「売られたケンカは全部買う」ロットン、HEY-SMITH、coldrainらがぶつかり合った『響都超特急2024』2日目オフィシャルレポート到着
2024年12月21日(土)、22日(日)に京都パルスプラザにて『響都超特急2024 〜KYOTO ULTRA EXPRESS〜』が開催された。イベントHPで掲載されているものとは別の、2日目のオフィシャルレポートが到着したので紹介する。
ROTTENGRAFFTY(以下、ロットン)が主催する『響都超特急2024』2日目。開演前には、おなじみのメンバー全員での“発車宣言”で「剝き出しのまま来てください!」と、この日もアーティスト、オーディエンスともに全力でぶつかり合おうと言葉を送る。
10-FEET 撮影=かわどう
金閣のトップバッターは同じく京都の雄である10-FEET。この日はドラムのKOUICHIが手術からの復帰が遅れ、サポートドラマーを入れてのステージに。もちろん、オリジナルメンバーでのライブこそがベストなんだけど、SHANK・早川尚希、komaki、そしてロットン・HIROSHIと三者三様なスタイルを楽しめる貴重なステージとあって、観客も大興奮。「RIVER」や「第ゼロ感」など、この日限りのスペシャルなライブセットを大満喫することができた。
dustbox 撮影=岩渕直人
「思いっきり盛り上げようぜ!」、ショートチューン連発&ご機嫌なメロコアサウンドでフロアを歓喜の渦に巻き込んだのがdustboxだ。彼らもロットンと同じく結成25周年のバンドだが、バンド初期は互いにギスギスした関係性もあったというが、今ではなくてはならない存在だと語り、ロットンや10-FEETメンバーも飛び入りしつつ、「To All My Friends」などで相思相愛ぶりを見せつけていく。
Dragon Ash 撮影=Taka"nekoze photo"
1曲目からさらりと「THIS WORLD」をカバーし、フロアの熱を急上昇させたDragon Ash。「Fantasista」をはじめ、愛おしささえ感じる壮大なミクスチャーサウンドに誰もが拳を高く突き上げ、全身で音を受け止めている。京都を代表するロットン、10-FEETが大いに盛り上げたイベント前半、「オレらも負けてらんねぇよな!」とThe BONEZ・JESSEを呼び込み、「Straight Up feat. JESSE」で鋭利なバンドサウンドでフロアを席巻。
SHANK 撮影=岩渕直人
ストイックかつ、ギラついたパンクロックサウンドが炸裂したSHANK。イベント出演のオファー時は銀閣でのステージだったものの、気付けば金閣での出演になったと語り、ロットンからの心意気に応えたいと、「Wake Up Call」「Set the fire」と攻めの姿勢を緩ませることなく突っ走っていく。もちろん、感情を焚き付けられた観客はモッシュにダイブにと全力で音に応え、フロアはライブハウスさながらの熱気と湿度に。
The BONEZ 撮影=Taka"nekoze photo"
続くThe BONEZもサウンドチェックからメンバーの気合十分。「(ロットンには)感謝しかないから、ぶっ壊しに来ました!」と、「Love song」など激しくもピースフルなステージで魅せていく。激情と美しさの狭間を行き交うバンドサウンドはとにかく多幸感にあふれ、誰もが満面の笑みを浮かべ、モッシュにダイブにと大暴れ。「Straight Up feat. Kj」でのKjとの再びのコラボなど、さすがのひと言に尽きるパフォーマンスで楽しませてくれた。
FOMARE 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto
もちろん、2日目の銀閣ステージも大盛り上がり。FOMARE、BALZAC、SHADOWS、ROWHOO、山嵐、GOOD4NOTHING、The Ravensがジャンルも経験値も飛び越え、熱量高いパフォーマンスでフロアを揺らす。この日の出演者のなかで唯一の20代バンドだったFOMAREは「半端じゃないFOMARE、観たくないですか!?」と「80%」など昂る感情をステージにぶつけていく。
音楽のパワーに煽られるようにお笑いステージも大賑わいで、にんげんっていいな、金属バット、鬼越トマホーク、吉本新喜劇、ヘッドライトが観客の笑いをかっさらい、誰もが休む暇もないほどに”ヒビキュー”を満喫。
coldrain 撮影=かわどう
体の奥底まで轟く豪快なシャウトでフロアの空気を瞬時に変えたcoldrain。「THE REVELATION」から重厚なバンドサウンドが響き、波打つように観客の体が揺れ動く。「フェスは前戯、ライブが本番。次はライブハウスで!」と、ライブバンドとしての本質を見せつけ、新曲「INCOMPLETE」など強靭でいて繊細なビート、ドラマチックでいて鋭利なメロ、相反するものを組み合わせ、唯一無二のサウンドを描いていく。
HEY-SMITH 撮影=岩渕直人
HEY-SMITHは「Endless Sorrow」からとにかく破壊力が凄まじかった。一瞬の隙も見せられない、バンドとオーディエンスの本気のぶつかり合い。病気療養と妊活のため、2024年をもって活動休止するトロンボーンのかなすにとって、この日は残り少ないステージのひとつ。「不安がないのは嘘。不安だらけやけど、ベストを尽くすから追いかけて!」と、自らを鼓舞するように「You Are The Best」など、全11曲を掛け抜けた。
ROTTENGRAFFTY 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto
ROTTENGRAFFTY 撮影=かわどう
ROTTENGRAFFTY 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto
『響都超特急2024』の2日間、そしてバンド結成25周年イヤーを締めくくるのはもちろんROTTENGRAFFTY。「すべて放り込んで、暴れるだけ!」、「暁アイデンティティ」からまるでケンカ腰といわんばかりのタフなナンバーを投下し、観客を狂喜乱舞へと導いていく。NOBUYAは出演者からの祝福の言葉を振り返りつつ、「おめでとうって言いつつ、潰そうとしてたよね? 誰にケンカ売っとんねん! 売られたケンカは全部買いますんで、今後もよろしく!殺す気でかかってこい!」、中指を立てつつ盛大なシャウトをかます。
ROTTENGRAFFTY 撮影=かわどう
ROTTENGRAFFTY 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto
ROTTENGRAFFTY 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto
“ロットン”と書いて一網打尽と詠んでもいいほどの、気迫と剛毅さ溢れるステージ。ライブ終盤には出演者やスタッフ、集まった観客へ「これがオレらの宝物!」と感謝の気持ちを伝え、新曲「響都グラフティー」を披露。アンコールでは仲間たちが次々にゲスト出演してのお祭騒ぎで、最後の瞬間まで美しく激しく燃えきったROTTENGRAFFTY。
ROTTENGRAFFTY 撮影=岩渕直人
饗宴が終わった直後には2025年3月にアルバム『わびさび』、映像作品『響都グラフティー』のリリース決定を告知。26年目を迎え、さらに“超特急”で加速し続けるROTTENGRAFFTYの動向を追い続けたい。
文=黒田奈保子
イベント情報
日程:2024年12月21日(土)・22(日)
会場:京都パルスプラザ(〒612-8450 京都市伏見区竹田鳥羽殿町5)
<金閣ステージ>※50音順
【12月21日(土)】Crossfaith/ハルカミライ/04 Limited Sazabys/マキシマム ザ ホルモン/MAN WITH A MISSION/ヤバイTシャツ屋さん/ROTTENGRAFFTY
【12月22日(日)】coldrain/The BONEZ/SHANK/dustbox/10-FEET/Dragon Ash/HEY-SMITH/ROTTENGRAFFTY
<銀閣ステージ>※50音順
【12月21日(土)】ENTH/THE GELUGUGU/SIX LOUNGE/Jin Dogg/四星球/SPARK!!SOUND!!SHOW!!/Dizzy Sunfist
【12月22日(日)】GOOD4NOTHING/The Ravens/SHADOWS/BALZAC/FOMARE/山嵐/ROWHOO