寺島しのぶ「皆様の心に残るような舞台になれば」~吉柳咲良、松尾貴史ら出演の舞台『リンス・リピート ーそして、再び繰り返すー』が開幕
(左より)松尾貴史、吉柳咲良、富本惣昭、寺島しのぶ 撮影:宮川舞子
2025年4月17日(木)紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて、舞台『リンス・リピート ―そして、再び繰り返す―』が開幕した。この度、舞台写真・出演者コメントが公開された。
(左より)寺島しのぶ、吉柳咲良、松尾貴史 撮影:宮川舞子
2019年にオフ・ブロードウェイの話題をさらった、舞台『リンス・リピート ―そして、再び繰り返す―』の日本初演がついに開幕。本作は、娘・レイチェルが摂食障害を患ったことで浮彫になる、ある家族のすれ違いと苦悩、そして再生に至るまでの4日間の物語。
第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した注目の若手演出家・稲葉賀恵は、日常的な些細な会話の積み重ねによって崩壊してしまったこの家族の人間関係を深く読み解き、よりリアルかつ緻密に日本版演出を創り上げた。この家族がどういう再生の道を選び取ったのか。観客は母と娘の希望に満ちた強いメッセージを受け取るに違いない。
(左より)寺島しのぶ、吉柳咲良 撮影:宮川舞子
(左より)富本惣昭、吉柳咲良 撮影:宮川舞子
また、食事をテーマにした本作であるため食事のシーンが多々出てくるが、舞台上での食事はすべて本物。食べながら芝居をする俳優たちの姿にも注目していただきたい。そして、家族同士のやり取りが日常的でとてもリアルであるが故に、ある家族を覗き見しているような発見と驚きが満載となっており、登場人物たちの人間模様は観客の共感を呼ぶだろう。
(左より)松尾貴史、吉柳咲良、富本惣昭、寺島しのぶ 撮影:宮川舞子
移民ながら弁護士として輝かしいキャリアを築き、仕事と家庭のはざまで葛藤する母親・ジョーンを演じるのは、映像・舞台で刺激的な芝居で世界中を魅了してきた寺島しのぶ。ジョーンが持つ、実力主義社会で戦ってきた強さと、家族を大切に思いやる優しさや苦悩を、寺島は圧倒的な存在感と多才な表現で演じる。娘を愛しているものの関係を上手く築けないジョーンの姿に、哀れみと同情を感じずにはいられない。
寺島しのぶ 撮影:宮川舞子
娘のレイチェルを演じるのは、ミュージカル『ピーター・パン』『ロミオ&ジュリエット』やドラマ『ブギウギ』『光る君へ』『御上先生』への出演、映画『白雪姫』にて白雪姫役の吹き替え声優を務めるなど、注目を浴びている吉柳咲良。摂食障害から回復しつつあり、愛する家族とともに生きようとするレイチェルの複雑で繊細な心情を、セリフの奥にある真意を読み解くことで丁寧に観客に届ける。「レイチェルと似たような感覚がある」と自身が語るように、母と娘の関係のこまやかな変化を、確かな心情の裏付けによって等身大の姿で演じている。
吉柳咲良 撮影:宮川舞子
そして、優しさと不器用さを持ち合わせる父のピーターを松尾貴史が演じる。娘のことを一番に考えてサポートするものの無意識のうちに家族を傷つけてしまう役どころを、ウィットに富んだ柔軟な芝居で見事に体現している。
息子・ブロディを演じるのは、多数の注目舞台や映像作品に出演し、これから更なる活躍が期待される富本惣昭。養子という複雑な背景を持つ役どころで、母と娘、そして父との関係を注意深く観察しながら、相手の言葉を受けてセリフを紡ぎ、この家族をより立体的にしている。
セラピスト・ブレンダを演じる名越志保は、情緒豊かなセリフ回しで戯曲のもつ強靭なメッセージを家族に事実を突き付け、観客を物語に引き込んでいる。
松尾貴史 撮影:宮川舞子
富本惣昭 撮影:宮川舞子
名越志保 撮影:宮川舞子
現代の米国で書かれた戯曲であるが、演出の稲葉賀恵と実力派俳優たちによって、日本の観客が大いに共感できて楽しめる演劇として仕上がり、心揺さぶられるエンディングを迎えるだろう。
(左より)寺島しのぶ、松尾貴史 撮影:宮川舞子
(左より)名越志保、吉柳咲良 撮影:宮川舞子
(左より)寺島しのぶ、吉柳咲良 撮影:宮川舞子
東京公演は2025年4月17日(木)~5月6日(火・休)紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演、その後京都にて上演予定。上演時間は2時間(休憩なし)予定。
出演者コメント
(左より)松尾貴史、寺島しのぶ、吉柳咲良
■寺島しのぶ(ジョーン役)
登場人物それぞれが複雑な思いを抱き、愛情の掛け方の違いもありハッピーなお話ではありません。舞台上には最低限の大道具しかありません。
抽象的で洗練された舞台美術の中、演出や照明他それぞれのスタッフが拘って創り上げているので美しい舞台を楽しんでいただける筈です。
家族の話なので、ご覧いただくお客様が誰かに共感していただけると思いますし
皆様の心に残るような舞台になればと願っています。
ぜひ劇場にお越しください。
■吉柳咲良(レイチェル役)
この作品は摂食障害の家族の物語ですごくセンシティブなテーマと捉えられがちですが、身近な題材だと思いますし、必ず共感していただけると思います。愛とエゴの線引きだったり、思いやるということの本当の意味だったり、そういうことをもう一度考えていただけるような舞台になるんじゃないかなと思います。どんな解釈でも、どんな答えでも、それが正解だと思います。観にきてくださる方のそれぞれの興味の中で舞台を楽しんでいただきながら、この作品のもつメッセージ性をしっかりと伝えられるように明日から頑張っていきたいと思います。
■富本惣昭(ブロディ役)
稽古開始から初日まであっという間でした。
共演者の方々は作品、人物への解釈がとても深く、毎日稽古で刺激をいただき充実していました!そして、演じる人物になろうとする姿勢に圧倒され、ワクワクもしました。
家族とは何か、家族とはどうあるべきなのか、姉弟とは何なのか。
その考えぬいた結果をお客様にお見せできるように板の上に立ちたいと思います。
必ず心に残る作品です。観劇しに来てくださるお客様に物語を丁寧にお伝えできるよう、精進いたしますので是非とも最後まで応援して頂けると嬉しいです。劇場でお待ちしております!
■名越志保(ブレンダ役)
ブレンダはレイチェルを見守り後押しする役です。演出の稲葉さんがブレンダの事を、舞台監督みたいな役割と言っていた事がありました。ちょっとやそっとじゃひるまない。動じない。
冷静に事態を把握して、的確に判断できる人物といったところでしょうか。
さて、今回の本物の舞台監督、大刀さん率いる優秀なスタッフが作る大量の消え物は、本当に美味しそうです。それを食べる4人の家族は日々の稽古でどんどん家族になりました。その登場人物たちを包む、なんとも摩訶不思議な空間は、音と光が混ざり合い、まるで何かの生き物みたいです。
そこに突入する異物ブレンダを、温かさと厳しさを持ち合わせたセラピストとして、そして彼女の人生で学んできた「自分で選択する事」の尊さを忘れずに演じたいと思っています。
■松尾貴史(ピーター役)
いよいよ初日を迎えます。稽古の段階から、このセリフを言った理由をどこまでも掘り下げて、面白いアプローチがあちらこちらからできて、取り組み甲斐のある台本でした。ご観劇いただいた方々に共感を持っていただいたり、理解を深めるために触れていただけたりするような作品です。そして、他者に対する想像力や思いやりが上辺ではなく、本当にどうすることが最善なのかを、このテーマだけでなく他の様々なことに置き換えて考えるきっかけとなる芝居ができるように臨みたいと思います。
公演情報
日程:2025年4月17日(木)~5月6日(火・祝)
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
主催・企画制作:ホリプロ
公演詳細>>https://horipro-stage.jp/stage/rinserepeat2025/
日程:2025年5月10日(土)~11日(日)
会場:京都劇場
主催:キョードーエンタテインメント
問い合わせ先:キョードーインフォメーション 0570-200-888(12:00~17:00、土日祝休み)
https://kyodo-osaka.co.jp/search/detail/10367
脚本:ドミニカ・フェロー
翻訳:浦辺千鶴
演出:稲葉賀恵
照明:横原由祐
音響:星野大輔
ヘアメイク:高村マドカ
演出助手:城田美樹
舞台監督:大刀佑介
<キャスト>
ジョーン:寺島しのぶ
レイチェル:吉柳咲良
ブロディ:富本惣昭
ブレンダ:名越志保
ピーター:松尾貴史
公式HP:https://horipro-stage.jp/stage/rinserepeat2025/
#リンスリピート