NIGHTMARE 結成25周年での様々な初挑戦、アニバーサリーイヤー総括インタビュー「SPICEだから言うけど……」
NIGHTMARE
結成25周年を迎えた今年(2025年)、ツアーファイナルとなる日本武道館公演『NIGHTMARE TOUR 2025 回生 天下大暴走 <最終公演 夜宴>』を11月9日に控え、各地で“大暴走”を繰り広げてきたNIGHTMARE。25年目にして、バンドとして様々な“初めてのこと”にトライし続けてきた彼らが、改めて今回のアニバーサリーイヤーを総括。YOMI(Vo)が初めて作曲に挑戦し、メンバー各々が作詞・作曲を手掛けた全5曲を収録した最新作となるEP盤『√25』について、さらには25周年の締めくくりとして開催する日本武道館公演に向けての意気込みも全員に語ってもらった。
――今回の25周年プロジェクトは、2024年の夏のツアーで25周年のフラッグを立ち上げ、9月には20年前に東京・日比谷野外大音楽堂で行なったワンマンライブ『天下大暴走』をオマージュした『天下再暴走』を開催。さらに、初の海外ワンマン公演として台湾でライブを行ない、2025年に入ってからは欧州都市を巡る初の海外ツアーを実施。そして『NIGHTMARE TOUR 2025 回生 天下大暴走』で全国のライブハウスを回り、その間にブラジルのアニメフェスにも初参加。バンド史上最強に働いているのではないですか?
Ni~ya(Ba):その間にメンバープロデュースのバースデーライブもやってるからね。
咲人(Gt):この忙しさが報われるといいんだけど(苦笑)。
――ここまでのアニバーサリーイヤーの活動を振り返ってみて、いかがですか?
Ni~ya:俺はこの25周年、腹くくったんで。もう釣りも行ってねぇし。
――行ってますよね?
Ni~ya:行ってるけど(笑)、バンド優先だから。バンドファースト! お陰様で忙しくさせてもらってる感じかな。EP盤の曲作りが一番キツかったかな。時期的に。提出日が延びて助かったけど、あの時期はかなりアップアップだった。
RUKA(Dr):大変っすね。家に帰れないのがしんどいです。
――『天下大暴走』のツアーですよね? 途中にRUKAさんだけ帰宅されたりしてましたが。
RUKA:家に帰りたくてどうしようもないときがあった。9月とかたぶん、トータル1週間ぐらいしか家にいなかったですから。(家じゃないと)気が休まんない。
Ni~ya:頑張って(ツアーで外泊連チャンは)10日だなっていうのが分かりました。
RUKA:そうだね。10日で限界。
――海外ツアーは大丈夫だったんですか?
RUKA:海外は、飛行機以外は楽しかったですよ。ヨーロッパもブラジルも。飛行機乗ってるのが辛いだけ。
Ni~ya:いま気づいたんですけど、『天下大暴走』やりだして、9月で半年。すげー早く感じます。
RUKA:たしかに!
Ni~ya:ずっとライブやってるからかもしれないけど。
――YOMIさんは『天下大暴走』のツアーで、ステージから落っこちたりしてましたよね?
YOMI(Vo):そうそうそうそう。4~5回は落ちてる。
咲人:狙って落ちてんのかなと思った(笑)。
YOMI:狙ってない、狙ってない(笑)。気持ちがね、たぶん前のめりになりすぎてズボッて落ちちゃうの。
Ni~ya:この間も、福井だっけ? ライブ終わったあと。
YOMI:あれはステージじゃないけどね。帰りのタクシーを待ってて、乗ろうと思って歩いたら、道が真っ暗で。側溝のブロックが1ヵ所だけないところにシュンッてハマっちゃって、怪我しちゃったの。きゃっぽった(注:宮城弁で靴に水が入るという意味)まま帰ったのが辛かったわ~。
咲人:ゾジー(YOMIの愛称)には悪いけど、俺が先に出てたら俺がはまってた可能性がある。
YOMI:そこは楽器隊じゃなくてよかった。俺は足ケガしても歌えるから。ケガももう治ったし。
咲人:まあ、無事でよかった。
YOMI:そういうアクシデントもありつつ、いままでのNIGHTMAREも周年はいろいろやってきたけど、25周年が一番周年っぽいことができてる感じがする。
柩(Gt):国内ツアーは久々に行く地方とか、バンドとして初めて行く地方もあったんだけど。初めて行ったところは、いい意味で大都市ではなく、ほどよい田舎というか。そういうところが多かったんで、初めてでもなんか落ち着く空気感だった。
咲人:だから、トータルで見ると一番チャレンジしてる年ではあると思う。いろんなハプニングはありつつも、充足感、やりがいはあるかな。25年もやって、ある程度年も重ねてくると、あれもやった、これもやったってチャレンジできることって少なくなってくるんだけど、そのなかでまだやってないことがいっぱいあるんだなと思ったから。次の可能性が見えた年でもあるかな。
YOMI(Vo)
――アニバーサリーイヤーで初挑戦した海外公演は、やってみていかがでしたか?
咲人:待っててくれた人がこれだけいたんだというのが実感できて、それこそ世界が広がった感じがしましたね。
――海外公演の衣装は特攻服でしたね。あれは誰のアイデアなんですか?
咲人:RUKAさんだった気がするけど。
RUKA:憶えてないなぁ。
咲人:あっちで毎回クリーニングも出せないから、軽い衣装を作ろうというので作った気がします。日本っぽさを出してってことで、海外用には(刺繍で)“JAPANESE SCUMS”って入れたりしましたね。
――国内ツアーもその流れで特攻服に?
咲人:なりました。
――あれ、特注品なんですよね?
RUKA:ボディはありものなんですけど、刺繍はオーダーして入れてもらった感じです。
――刺繍している柄とかワードは?
RUKA:全部個人で考えたもの。
――ということは、そこには各々のイズムが込められているということですね。
RUKA:はい。
――ツアー前半戦が白、黒。後半戦は?
Ni~ya:赤が追加になりました。
――ツアーのセットリストはどんな風に作っているんですか?
RUKA:最初はアルバム順でやっていこう、みたいな案があったんですけど、ここのブロックはこのアルバムとこのアルバムから抜粋して、というのになりました。
――ということは、観る時期によって、まったく違うセトリ、パフォーマンスが観られた?
RUKA:そうっすね。勘がいい人は、ここのブロックはこのアルバムとこのアルバムからっていうのは分かったんじゃないかな。
――ブロックごととはいえ、アルバムがベースとなると曲もガラッと変わって、やる側は大変だったのでは?
RUKA:さらに怖いのは、バースデーライブは毎回違いましたからね。その間にはブラジルもあって。
――凄いですね。じゃあ、いまはバンドとして「○○演るよ」と言われたら全部楽勝でプレイできるコンディションなのでは?
咲人:いや。細かいところは……。
Ni~ya:忘れてると思う。
RUKA:マジで記憶力落ちてるから。なにかを憶えたらなにかを忘れないと。
Ni~ya:入ってこない。そういうもんすよ。
――では、忘れないうちにEP盤『√25』について質問していきますね。今作の一番特筆すべき点は、メンバー全員が作詞/作曲した楽曲が1曲ずつ収録されているところ。これは誰のアイデアだったのでしょうか?
咲人:いま思い出したんだけど(笑)、最初は配信かシングルで曲を出していこうという話だったんだけど、あれやこれやで、それぞれが1曲づつ作詞作曲するというのをテーマにEP盤にまとめようってことになった。このタイミングでしかできない、ある種の企画盤みたいな発想かな。
――曲順はどうやって決めたんですか?
Ni~ya:いくつか意見があって、メンバーからアンケートをとって、そのなかからどれがいい?って。パート順が1番分かりやすいから俺はこれがいいんじゃねぇかなって思いました。
咲人:並べてみたら、まとまった感じがしましたね。
――以前咲人さんが、「ウチの最終兵器はまだ曲を書いていないYOMIが曲を作ったときだ」とおっしゃっていましたが、NIGHTMARE、これで終わりってことではないですよね?
YOMI:きゃははははは!(爆笑)
咲人:終わりってことではない(笑)。これで自分の曲をみんなで演奏するという喜びを知ってくれたら、今後も書いてくるだろうし。
YOMI:終わりはひどい!(笑)
――すいません(苦笑)。では各々作った曲について解説をお願いします。1曲目がYOMIさんの「Baku」。
YOMI:周年に出す作品なので、NIGHTMAREというバンドに繋がるようなものがいいかなというのをテーマに作ったんだけど。速い曲がいいというオーダーがあったので、そこは意識しました。
――初の作曲ということで、YOMIさんも相当気合いを入れて作った感じなのでは?
YOMI:いや。全然入ってないです(キッパリ)。どちらかというと、不安? ホントね、SPICEさんだから言いますけど、マジで今回のこの企画、僕乗り気じゃなくて……。
――え? これ書いていいんですか?
YOMI:いいよ(キッパリ)。SPICEさんだから言うんだけど、俺、乗り気じゃなかったの。不安しかなくて。作曲とか初めてだから、もう無理って思った。でも、俺の曲を聴いてみたいっていうファンの人たちとか、咲人の思いにも応えたいなと思って頑張ったのよ。
――そうだったんですね。YOMIさん、偉い! タイトルの意味は?
YOMI:悪夢を食べるバク。
――確認しますけど、これ、“Baka”の間違いではないですよね? そう突っ込んで欲しくて“Baku”なのかなと。これは考えすぎ?
YOMI:もう、その通りです(←冗談です)。
咲人:25周年、初めて曲を作りました。タイトルは「Baka」です、はヤバいでしょう。
YOMI:きゃははははははは!(爆笑)
――いやでも、YOMIさんならありえなくもないので。
咲人:止める止める。説得して止めるよ。
YOMI:はははっ。最初は咲人から漢字がいいんじゃない?って案ももらったんですよ。だけど俺、漢字の“獏”の見た目が好きじゃなくて。自分のなかで書きやすい漢字が好きなんですよ。“獏”はバランスが取り辛いから好きじゃないんです。
RUKA:漢字で書く数字とかが好きなの?
YOMI:あんま好きじゃない。
RUKA:シンプルで書きやすいのに?
YOMI:シンプルな方がバランス取り辛いんだよ。“大”とかさ。
咲人:え? なんで。
YOMI:バランスの取り方が難しいの。
RUKA:じゃあ一番書きやすくて好きな漢字は? マジでお前の好きな漢字が気になるんだけど。
YOMI:わりと画数が多くてバランスが取りやすい漢字。
Ni~ya:草かんむりとか好きでしょう!
YOMI:まあ。でもほら、草かんむりの下に何が付くかによるから。柩の「SMILE」の歌詞にある“綺麗”の“綺”はバランス取りやすい。
RUKA:へぇ~。
咲人:“日”とかバランス取りやすそうだけど。
YOMI:うん、好き好き。
RUKA:じゃあ田んぼの“田”は?
YOMI:別に普通かな。好きでも嫌いでもない。煌びやかな“煌”とかも好き。
RUKA:……分かんねぇわ、全然基準が。
YOMI:なんかあるの。それで「Baku」にしたの。
――メンバーから曲についての感想は聞きましたか?
YOMI:うん。さっきの取材で(笑)。ゾジーっぽいって言ってくれたのはすごい嬉しかった。
RUKA:違う。逆だよ。
Ni~ya:そういう言い方をしてたのは柩だけだよ。
YOMI:そっか。いろんな意見が聞けてよかったです。だははっ(笑)。
RUKA:逆にさ、アップテンポでっていうのがなければ、どんな曲作ってた?
――いい質問ですね。
YOMI:俺的には、メリゴ(MERRY-GO-ROUND)みたいな。
RUKA:やっぱそうなんだ! 俺らはそっちが来ると思ってたの。テンポ遅めで変拍子使ったような曲が来るなと思ってたんだよ。前からメリゴが好きだって言ってたから。なのに、突然激しい曲書いてきたから、分かんないなと思って。
咲人:次、そういうの作ってよ。
YOMI:うん……あ、いや。SPICEだから正直に言うけど、乗り気ではないかな。
一同:(大爆笑)。
YOMI:タイミングとかスケジュールに余裕があるときに。
咲人:2~3年に1曲でもいいよ。
YOMI:オリンピック的な感じでね。
――オリンピックは4年に1回だけどね。
YOMI:あ、そっか。でも、また曲を出せるように頑張ります。
――ライブでやってみての手応えは?
YOMI:最初は変っていうか。
――メンバーが作曲したものとは違いますか?
YOMI:うん。ちょっと変な感じだった。メンバーが作った曲ならそういうのはまったく感じないんだけど。なんでだと思う?
――いや、私に聞かれても(苦笑)。25年もメンバーの曲を歌ってきているからかもしれないですね。
YOMI:そっか。いまは変な感じはなくなって、ようやく馴染んできた。
柩(Gt)
――では次に柩さんの「SMILE」。曲のテーマは?
柩:僕はノリがいい曲を作りたいなと思って、そこから作り始めましたね。メロディーはゾジーが苦手だっていう早口をいっぱい使いたいなと思って。
――なんで?
柩:いや、苦手だって言ってるけど、全然いけるでしょうと思って。実際、レコーディングでもすぐにできたんですよ。別に難しそうでもなかったし。あとは、ライブで楽しめるような曲っていうのもイメージしたかな。
――歌詞のテーマは?
柩:皮肉ばっかです。だからタイトルも「SMILE」にしました。
――みなさんの「SMILE」の感想を教えて下さい。
YOMI:ちょこっと手こずったぐらいで、他はサラッと歌えたかな。いいニュアンスで。
Ni~ya:らしいですね。曲調、メロの感じとかも、柩が好きそうだなって思った。ギターリフものなんで、ギタリストが作った曲だなって感じがしますよね。
RUKA:聴いたというよりも叩いた感想なんだけど、ラストサビまでは順調にいくんですけど、ラストのアウトロから緊張するんですよ。ずっと1, 2, 3, 4, 5, 6でいくんだけど、最後だけそれが1,2,3,4になるんです。俺だけ。それが嫌だなって。
――もうライブでは?
RUKA:沖縄公演からやってます。困るのが、ライブごとに誰かの新曲を1曲入れるから、やってもやってもまったく慣れないこと。だから、毎回緊張するんですよ。普通のツアーだったら新曲は全カ所やるじゃないですか? 今回は異例で、場所ごとに1曲ずつ変わっていくから、まだ全然慣れないですね。
――いま沖縄のお話が出たからその流れでお聞きします。沖縄公演では「ジャイアニズム」シリーズしかやらないライブをやってましたよね?
RUKA:沖縄は2Daysだったから、2日目はそうしました。あれね、セットリスト見ても、マジでいま何やってるのか分かんなくなるんですよ。全部「ジャイアニズム」って文字が並んでて。
Ni~ya:そう!
RUKA:その横にある文字しか変わらないんだから。
Ni~ya:字面で見ると面白いですよ。
YOMI:でも、あれはやってて気持ちよかった~。
――話を戻して。咲人さんは「SMILE」、どうでしたか?
咲人:ギターリフがユニゾンになるところがあるんだけど、人の曲は基本的にここは守らなきゃいけないなっていう部分はそのままやって、それ以外のところは天邪鬼なので、デモとまったく違うことを弾くんですよ。なかでも「SMILE」は、ちょっと弾き過ぎなぐらい弾いたので、楽しかった。さっきRUKAさんが言ってたところは、ギターのユニゾンに加えて、ベースもユニゾンになるので、1人ずれたらぐしゃぐしゃになるんですよ。だから、あそこはみんな緊張感があって気が抜けないです。
咲人(Gt)
――それでは、次に咲人さんの「Jubilee」。
咲人:周年だからこそ、俺なりにですけど、いままで歩いてきた道のりを感じさせる記念碑みたいなイメージで作りました。俺にしてはすごく分かりやすい曲と歌詞かなと思うんですけど。
――たしかに! 《手を取り合うことだけが 全てじゃない 隣にいるだけでいいよ》とかグッときました。
咲人:あれ? ギミックに気づいてない? そこ気づいたら、もっとグッとくると思うよ。
Ni~ya:俺、さっき教えてもらった。
咲人:柩だけが、わりと早い段階で「ここってそういうことなの?」って気づいてた。
柩:そこの部分だけ他と言葉遣いが違うなって、聴いてて違和感を感じて。何度も巻き戻して聴いてたら、気がついて咲人に連絡したらそうだった。他と言い回しが違うの、気づきません?
――……。
咲人:じゃあ宿題ですね(ニヤリ)。
Ni~ya:この曲は、ライブでもうやってるけど、“ダガダガッ、ダガダガッ”っていうところのギターとベースとドラムのキックがユニゾンでやるときのパワー。これが演奏しててすっげぇ気持ちいいの!
RUKA:俺は逆に、そこのユニゾンに俺を入れないでくれ、放っといてくれって感じ(笑)。すげぇ難しいんですよ。あのテンポで入れるの。ちょっと溜めて合わせるんだけど、俺は走っちゃうんですよね。若干。そこが難しい。いまだに全然難しい。
柩:僕はNi~yaと一緒で楽しいんですよ。合わせてるとき、みんなでバンドやってる感じがすごいするから。
YOMI:俺は、歌のレコーディングしたときも全然歌詞のギミックには気がつかなくて。ライブでやったときかな? 柩が、あそこってこういうことだよね?って俺に言ってきて。
柩:俺は知ってると思ってたから。
YOMI:俺はまだそのとき気づいてなかったから、それで“ん?”と思って歌詞を見たらそうなってた。
咲人:別にみんなを試そうと思ってた訳じゃないんだけどね。気づくかなぁと思って。柩が連絡してきてくれたときは“ちゃんと聴いてくれてるな”って思った。
――歌詞のギミック、分かりました! Dメロをよく聴いて、歌詞を見ていたら。凄いですね! しかもこれ、ちょっとだけギターで「Star[K]night」のフレーズがほんのり入ってて。
咲人:うん、正解。
Ni~ya(Ba)
――では次、Ni~yaさんの「BIRTH」です。
Ni~ya:テーマは海です。ただの海じゃなくて、夜明けに太陽が昇ってきた瞬間をイメージして作りました。
――最初からバラードにしようと?
Ni~ya:いや。最初は全然違う曲、ゴリゴリのベースナンバーを作ってたんですけど、全然はかどらなくて。Aメロ、Bメロぐらいから全然進まないし、締め切りも迫っててヤバいヤバいってなって。ちょっと1回曲調を変えてみようと思って、なんとなくギターを弾きながらミディアム系の曲を作っていったら、意外とすんなりできた。それがこの曲。そういうときって神が降りてくるんだなって思いました。歌詞に関しては、生命とはなんぞやという。海からスタートして微生物、プランクトン、それが植物になったり生き物になったり。最終的にいろんな道がある訳じゃないですか。みんな、その道をたどって生きていく。そういうイメージで書きました。スケール感がある曲にしたかったんですよね。あとは、あれだ! どんな曲調でもベースソロは入れるというのはこだわりました。
――みなさんは、どうでしたか?
RUKA:曲調に関しては想像通り。こういうテンポでメロのある感じを書いてくるんだろうなと思ってました。ただ、曲の構成とかは自分とは全然作り方が違うなと思いましたね。構成がややこしかった。叩いてても、次こっちなんだ?って思いました。こういうどっしりした感じの曲、好きだよね?
Ni~ya:うん。歳とったからかな、最近こういう曲ばっか聴いてる。
咲人:(YOMIを見て)深くうないずてる。
Ni~ya:実際、ライブでやっててもミディアムバラードとかのほうが結構感情移入しやすいんすよ!
RUKA:歳だよ。俺もそうだもん。
咲人:俺もそうかも。激しい曲をやってるときよりも、こういう曲の方が身が入る。
Ni~ya:20代のときはこういう感覚はなかったと思う。
RUKA:速けりゃいいって。
Ni~ya:そうそう!
RUKA:昔はね。聴くときもミディアム系は飛ばしちゃったりしてたから。でも、変わっていくんだね。
柩:この曲はNi~yaらしいよね。デモの段階からそうで、出来上がってからも、らいし曲だなと思いました。
YOMI:俺のなかではNi~yaらしさもありつつ、LUNA SEAっぽさもすごい感じてて。だから、自分的にはRYUICHIイズムをちょっと出せたらいいなという感覚で歌いました。
――YOMIさんも歌っていて、20代の頃と比べると、いまはこういう曲調のほうが感情移入しやすいというのはあるんですか?
YOMI:俺もみんなと同じですよ。アップテンポの曲は、聴いてても疲れるし、やってても疲れる。まだ自分でやるほうが大丈夫かな。他のアーティストの曲とか聴くじゃん? アップテンポは疲れるから。歳ですね。ヤバい。
咲人:もう(BPMが)150以上の曲は作らないようにする?
YOMI:その方がいいかも。昔の曲とかやるじゃん? 正直テンポ下げたいもん、速すぎて。
一同:(爆笑)。
YOMI:たぶん、感じ方が変わってきてるんだと思う。それでRUKAさんに「(テンポ)下げない?」って言ったら「ダメ」って言われた。まあ曲によるんでしょうけど。
Ni~ya:やっぱある程度、歳とったらみんながテンポ落とすの、いまなら分かる気がします。
RUKA(Dr)
――それでは、最後はRUKAさんの「Mist」です。
RUKA:曲はいつも通り。なにも考えないで作ったらこうなった。歌詞は、ホントちっちゃいことなんですけど、俺、忘れることがすごく多いなと思って。物忘れが激しいんですよ。インタビューで「今回のツアー、どうですか?」って聞かれて思い出すんですけど、マジでなにも憶えてないんですよ。
――特攻服発案したことも忘れてましたもんね。
RUKA:そうそう。憶えてねぇなっていうのが一番最初のとっかかりで、なんで忘れるんだろうなっていうところから歌詞は書きました。興味がないこともあるけど、でも本当に大事なことも忘れるし。それはなんでなんだろうなって。
――歌詞のなかに《呼ぶ声がそこに 生まれては消え 何もなくなる 繰り返しでも 君を観る》とありますが、それでも繰り返して観る“君”とは?
RUKA:知らないっす。そこは取っかかりなだけで、歌詞は創作なので。
――YOMIさんはどうですか?
YOMI:教えない(即答)。
RUKA:お前さぁ。
咲人:いまの、そう言おうって準備してたよね?
YOMI:うん、そう! うははははっ(爆笑)。
柩:5曲のなかで1番キャッチーだよね、RUKAさんの曲が。すっと入ってくるもん、メロディーが。構成もRUKAさんらしいし。
咲人:この曲も弾いてて割と楽しくできた。個人的には、ROUAGEの曲をオマージュしてるんですよ。キーはちょっと違うんですけど。この曲のギターフレーズを考えてるときに勝手にパッと「insomnia」のフレーズが出てきて。俺が一番最初に耳コピできた曲なんですけど、そのフレーズを許可を貰って入れました。ライブで披露したとき、1人だけそれに気づいたファンがいました。この曲も弾いてて楽しいです。
Ni~ya:メロの作り方、シーケンスの入れ方、コード進行、RUKA節が効いてるな~って曲ですよね。RUKAさんは自分からは出てこないベースラインをデモに入れてくるので、そういうのが弾いてて面白いし、新しい発見にもなる。転調とか、ライブでやると難しい曲なんだけど、俺も楽しくやれてますね。
――そして、この25周年は11月9日の日本武道館公演『NIGHTMARE TOUR 2025 回生 天下大暴走 <最終公演 夜宴>』でフィナーレを迎えますが、武道館はどんなライブになりそうですか?
咲人:締めくくりに相応しいものにしたいなというのはありますね。
Ni~ya:俺ね、1回やってみたいことがある。武道館でできるか分からないけど、サブステージ作って、そこに簡単な機材置いてアコースティックとかでやってみたいな。
RUKA:俺は快適な環境を作りたいですね。涼しいなかで叩きたい。いま、めちゃくちゃ暑いんすよ! 毎回がサウナなんで。サウナに長袖長ズボンで入って運動してるような環境なんで、毎回汗だくです。
Ni~ya:やっぱ8月入ってからが。
RUKA:キツい。暑すぎて。
Ni~ya:最初は「余裕じゃん」って言いまくってたけど。
RUKA:8月からあからさまに変わった。いまはとにかくキツい。9月もキツいし。早く涼しくなってほしい。
柩:そういうライブハウスの熱量を武道館に持って行けたらいいよね。
――ライブハウスツアーでは、ブラジルから来ていた熱狂的なファンもいらっしゃって。海外のファンの皆さんにも武道館を観に来てもらいたいですね。
Ni~ya:そうですね!
YOMI:Spotify O-EASTにも来てたよね。
咲人:ツアーでは、フィンランドから来てて、日本に滞在しながらいろんな会場に来てくれたファンもいたんですよ。
――各地のファン、海外ファンみんな武道館に集合してもらって、25周年を祝う夜宴を楽しみたいですね。
YOMI:そうですね。今回の武道館はいろんな時代の曲がセットリストに入ってくると思うんで、自分たちもそうだし、ファンのみんなにも、あのときああだったなというのを思い出しながら観てもらえるライブにしたいな。
咲人:セットリストはまだ悩んでる最中です。すべての歴史を詰め込もうとするとどうしても薄まっちゃうから、そこをどううまく伝えられるものにできるのかを考えてるところ。
――武道館も『天下大暴走』のキービジュアルに従って、ステージにチャリに乗って登場するのではと予想しているのですが。
RUKA:チャリではこないでしょう(笑)。
咲人:でも、族車っぽい改造チャリで登場とかだったら面白いかも。
――武道館ではなにか今後の発表はあったりするのでしょうか。
YOMI:できたらいいなとは思ってます。そこは楽しみにしてて下さい。
取材・文=東條祥恵
リリース情報
限定盤
通常盤
※M-CARDの絵柄は通常盤:全5種のうち、ランダムで1枚封入
<CD収録曲>(限定盤、通常盤 同内容)
1.Baku
2.SMILE
3.Jubilee
4.BIRTH
5.Mist
2025年4月16日発売
通常盤 (Blu-ray)CRXP-10015 ¥7,700 (税抜価格¥7,000)
ライブ情報
VVIP席¥50,000(ミーグリ付/VVIP特典グッズ付)
アリーナVIP席¥30,000(VIP特典グッズ付)
スタンドVIP席¥30,000(VIP特典グッズ付)
指定席¥8,500
指定席 学割
※消費税込み