【城戸康裕&吉成名高インタビュー】5/11『SPACE ONE×BOM』を前に決意表明!

インタビュー
スポーツ
2025.5.8
『SPACE ONE×BOM』は5月11日(日)に開催

『SPACE ONE×BOM』は5月11日(日)に開催

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5月11日(日)にアリーナ立川立飛(東京都)で開催される『SPACE ONE×BOM』。この大会は、中国を拠点とするキックボクシング団体SPACE ONEと、ムエタイ/キックボクシングを中心とした日本の格闘技団体BOMプロモーションのコレボレート興行として話題を呼んでいる。対戦カードもファンの期待が高まるものが並んでいるが、中でも注目は城戸康裕と名高・エイワスポーツジムこと吉成名高の参戦だろう。

SPACE ONEライト級王者の城戸は、同級1位の王凱峰(ワン・カイフォン)とのタイトルマッチを行う。王とは昨年11月に対戦し、城戸はKO負けを喫している。今回は自身のベルトをかけたリベンジマッチ。背水の陣で臨むこととなる。

ラジャダムナンスタジアム3階級制覇の名高は、現在36連勝中。今回は、弱冠16歳の新鋭チョークディー・ペッセーントーンと、オープンフィンガーグローブ着用のムエタイルールで対戦する。

今回は2人にインタビューを実施。試合に臨む現在の心境を語ってもらった。

【決定対戦カード】

▼SPACE ONEライト級タイトルマッチ 3分3R
城戸康裕(TEAM ONE/王者)
vs
王凱峰(=ワン・カイフォン/中国/挑戦者・同級1位)

▼OFGムエタイルール スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R
名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム)
vs
チョークディー・ペッセーントーン(タイ)

▼OFGムエタイルール -52.00kg契約 3分3R
竜哉・エイワスポーツジム(=奥脇竜哉/エイワスポーツジム)
vs
ゲンウボン・ポー.ラックブン(タイ)

▼ムエタイルール フェザー級(57.15kg) 3分3R
朝陽・エイワスポーツジム(=品川朝陽/エイワスポーツジム)
vs
パランペット・チョー.チャンピオン(タイ)

▼SPACE ONEキックボクシングルール 54.50kg契約 3分3R
松田龍聖(大原道場/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者)
vs
盛一倬(=シェン・イージュオ/中国)

▼SPACE ONE -52.50kg契約  3分3R
シワラット・ウォー リンティダ(タイ)
vs
黒田斗真(フリー)

▼OFGムエタイ -72.50kg契約 3分3R
MIKE JOE(BATTLE FIELD/TEAM J.S.A)
vs
髙木亮(Team Preceding)

▼SPACE ONEキックボクシングルール 61.0kg契約 3分3R
蒋荣龍(=ジャン・ロンロン/中国)
vs
羅向(KICK BOXING GYM ZERO/元NJKF&WMC日本ライト級王者)

▼SPACE ONEキックボクシングルール 66.0kg契約 3分3R
易宇轩(=イー・ユーシュエン/中国)
vs
上西勇弥(TEAM Hi-UP)

▼-58.00kg契約 3分3R
ダウサゴン・バンバンジム(タイ/BANG BANG GYM)
vs
しょーい(湘南格闘クラブ)

▼-58.00kg契約 3分3R
ラット・モリモトジム(MORIMOTO GYM)
vs
吏亜夢(ZERO)

▼-64.0kg契約 3分3R
吉瀧光(KING LEO)
vs
宇宙・フライスカイジム(FLYSKY GYM)

▼-70.00kg契約 3分3R
財津大樹(TEAM BEYOND)
vs
佐藤大稀(湘南格闘クラブ)

SPACE ONEライト級タイトルマッチ 3分3R 城戸康裕 vs ワン・カイフォン

SPACE ONEライト級タイトルマッチ 3分3R 城戸康裕 vs ワン・カイフォン

40代に夢を与える戦いを見せたいと思います!
城戸康裕

――今回、『SPACE ONE』初上陸。昨年11月、中国で開催された『SPACE ONE 4・佛山大会』のメインイベントで、右バックハンドブローでKO負けしているワン・カイフォンとダイレクトリマッチが決まりました。さらに、ご自身が保持しているSPACE ONE初代ライト級王座初防衛戦となります。

城戸:もともと、僕が『SPACE ONE』のリー・ヨウルン代表に「(再戦を)やらしてくれ」と何度も言っていて、「もちろんだ」という感じで答えてくれていたんです。ダイレクトリマッチをやるとなると、向こうとしてはメリットがないじゃないですか。だから僕はベルトを懸けてもいいと伝えていたところ、今回決まりました。『SPACE ONE』の関係者はすごく手厚くしてくれている感があって、今回日本で興行をやられるということで一緒に盛り上げたいと思います。

――カイフォン選手と拳を交えてどのような印象がありますか?

城戸:戦いながら“こいつ強いな”と思いましたね。しかも向こうは若いですし、この半年間でもっと強くなっていると思うんですよ。だから、だいぶ油断できないというか、怖さはありますよね。

――どのあたりで強さを感じたんですか?

城戸:圧力ですね。気合の入り方というか、“やってやるぞ、この野郎!”みたいな感じがすごく伝わってきたんですよ。それプラス、アウェイの状況もあったので、そういった雰囲気にも僕は飲まれましたね。今回、日本での試合なので、また違う展開になると思います。

――2016年11月のサニー・ダルベック戦以来、約8年ぶりのKO負けだったことに関しては、ショックは大きかったですか?

城戸:バックハンドブローをもらったタイミングとかは全然覚えてないので、“うわ~くそーやらかしたなー”みたいな感じのショックはちょっとありましたね。例えるなら、五目並べのゲームで“三”が見えてなかったみたいな。

自分の中でもう絶対に負けないなと思っている中、相手に“三”を取られていることに気づかないで、“三”を止めずに“四”を作られて、“やべえ、負けちゃった!”という感覚とあのときは同じでしたね(笑)。でも、試合中に絶対に勝てない相手とはまったく思わなかったです。

――なぜバックブローをもらったと自己分析していますか?

城戸:相手の右ミドルをスウェーしたあとに前に行ってローキックを打つという練習を大宮司トレーナーとやっていたんですよ。その形的にバックブローをモロにもらうじゃないですか。試合でも実際に向こうの右ミドルをスウェーしたあとに攻撃をすぐ返そうとしたら、そのタイミングでバックブローもらってしまったので、今はもうスウェーしたら、絶対に相手を見ようという意識にして、今回は前回よりは全然準備しているのでバッチリ仕上げてます。

――最近、新しく取り入れているトレーニングはありますか?

城戸:特に新しいことを取り入れていることはないんですけど、今年2月ぐらいに「5月ぐらいに試合があるかも?」とは聞いていたので、そこからガッツリ動き出したことで、早めに疲労がたまっちゃってるんです。まだ3週間ぐらいあるのにも関わらず、追い込みが終わったといえるぐらいまで結構追い込んでいるので疲れましたね。

――追い込み期間が長いだけに試合当日の仕上がりが楽しみですね。

城戸:超楽しみです。とりあえず早く勝ってリベンジしたいと思ってます。ただ僕の試合の1つ前はヘビー級の選手の試合が一番いいんですよ。そうすると僕の動きは速く見える(笑)。今回、名高君が僕の前に試合をやっちゃうと、僕の動きがスローモーションに見えるじゃないかと心配なので、ちょっとやめてほしいなと思うんですよね。さらに名高君はKOで倒して盛り上げてくると思うので、ちょっと嫌です(苦笑)。

――ご自身としてはリベンジマッチに得意意識はありますか?

城戸:2015年に対戦したアルメン・ペトロシアンとの試合もダイレクトリマッチで、あのときも今でも僕は絶対に勝ったと思っているんですけど、負けにされて。あと、アンディ・サワーともリマッチやって、一応形では負けになってますけど、そこでも僕は全然負けてないと思うので、リマッチに関して苦手意識はないですね。

――城戸選手は2003年にプロデビューして、現在42歳ですが、全然衰えは感じないですか?

城戸:特に何も思わないですね。“疲れた~”とはめちゃくちゃ思いますけど、20歳のときも疲れたと言ってたので、特に年齢は関係ないのかなと。

――年齢を重ねてもトップ戦線にい続けられる秘訣はあるんですか?

城戸:僕は小さいケガはちょくちょくあるんですけど、デカいケガをしないので、長く続けていることが秘訣じゃないですか。でも、この前、蛇に噛まれましたけどね。

――城戸選手のSNSで見ました(笑)。

城戸 :あの牙で噛まれた指は何カ所もガッツリ切れたんですよ! アップした写真の何倍もの血が出たんです。噛んできたのは毒蛇かどうかもわからず、超怖えと思ったので抗生剤とかも飲みました。東京で蛇に噛まれる人はいないでしょうし、巳年だけに縁起がいいのかなとか思っています。

――変わらずポジティブですね。『K-1MAX』のトップ戦線で戦っていた20代だったら反射神経が良くて、蛇に噛まれなかったのに!?とは思わなかったですか?

城戸:いや、それはないです(笑)。あの蛇のスピードは避けられないです。そもそも、蛇の背中を撫でたら身体を翻して噛みにくるなんて思わないじゃないですか。マジで動きが見えないぐらいめちゃくちゃ速かったんですから! 全然反応できなかったですもん。

――大事に至らなくて良かったです。次の試合ではどういう勝ち方を狙っていますか?

城戸:セミの名高君は間違いなくKOで倒すので、僕ももちろんKOは狙ってきますね。僕の場合、当たれば倒せる一発は持っているので、どこかのタイミングで狙っています。

――逆にバックブローでKOし返したいとは?

城戸:それはもちろんありますね。“これがバックブローのやり方だぞ!”って。

――今回勝ったらその先は、どういったプランを考えているんですか?

城戸:毎年11月開催されている『Super Bigbang』でタイトルマッチとか大きな試合を組んでもらいたいですね。それまでに海外のリングで呼ばれたら全然やりますし、日本国内の団体からオファーがあれば全然出ます。早くしないと名高君に試合数を越されちゃうので、戦績を伸ばしていきたいですね。変わらずガンガン試合をやっていきます。

――最後に会場に来てくれるファンにメッセージをお願いします。

城戸:僕の試合は2倍速で見てください(笑)。マジで、この階級の中でも僕はスピードはあるぞ、威力もちゃんとあるんだぞってところをちゃんと分かって見てください。ちゃんとリベンジするところも見せます。あと、40代に夢を与える戦いを見せたいと思います!

OFGムエタイルール スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R 吉成名高 vs チョークディー・ペッセーントーン

OFGムエタイルール スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R 吉成名高 vs チョークディー・ペッセーントーン

自分のスタイルを貫けば、KOにつながると思います
吉成名高

――3月の『ONE』では、元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者ラック・エラワン選手に3ラウンドKO勝ちして、強烈なインパクトを残しましたね。

名高:『ONE』初参戦でいいデビュー戦を飾ることができてすごく嬉しかったし、長い期間をかけて練習をしてきたのでホッとした気持ちもありました。

――今回の試合が決まったのはいつぐらいなんですか?

名高:1カ月ちょっと前ぐらいに決まり、『ONE』での試合が終わったあとの1週間は休んでいたんですけど、すぐに練習を再開し気持ちを切り替えられたので、仕上がりはめちゃくちゃいいと思います。

――今回もオープンフィンガーグローブ(以下OFG)での試合になりますが、やはり『ONE』本戦出場アピールの意味もありますか?

名高:そうですね。自分の中ではやっぱり『ONE』のベルトがほしくて、今はそこに照準を向けているところなので、今回もOFGでやらせてもらえるのはすごく自分にとっていい経験になります。もちろん試合なので、油断はまったくしてないですし、ラック選手とやったとき以上の気持ちで練習しているので、試合ではすごくいいものを見せて、いいアピールをしたいと思います。

――昨年12月の『シュートボクシング』での試合がOFG着用初戦となりましたが、そのときと比べても今はOFGに関しては慣れてきましたか?

名高:OFG初戦までの試合期間が、その前の試合から3週間ぐらいしか空いてなかったので、あのときはちょっとバタバタしたところはあったんですけど、今回の試合までの練習期間もずっとOFGで練習してきて、逆にミット打ちをやるときはOFGの方がしっくりくるぐらいになってきたので、だいぶアジャストしてきた感じがしますね。

――ここ最近は通常のグローブを着用した練習はしてないんですか?

名高:グローブの感覚を忘れないようにたまにやりますが、やっぱりOFGの方がいいなみたいな感じになりましたね。やっぱり首相撲もやりやすいですし。

――OFGをはめた練習で新しい発見はありますか?

名高:OFGだと、相手の手首を掴んだりすることもできるので、そこから相手の攻撃を防いだり、自分の攻撃をつなげたりと試しています。前回の『ONE』でも一度試そうとしたら、そのときは上手くできなくて攻撃をもらいかけてしまったシーンがありました。

今はいろいろと自分の中で試行錯誤してるところはありますが、組み際ではやっぱり使えるシーンがあり、相手の手首を掴んで合気道みたいに手首をひねる技も使えるので、そういったところを含めていろいろ試していきたいと思います。

――手首を捻って崩したりと、OFGならではの技のバリエーションも増えそうですね。

名高:そうですね。OFGだと“この技も決まるかな?”とか考えますし、キャッチのときもやっぱり手が使えるぶん、いろいろな幅が広がるかなと思います。前回の試合でも、キャッチする手を左から右手に変えたりと、そういった動きもOFGだとやりやすいのかな、と感じましたね。

――それを試合中にやってしまうと?

名高:考えていたことが試合になったら自然と体が動いてました(笑)。

――次の相手、チョークディー・ペッセーントーン選手に関してはどういう情報がありますか?

名高:田舎のジムでトレーニングしていて、試合になるとバンコクに来てラジャやTrue4uといったリングで試合をしていると聞きました。チョークディーという名前は“前に来る”“ファイトがいい”という意味なので、名前通りどんどん来る選手だと思います。ラジャダムナンのランキングには入っていませんが、僕と今までに戦った選手とやって勝った試合もあれば負けた試合もありました。

ランクでいうとラック選手よりは1枚2枚下の選手なのかなと思うんですけど、実力で言ったら決して弱い選手ではなく、タイでしっかり実績のある選手です。エイワスポーツジムのタイ人コーチやトレーナーがみんな知っていたぐらい有名な選手で、「パンチは強い」と言ってましたが、「名高よりは遅いよ」と言っていて、自分も相手の動画を見てそれは感じたことだったので、自分のスピードを使えば被弾することはないのかなと。ただ、OFGだけに一発をもらったらアウトなので、そこはしっかり集中力を高めて臨みたいと思います。

――名高選手は36連勝中と勢いがある中、相手は対戦を受けるということはかなり自信があるということですよね?

名高:そうですね。OFGならやりたいという話を聞いたので、“俺なら当てられる”と一発を狙ってくるんじゃないかなと。“自分はそんな一筋縄ではいかないよ”というところをラジャダムナン王者として見せたいですね。あっ、もうチャンピオンじゃないんだ! あははは……。

――まさか自分で突っ込むとは思いませんでした(笑)。3月の『ONE』日本大会に出場したことで、チャンピオンはタイトルを返上しなければならないとの決まりがあり、強制的に返上扱いになったそうですね。

名高:でも、今でも気持ちはラジャダムナンのチャンピオンのつもりです! 試合をすれば僕の強さが分かると思うので、誰が相手でも、しっかり体と気持ちを作ってやるだけだと思います。

――今回はどういった技でKOを狙いますか?

名高:相手のスタイルを見てこういった攻撃を狙おうとか考えたりはしてるんですけど、これで倒そうとかということはもう考えず、いつも通りの流れで試合をする。いつも通りのマインドで試合をするというのが、やっぱり自分が調子がいい要因だと思うので、倒しに急ごうとせずに自分のスタイルを貫こうかなと。そうすればKOにもつながるんじゃないかなと思います。

―名高選手が強すぎて対戦選びが難航しています。そういう状況についてはご自身でどう思いますか?

名高:日本に来てアウェーの状況で僕とやりたい選手は少なくなってきたのかなと思いますが、タイのリングや『ONE』の舞台になると僕とやりたい選手はたぶん多そうな気はします。

――では、モチベーション的にも全然問題なさそうですね。

名高:自分はやっぱり練習が好きですし、ムエタイが好きなので、試合が決まっていない期間があっても、練習もすごくやっていますし、新しい発見や練習中に気づくこともたくさんあるので、やっていて楽しいなと思えることも僕のモチベーションになっています。自分のスタイルが完成したと認めてしまったら、その時点でもう成長が終わったと思うので、常にもっと強くなりたい、もっと上手くなりたいという気持ちを持って練習することも楽しさにもつながります。

――今回は中国のキックボクシングイベント『SPACE ONE』と『BOM』の合同イベントになりますが、中国にも強さをアピールしたいですか?

名高:中国の方々も僕の試合を見ることになりますし、中国にはかなり強い選手がたくさんいると思うので、僕の強さを見せて中国の選手が僕と試合をしたいと言ってきてくれたら面白い展開になるなと思います。

――ちなみに、城戸選手が名高選手の試合の後にやると「僕の動きがスローモーションに見えるんじゃないかと心配なので、ちょっとやめてほしい」と言われてました(笑)。

名高:そんなことないですよ! 城戸選手には城戸選手のスタイルがあるし、城戸選手にしか見せられない技術や技のタイミングがあります。スピードの面では軽量級が速いのは当然ですが、僕もしっかり勝って城戸選手につなげたいです。自分がジュニア時代からずっと見てきた偉大な選手の1人なので、そういう選手と一緒の大会で試合ができるというのはすごく光栄です。

今回『ONE』の試合に続いて、またOFGの試合をやらせてもらうことになったんですけど、ラック選手の試合のとき以上のパフォーマンスを見せて、またみなさんに楽しんでいただけるような試合をして、必ず勝ちます!

イベント情報

『SPACE ONE×BOM』

 日時:5月11日(日)15:30試合開始
 場所:アリーナ立川立飛(東京都)

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