいえ、この異常すぎる長蛇の列は強烈だったし、2時間弱は続いていた。本当に恐れ入りました。
かりゆし58
昼13時15分・UZU HALL。かりゆし58。ボーカルの前川真悟は昨年もなるちゃんホールに弾き語りで出演していたが、バンドとしてUZU HALL出演は初となる。前川は1曲目終わり、全然関係ない話ですけどと言った上で、今日が自分の姉の誕生日だと明かす。朝に母親から前川の方に間違えて「誕生日おめでとう!」連絡が入ったと言い、その流れから人気曲「アンマー」へ。母への想いが歌われた楽曲だが、観客みんなが耳を傾けていた。「手と手」では観客みんな手拍子をするし、かりゆしはみんなを温かい心にして巻き込むことに長けている。「もうすぐ今日が終わる」という歌詞が印象的な「オワリはじまり」で終わったのも素敵だった。
昼13時50分・なるちゃんホールステージ。アキラボーイデジタルショー。要はスクリーンの映像を連動させながら、観客体験型で楽しむショーなのだが、前回も思ったが四星球は大人だけではなくて子供まで楽しませることを常に考えてるし、自分たちのお祭りを主催するとなると、そこにかなり重点を置いている。ライブに行きたいけど子供がいるから行けないとなる人は増えてくるわけで、そういう意味ではとても優れたお祭りだと心から思う。
竹原ピストル
昼14時25分・UZU HALL。竹原ピストル。リハから本人が出てきて本番のような本意気で「浅草キッド」・「春夏秋冬」など大名曲カバーを惜しみもなく披露する。「人力BGMだと思って下さい」と本人は控えめに言うが、そんなわけはなく、聴く側はリハから本気の歌が聴けることに感激している。本番が始まってからも「やかましく失礼しました」と丁寧・謙虚さは変わらないが、アコギ1本弾き語りのピストルを観るために、お昼時で休憩していたはずの観客で見る見る埋まっていく。剥き出し曝け出しの姿勢ながらも、やはり「手拍子心強かったです」なんていう丁寧・謙虚さも変わらない。「今宵もかろうじて歌い切る」という曲名も信じられないくらいに丁寧謙虚だし、だからこそ信頼されるのだろう。憧れの吉田拓郎先輩の歌を歌ったりしながら、野狐禅を組んでいた頃に四星球と出逢ったことも話す。そして本人いわく青臭いという野狐禅時代の「ならば友よ」へ。「Amazing Grace」のメロディーに乗せて自分の想いを歌うなど博愛さを感じさせながらも、この日会場入りする時にスタッフから他の出演者に間違われた事を笑って話しながらも、「屈辱的でしたね! 見てろよ! あの野郎!」と冗談交じりとはいえ反骨心も未だに感じさせてくれるから、ずっと支持されるのであろう。
MOROHA
昼15時5分・なるちゃんホールステージ。MOROHA。最初はこちらの舞台では勿体ないなと、大きな舞台で観たいなと思ったが、舞台に置かれた台にあぐらをかいて座りギターを弾くUKと舞台に仁王立ちするアフロを観た時に何も気にならなくなった。舞台の大きさなんて関係ない。MOROHAはMOROHAだった。「フェスで楽しんでいる奴なんて嫌いだよ。言いたいことはひとつ。俺のがヤバイ。ぶち抜きに来たんだよ」からの「俺のがヤバイ」で、それこそそのヤバさは充分なほどに伝わる。
血管が切れるのではと心配になるくらいの絶叫。その場にいた全ての人に届くヤバさとこちらは思うが、「この時間、俺たちのライブを観ずに中庭で休んでいる人がずっとジャンケンに負け続けますように」とアフロは言う。でも、その後すぐの「いつの日か届いたらと思っています」と続けた言葉が良かった。単なる皮肉だけではなくて、やはり届けたいという本気の思いが届く。競艇場ということもあり、この場には「たくさんの人の涙が落ちています」と語りかけ、「ステージもギャンブル」と言い放ったのも勝負師の気合いを感じた。
KANA-BOON
昼15時40分・UZU HALL。KANA-BOON。オリジナルメンバーは谷口鮪だけであり、現在はベースの遠藤昌巳とふたり。ギターとドラムはサポートメンバーだが、1曲目「シルエット」からバンドが楽しいんだろうなと感じた。色々な出来事を経験してきたバンドだからこそ、余計に感じるし、全く新しいバンドだとも感じた。特に鮪が解き放たれている。本人も「昨年末からの大スキャンダルを経て復活しました!」と宣言していたが、本当に吹っ切れている。そして、康雄に「KANA-BOON、かっこええな」と今の体制を褒めてもらえたことを明かして、自分たち世代にとっては四星球との対バンは負け戦だとも明かす。でも、負けたくない、認められたいと語り、「ロック精神のひとつには四星球がいるんですよ」とまで言う。対バンも経て、今回呼んでもらえたことを「認めてもらえた気がする」と話した。個人的にも現体制でのライブを観るのは初めてであり、四星球が認めている理由もわかった気がする。「絶好調で絶頂で、四星球にバトンを繋ぎたいんですけど!」と鮪は言っていたが、完璧に完全に絶好調で絶頂でバトンを繋いだ。
accobin
夕方16時15分・なるちゃんホールステージ。accobin。言わずもがな元チャットモンチーのメンバーであり、四星球とは鳴門教育大学時代からの仲間。昨年出演した高橋久美子もそうだったが、学生時代からの盟友のライブは四星球への思いが、また他のミュージシャンやバンドマンとは違うセンチメンタルであったりノスタルジックであったり、だからこそ尋常じゃないエモーショナルさがある。2018年にチャットモンチーを完結して、2020年には地元徳島県に戻り在住している。康雄とは同級生であり誕生日も一緒と明かし、その上で「チャットモンチーと四星球は永遠のライバル」だとも明かした。そして、チャットも徳島で『こなそんフェス』というフェスを開催していたものの、「『ふざけてナイト』というタイトルが良すぎて。ナイスイベントタイトル付けやがった」と絶賛する。環境的にはチャットは早くから全国区人気バンドとして活躍して、一世風靡したイメージもあるだけに、ここまで四星球への思いがあるということに感動して思わず涙腺が緩んだ。自分が大学1年生の時にチャットが誘われたイベントが後1枠あるということで、当時まだ四星球と名乗っていなかった彼らを誘い、そのイベントから四星球と名乗るようになったとも説明する。地元では一気に人気バンドになった四星球に、「腹が立って、最初に呼んだのは私らやぞと思った」と盟友だからこその当時の嫉妬も語る。現在もチャット3人は何かイベントがあれば誘ってくれることも感謝したり、自分の父親が四星球を大好きで、たまに四星球のライブにも出されているなど、本当にお宝エピソードが尽きない。
「観たら元気になるけど、グッとくるところあるのは大学の時から変わらない」
これが四星球の根っこであり芯なのだろうなと思った。四星球の最近の曲でお気に入りを「薬草」と話して、今回カバーまで考えたという。結果カバーはしなかったのだが、「あの曲に救われる人たくさんいるんだろうな」と呟く。
「四星球はずっと凄い」
この言葉も響いた。KANA-BOONから繋がれたバトンに、もうひとつ強烈なバトンが地元の盟友から繋がれた。
四星球
夕方16時55分・UZU HALL。四星球。いよいよ大トリ。accobinを観終えて、どうしても彼女の言葉を同級生であるふたりには伝えたいという勝手な使命感にかられて舞台袖へと急ぐ。本番前の準備で忙しい康雄に早口で泣きそうになりながら全貌を伝える。康雄は凄く感動しながら、「嬉しいですね……」と呟く。そして悪ガキの顔をして、「今日もお父さん出してやろうと思っていたんですよ!」と笑った。U太も「僕らの前では普段絶対に言わないのに」と照れ笑いしながら、「あそこを任せられるのはあっこしかいないんで」とも話してくれた。とんでもないバトンが本当に繋がった。
初日同様にライブ内容打ち合わせに出席しようと、昼過ぎにU太に確認したら、もう既に終わっていた。「今日は本当にシンプルなんですよ」と言って、台本を貰ったが、初日の台本や普段の台本と違って、たった2枚のみ。個人的には仕掛けが少ない時の四星球のライブはエネルギーやパッションがとてつもないことを何度も体感しているだけにワクワクドキドキが止まらなかった。
最初に影アナで「おもしろいことをしたいんですけど、感覚が麻痺していて、体張って体当たりでおもしろいことをしたいと思います!」と言って、腹に顔を描いてブリーフ一丁で腹踊りをする4人が登場。アホやなぁ~としか感想がないし、1曲目「ふざけてナイト」を聴きながら、ほんまにふざけてんなと感慨にすら耽ってしまう……。康雄が自分の腹の顔に歌わせようとしたり、何かもう勢いだけで突っ走る四星球が輝きすぎて眩しくすらあった。出演者全員の写真パネルを舞台に持ち込んで、記念撮影をしたりと。その場の思いつきでやることがやはり一番新鮮で斬新でアホらしくてバカバカしくて良い。「力を使い果たして帰って下さいとよく言いますけど、明日への力をため込んで帰って下さい」という康雄の言葉も康雄らしかった。
22年前に鳴門教育大学で結成されて、軽音サークルの練習場で作った「クラーク博士と僕」を歌い継いでほしいと観客に訴えかける。「この曲の故郷で歌います!」と言って歌われる「クラーク博士と僕」がエモーショナルじゃないわけがなく、何故かこのタイミングで舞台乱入のなるちゃんに、康雄は蹴り2発とラリアットと目つぶし攻撃とフラフープで殴り、U太はヒップアタック、まさやんはギターで殴りつけている。この暴力は当たり前だが卑劣な意味合いでの暴力ではなくて、何か無意識に力が暴れ出すという類のものであり、表現としては素晴らしすぎる溢れ出てきた湧き出す衝動。こうなった時の四星球は無敵だ。なるちゃんへの「ありがとう」と「ごめんな」も康雄は忘れないし、「お子さんに真似しないように言って下さい」というひとことも忘れない。
「徳島の人はわかると思うけど、こんだけ人がいるのは、こことイオンだけです!」という康雄の言葉からも改めて徳島に全国から人が集まる凄さがよくわかる。そして、康雄はドリフターズ展を観て、小道具がガラス張りの中に展示されていて触れなかったことを話した上で、「ライブハウス中心にやっているバンドは触れます!」と先程記念撮影した出演者写真パネルを観客たちに渡して自由に触らせる。まるで出演者たちが観客の上をダイブしているみたいで、その光景は壮観だった。
accobinはライブで「この後、私も四星球を観に行きます!」と言っていたが、本当に会場後方で観客と一緒に観ていた。「薬草」の時に康雄が「あっこ~!!」と叫んだ。彼女の「薬草」への想いも康雄には本番前に伝えていただけに、勝手にメッセージ性を凄く感じてしまった。本番後、本人に問い合わせると観客が「あっこ」と書かれたボードを持っていたので思わず叫んだということだったが、個人的には2日間で一番胸が熱くなった場面であった。
ラストナンバー「ミッドナイトレインボーピーターパン」では、康雄が観客に観客同士の肩車を促し、ボルダリングスペースにいる親子連れにも肩車を促した。
「この子たちがこっちに来れるようになるまでやりますんで! 宜しくお願いします!」
前回も感じたが、特に現在、四星球は大人から子供まで楽しめるライブをとても意識しているし、それだけで終わらず康雄は子供が大人に成長するまで続けることや、歌が未来でも歌い継がれることを希求している。なのに大オチは発狂したまさやんが舞台袖にはけて、戻ってきたら同じ髪型のKANA-BOON鮪がまさやんの格好をしているというアホらしくてバカバカしいもの。この振れ幅があるから四星球は信用できる。
それで言うと自分たちのスタッフチームは一桁台の人数であり、THE春夏秋冬や古墳シスターズやアイアムアイといったバンド仲間が手伝ってくれていることも伝えて、「彼らのことも宜しくお願いします」と頭を下げたのも格好良すぎた。
アンコールでは、この日だけの「ふざけてナイト」の歌詞を作るべく、観客から想い出を募っていく。「鮪もいいけど鳴門は鯛なんだ」や「あっこの海で」などなど康雄の即興歌詞作りのセンスはずば抜け過ぎていて、取材に来ていたスポーツ紙記者は「天才だ……」と舌を巻いていた。続く「コミックバンド」でも募った歌詞を使っていたが、その全てを使い切って無駄にしないようには感嘆してしまう。
「全国ツアーへ行って、この街を通って帰ります。ここへ帰ってきているというのを県外の人には知ってもらえたら。こんなイベントをやれるようになりました」
という言葉もあったが、この街で開催する意義を本当に感じる。アンコールラストナンバー「明日までkm」では、康雄がスタッフに耳打ちをして、まさやんを肩車で担がせようとするが、重くて持ち上がらず、それを康雄が支えて何とか持ち上げようとするが、やはり持ち上がらない。こんな何でもない場面がまた何だか泣けてしまう。全力や全身全霊という言葉は簡単に使いたくないが、こういう時こそ使うのだろう。
来年も開催されるのかは、今はまだわからない。でも、何かしら徳島での四星球のライブは是非とも観て欲しい。全国各地どこでライブをしても四星球の素晴らしさは一向に変わらないが、やっぱり徳島でライブをする四星球が一番輝いて見えるのだ。
取材・文=鈴木淳史 撮影:naritoshi kitagawa、鈴木洋平
>次のページは『四星球企画 ふざけてナイト』思い出アルバム