『魔神英雄伝ワタル 超!感謝祭』開催が決定&作曲家に聞くワタルの音楽制作裏話、コンプリート・サウンドトラックブックレットから一部が公開
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2026年2月1日(日)LINE CUBE SHIBUYAにて、『魔神英雄伝ワタル 超!感謝祭』が開催されることが決定。2025年10月24日(金)よりHP先行(イープラス)の受付開始がスタートする。
そして、2025年にシリーズ最新作『魔神創造伝ワタル』が放送されたことでも話題の『ワタル』シリーズ。10月29日(水)には「『魔神英雄伝ワタル』『魔神英雄伝ワタル2』コンプリート・サウンドトラック」の発売が予定されている。発売を前に、封入ブックレットに収録される“ワタル”作曲家3名へのインタビューの中から、神林早人&吉田俊之の対談の一部が公開となった。(以下、CD封入ブックレットより抜粋、転載)
神林 早人&吉田 俊之 インタビュー
今回、神林早人氏のインタビューに際し、スペシャルゲストとして、ワタルシリーズでレコーディングエンジニアを務められました吉田俊之氏にオンラインでご参加いただきました。
また、『魔神英雄伝ワタル(以下『ワタル』)』『魔神英雄伝ワタル2(以下『ワタル2』)』の劇伴には未参加ですが、90年代当時の様子をよくご存じである、元ビクター音楽産業のディレクターであり早人氏の奥様である神林名里氏にも特別にご参加いただきました。(以下、神林早人氏:早 吉田氏:吉 神林名里氏:名 生地:生、にて表記。)
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(前略)
■当時の録音事情
神林早人氏
早:今回せっかく吉田くんとの話なので、当時のレコーディングのことなどの話をしましょうか。
(中略)
吉:神林さんが自宅で演奏データを作ってスタジオで生の弦やプラスなどを重ねて録る訳ですが、どうしたんでしたつけ?
早:シンセやら何やら"音源”を全部持って行って、その場で直出し。
ちなみに、”音源”っていうのは、シンセサイザーとサンプラーという別マシンを総じてこう呼んでいたんです。現在は一体型も多々あります。
音色や響きなどに個性のあるシンセを複数台、それに加えてサンプラーと、それぞれから同時に音を出してMIXして音を作ってた。さらにこの何十台をコントロールするためのコンビューターや、コンビューターとスタジオのレコーダーを連動させるシンクロナイザーと合計すると30台とかに。
吉:懐かしい!そうだ、何台ものシンセなどの”音源”を同期運転させての運用でしたっけね。シンセやら何やら”音源”の愛用機器を車に満載し、レコーディング開始1時間前とかにスタジオに行き、アシスタントと一緒に懸命に結線してましたね。各々の楽器からレコーディングまで何十本も直接結線し、それぞれ違う出音の役割を確認しつつ、短時間で音楽的に心地良いバランスを取れるかがレコーディングエンジニアの技だったり・・・(笑)。スタジオでこれを録音し、さらにこれらシンセ音源に生楽器を重ねる作業を行った訳です。
早:確かに、全画的にコンビューターを使ってのハードディスクレコーディングが始まるのはだいぶ後だもんね。
吉:ですよね。スタジオでの作業が終わり、神林宅に機材セットを戻すセッティングだけで一晩かかると言っていましたね。結構スゴイとやってたんですよ。
(中略)
吉:今日、既発のCD『魔進英雄伝ワタル2 音楽篇Ⅰ』を聞いていたのですが、『悪の魔神(E-1 ED)』えらいカッコいいですよね、このアプローチ。他の曲も色々聞かせていただいて、あ、俺って結構かっこいい音作ってたんだ当時から、と自己満足(笑)。でも相当久しぶりに聞いたんだけど、えらい新鮮で、スネアのリバープとかスネアの捉え方とか、そういうのを一曲一曲変えてたじゃない。劇伴だからといって全部が一緒とかじゃなくて。
早:こっちが出すドラムの音も毎回毎回、何十個の音の中から選んでた。それも録る時に決めてたの。家でデモテープの時はね、基本的にもう時間がないから、一旦は適当に選んでたんだけど、吉田くんとかとスタジオでシンセを録る時は、何十個のベースドラムやスネアなどから選んで鳴らしてみて。
名:その場で音作りしてたね。
早:それを「もうちょっとこれ硬くしてくれる?」とか吉田くんに相談したりしてた。
吉:あったあった。やったやった。
(中略)
生:早人さんと吉田さんが仕事されるなかで、吉田さんから見ての神林さんの拘りどころなどどう見えていましたでしょうか?
吉:一言で言ってすごい拘りの人ですよ。今までのお話の通りで。
部分の音に拘りつつも、結局は最終的に仕上がった時にどういうサウンドがその中から出てくるかっていうことを、ちゃんと神林さんの頭の中で設計図を組みながら、最終形を読みながら音を選んで出しているんだなっていうのがすごく分かるという。コミュニケーションと連携プレイがある意味うまくいっていたのかなって、自分で言うのもなんですけど、そんな気はしたりしています。
(中略)
■各曲について ※記載Mナンバーは特記以外『ワタル2』のMナンバー
吉田俊之氏
生:まず最初に神林さんへ『ワタル2』へのご参加についてお話伺います。
神林さんの曲を全般的に聞かせていただいて、例えば『C-4(光のイメージ)』や『E-1』に顕著なのですが音楽だけでなく”空間”を感じるのですが、そこら辺は何故なのでしょうか?
早:自分にとっては比較的大きめの仕事っていう意味では2つ目くらいなんですよ。大きい小さいもないんだけど、他の作品の後に続いてビクターさんからこの作品の仕事が来たっていうことで、仕事がうまくいってるみたいだなっていう感じがしたんです。なので、ぐいっと広げて俺のやれることをもうちょっと見てもらおうかなっていう意識はあったんですよ。だから、実はこの『ワタル2』のBGMっていうのは、俺にとってはかなり気合が入ってるし、マジに真正面でぶつかっていった曲が多いんですよね。
あと、音響監督の藤野(貞義)さんが書かれた発注音楽メニュー表が『ワタル2』では説明文も行数が多く書かれていて、細かい注文が多かったというのもあるかもしれない。他の仕事では大雑把なことが多いのだけど。
それも相まって、じゃあ本当にその通りに作ってやろうじゃないかみたいな感じで本気になって、割と凝って作ったから、結果、その空間の広さっていうものを感じさせるのかもしれない。
あともう一つは、元々子供の頃からクラシックのオーケストラが好きなのだけど、リズム的にはジャズやフュージョン系が基本なんですよ、俺の音楽っていうのは。だからジャズやフュージョン系のベーシックの上にクラシック風のものが乗っかってるっていうのが得意なんですよね。それも空間を感じさせてる要因なのかもしれないですね。
(中略)
生:最後に、改めて35年越しにコンプリート・サウンドトラック化することと、多くのワタルファンに向けて一言メッセージをお願いいたします。
早:気合を入れて作った『魔神英雄伝ワタル2』の音楽が、こうして35年越しに全曲を聞いて貰えるのはとっても嬉しいです。
CD化に向けて尽力してくれたスタッフと長年愛し続けてくださったファンの皆様に心からの感謝を。ありがとうございます。
是非楽しんでください!
特別参加:神林名里
聞き手:生地 俊祐(バンダイナムコミュージックライブ)
2025年7月12日 神林氏宅
インタビューの全貌は、CD、ブックレットにて確認してほしい。
関連情報
⚫︎発売日:2025年 10月 29日(水)
⚫︎品番:SRML-1127〜32
⚫︎価格:¥9,800(税抜き)
DISC1-2
『魔神英雄伝ワタル』オリジナル・サウンドトラック(DISC1,DISC2:Tr.1-31)
『魔神英雄伝ワタル』サウンドトラック・ヴァリエーション(DISC2:Tr.32-68)
『魔神英雄伝ワタル2』オリジナル・サウンドトラック(DISC3,DISC4:Tr.1-7)
『魔神英雄伝ワタル2』サウンドトラック・ヴァリエーション(DISC4:Tr.8-46)
『魔神英雄伝ワタル2』エディットVer. ①(DISC4:Tr.47-53)
『魔神英雄伝ワタル』エディットVer. (DISC5:Tr.1-11)
『魔神英雄伝ワタル2』エディットVer. ②(DISC5:Tr.12-19)
魔神英雄伝ワタル&ワタル2~おもしろカッコいいコンサート~
演奏:仙台フィルハーモニー管弦楽団/指揮:神成大輝/歌唱:a・chi- a・chi
オーケストラ編曲:佐野秀典、鈴木雄大、穴沢弘慶、山本 純
魔神英雄伝ワタル&ワタル2~おもしろカッコいいコンサート~【前半】(DISC5:Tr.20-25)
DISC 6
魔神英雄伝ワタル&ワタル2~おもしろカッコいいコンサート~【後半】(DISC6:Tr.1-11)
<Bonus Track①>
Tr.12 Step by Step (TVサイズ)
Tr.13 君に止まらない〜MY GIRL, MY LOVE~ (TVサイズ)
Tr.14 Step (TVサイズ前期SEあり)
Tr.15 Step (TVサイズ後期SEあり)
Tr.16 a・chi-a・chiアドベンチャー (TVサイズ)
Tr.17 Step by Step (TVサイズSEあり)
Tr.18 君に止まらない〜MY GIRL, MY LOVE~ (TVサイズ)
Tr.19 Fight! (TVサイズSEあり)
Tr.20 虹の彼方に (TVサイズ)
※映像の音声トラックから収録。オープニングについてはSE(効果音)入り。
・三方背スリーブケース
・METAL ROBOT魂<SIDE MASHIN> 龍王丸
とディスプレイ連動したコラボCDパッケージ仕様
・封入40Pブックレット。作曲家、兼崎順一・門倉聡・神林早人、インタビュー、解説。
・別冊トラックリスト・歌詞集
⚫︎レーベルサイト
https://www.sunrise-music.co.jp/list/detail.php?id=1439
【声の出演】林原 めぐみ
【出演アーティスト】a・chi-a・chi、高橋 由美子
【MC】天津飯大郎
昼の部 開場 13:30/開演 14:30
夜の部 開場 17:30/開演 18:30
【場所】:LINE CUBE SHIBUYA(東京)
https://eplus.jp/wataru_cho-kansha-sai/
【制作】バンダイナムコミュージックライブ
【お問合せ】インフォメーションデスク https://information-desk.info/
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