《連載》もっと文楽!~文楽技芸員インタビュー~ Vol. 13 吉田玉佳(文楽人形遣い)
2025.11.13
インタビュー
舞台
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「技芸員への3つの質問」
【その1】入門したての頃の忘れられないエピソード
入門して1年ほど経った頃、師匠から「ご飯でも食べに行こうか」と誘われ、「続けられそうか?」と聞かれたんです。若いから違う道に行きたくなるのではないかと心配されたようなのですが、僕はやめろと言われるのではないかとドキドキしていたのでつい勢いよく「文楽をやります」と宣言してしまいました。師匠と二人になること自体には慣れていて、入門したての頃には、師匠のホテルの部屋に衝立を置いて寝たこともあります。許してほしいと思っていましたが(笑)。今はありませんが、ホテルは兄弟子と一緒の部屋ということも多く、いびきもかけませんでした。今となっては良い思い出ですね。
【その2】初代国立劇場の思い出と、二代目の劇場に期待・妄想すること
僕は昭和40年生まれ、国立劇場は41年生まれで、同期生みたいな感覚ですね。国立劇場の小劇場の舞台は、足で踏むトントンという音の響きが良く、最高の効果音でした。踏み心地も良かったと思います。
国立劇場で観劇されることを楽しみにしておられたお客様も沢山いらっしゃいます。一日も早い再建を望みます。
【その3】オフの過ごし方
我が家ではヨークシャテリアの男の子と女の子と暮らしています。その子たちとのんびり過ごすのが一番の癒しです。東京公演の中休みには競馬場に行くのも楽しみです。
取材・文=高橋彩子(舞台芸術ライター)
公演情報
『令和7年12月文楽鑑賞教室 / 大人のための文楽入門』
日程 2025年12月4日(木)~2025年12月18日(木)
会場 東京芸術劇場プレイハウス
※8日(月)は休演
会場 東京芸術劇場プレイハウス
※8日(月)は休演
演目・主な出演者
万才(まんざい)
解説 文楽の魅力
国性爺合戦(こくせんやかっせん)
楼門の段・甘輝館の段・紅流しより獅子が城の段
楼門の段・甘輝館の段・紅流しより獅子が城の段
主催=独立行政法人日本芸術文化振興会