Bialystocks、iri、goetheが魅せた芸術性、生の音楽体験の価値の高さーー10回目で神戸初開催『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』レポート

レポート
音楽
2026.4.10

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2026年3月19日(木)、神戸国際会館こくさいホールにて『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』(以下、サウコネ)が行われ、Bialystocks、iri、OPENING ACTのgoetheが出演した。本公演はMBSテレビが関西のイベンターやエンタテインメント業界とタッグを組んで2022年より企画するもので、今回で記念すべき10回目となる。「NO LIMIT」をテーマに、初めて大阪を飛び出し、神戸で実現した素晴らしき3組のライブ。SPICEでは、事前にBialystocksの甫木元空(Vo)とiriに単独インタビューを実施するなど、共にイベントを盛り上げてきたが、本記事ではついに訪れた極上空間の模様をレポートしよう。目の前で繰り広げられた予想できない表現の数々は、まさに「NO LIMIT」だった。

『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』2026.3.19(THU)@神戸国際会館こくさいホール

この日はソールドアウト、立ち見席まで出るほどの大盛況。続々と入場する老若男女の客層を見ると、出演するBialystocks、iri、goetheの音楽がいかに幅広い人々に支持されているか一目瞭然だった。ロビーではオリジナルグッズ付きのタオル交換や、アーティストグッズ・CDの販売が行われて賑わっていた。『サウコネ』とアパレルブランド「PLAYDESIGN」とのコラボグッズは毎回オシャレで、日常使いにもピッタリ。筆者も思わずロングスリーブTシャツを購入してしまった。

goethe

開場中のOPENING ACTでは、札幌で結成された、樋口太一(Vo.Gt)、永江碧斗(Key)、加藤拓人(Ba)、相蘇勇作(Dr)からなるバンド・goetheがホールライブデビュー。会場全体を包み込む伸びやかな歌声と、グルーヴィかつチルなバンドアンサンブルで「熱りが冷めやらぬうちに」「Warumono」「煙管」「Dear」の4曲を丁寧に響かせ、観客の目と耳を釘付けにしていた。彼らを初めて観た人が多かったと思うが、心に入り込むグッドメロディーと上質なサウンドメイクを浴びて、客席からは「良い音楽に出会ってしまった!」という驚きと喜びの空気が漂っていた。もちろん演奏後には鳴り止まぬ拍手がホールを満たしたのだった。

iri

先に登場したのは、今年10月にデビュー10周年を迎えるiri。暗転してSEが流れ、村田シゲ(Ba)、カンノケンタロウ(Gt)、村岡夏彦(Key)、上原俊亮(Dr)という盤石のバンドメンバーがスタンバイ。一気に音が放たれると、観客は続々と立ち上がり始める。1曲目は「Sparkle」。iriはハンドマイクで低めのボーカルをゆらゆらと心地良く飛ばしていく。ホールならではの反響が音楽体験を至高へと導いて、オーディエンスはのっけから思い思いに身体を揺らす。続けて疾走感あふれるギターリフがサウンドを引っ張るアッパーチューン「STARLIGHT」、メロウなミディアムナンバー「Go back」と幅の広い楽曲で魅了した。

MCではiriが「こんばんは。皆さんお仕事お疲れ様です」とはにかみながら挨拶。「今日はBialystocksさんとのツーマンなんだけど、goetheさんもとてもカッコ良かったですね。声良すぎですね」と絶賛。「久しぶりの神戸で嬉しいです。まったりやっていきたいと思いますので、楽しんでいってください」と述べて、鍵盤と同期のコーラスがアクセントになった「DRAMA」を柔らかく紡いでいった。アルペジオギターが旅情を思わせる「Butterfly」は出会いと別れがテーマの春にピッタリの曲。時に両手を広げて鳥のように軽やかに歌うiriの姿が印象的だった。

デビュー前から歌い続けている「ナイトグルーヴ」「会いたいわ」と代表曲を続けて披露した後は、小袋成彬作詞作曲の「Faster than me」を重厚かつ繊細に歌い上げた。波のようにうねる歌声、余白と重みの音のバランスが秀逸で、とびきりの余韻を残したのだった。

後半戦は一層グルーヴを増して、会場を巻き込み虜にさせる。心も身体も躍動する「Season」「Wonderland」に続き、音数の多さと動き回るベースライン、そこに乗るiriのライミングと歌声が超絶グルーヴィな「摩天楼」を投下。曲が終わると客席から堰を切ったように歓声が上がり、そのまま強力なクラップが発生! ラストナンバーは25歳のiriが葛藤と自分らしさを明るく歌った「24-25」。3月15日に誕生日を迎えた彼女にとって、この日は32歳初のライブ。事前インタビューで甫木元がiriの印象を「歌を歌う人間として説得力がある」と述べていたが、「24-25」を書いて7年の時が経ち、新しい歳になったばかりの彼女が、この日の最後にこの曲を歌う説得力と意味深さたるや。ここまで誠実に音楽を紡いできたiriの軌跡が表れた、素晴らしいライブだった。

Bialystocks

トリはBialystocks。大拍手に迎えられてステージインした甫木元空(Vo)、菊池剛(Key)。バンドメンバーは、昨年11月から今年1月にかけて東名阪で行われた『2+5ツアー』においても活躍し、2人と濃厚な時間を共有した朝田拓馬(Gt)、越智俊介(Ba)、小山田和正(Dr)、オオノリュータロー(Bvs)だ。

最近は褒め言葉として「とんでもないライブをしている」との呼び声も高いBialystocksだが、1曲目の「Branches」からその理由を実感することとなった。菊池のピアノと甫木元の歌声のみでゆったりと奏でられる音に心地良く耳を傾けていると、<朝まで 奏で>で一斉に楽器隊がジョイン! 甫木元の歌声も力を増して爆発的に放たれたサウンドはすさまじいインパクト。一瞬の表現に思わず驚いて息を呑んだ。特筆すべきは照明演出との相乗効果だ。冒頭、ピアノとボーカルのみのパートでは、暗転の中で白いライトがゆっくりと舐めるように天井や壁を這った。音が解き放たれると、ステージも一気に明るく。アウトロで音数が減ると、照明は小さな白い円となり大きな柱となり、客席の方を照らし出す。傍観者でなく当事者であることを示唆するような演出で完全に心を掴まれ、この後は集中力高くライブに没入した。こんなライブは観たことがない。まさに総合芸術だ。

そしてシームレスに「花束」へ。観客は興奮しながら立ち上がる。さらに「コーラ・バナナ・ミュージック」「言伝」と日本人のDNAをくすぐるグッドメロディーで溶けていった。

骨太ベースとタイトなビートでイントロから飲み込んだ「灯台」では、色彩とモノクロ、静と動、対比するものが同居する様に圧倒される。最後の甫木元の高音ロングトーンは、まるでオペラ歌手を前にしているような迫力。やはり、昨年8月から11月にかけて甫木元と菊池の2人で全国19カ所32公演を回った『二人編成ツアー』と『2+5ツアー』で練り上げられたボーカル力、チームの絆が結実した形が今なのだろう。否、これからまだまだ先に進んでいく予感がして、彼らの到達点が楽しみでもあり、どこか末恐ろしくもある。

物悲しさが美しい「Over Now」、長尺のセッションがパワフルな「憧れの人生」に続け、菊池のループフレーズと甫木元の歌声のユニゾンが圧巻の「I Don't Have a Pen」、代表曲で名曲の「Upon You」をノンストップで披露。

甫木元は晴れやかな表情で「『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』、今日はありがとうございました。素晴らしい2組とライブができて幸せでした」と述べて「Nevermore」を全力で響かせた。会場がひとつになり、最高のフィナーレを迎えたのだった。

すぐさま起こったアンコールに応えて再びステージに現れた6人は、ラストに「差し色」をプレイ。甫木元は「ありがとうございました! Bialystocksでした! 明日も良い1日をお迎えください!」と高らかに放ち、最高のアンサンブルと多幸感の中でライブを終えた。1曲1曲が濃厚な完成度の高いライブで、堂々と現在地を提示したBialystocksだった。

こうして『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』は大団円で幕を閉じた。生で音楽を浴びることの尊さと、価値の高さを教えてくれた時間だった。

次回は『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY- 』と題して、2026年7月3日(金)大阪城音楽堂にて、Chilli Beans.とハルカミライの初対バンが決定している。『サウコネ』でのいつまでも忘れたくない特別な体験を胸に、次なる開催を心待ちにしていたい。オリジナルグッズのオンライン販売も開始しているので要チェックだ。

取材・文=久保田瑛理 写真=『SOUND CONNECTION』提供(撮影:渡邉一生)

関連情報

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 販売開始:4月10日(金)18:00〜
https://market.mbs.jp/collections/sound-connection-no-limit

セットリスト

『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』
2026.3.19(THU)@神戸国際会館こくさいホール


【セットリスト】
goethe

1.熱りが冷めやらぬうちに
2.煙管
3.Warumono
4.Dear
 
 
iri
1.Sparkle
2.STARLIGHT
3.Go back
4.DRAMA
5.Butterfly
6.ナイトグルーヴ
7.会いたいわ
8.Faster than me
9.Season
10.Wonderland
11.摩天楼
12.24-25
 
Bialystocks
1.Branches
2.花束
3.コーラ・バナナ・ミュージック
4.言伝
5.灯台
6.日々の手触り
7.Over Now
8.憧れの人生
9.I Don't Have a Pen
10.Upon You
11.Nevermore
EN.差し色

イベント情報

『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY- 』
日時:2026年7月3日(金) 開場 17:45/開演 18:30
会場:大阪城音楽堂
出演:Chilli Beans./ハルカミライ
主催:SOUND CONNECTION実行委員会
企画・制作:MBSテレビ/GREENS/イープラス
 
●イベントオリジナルタオル付8,500円 ※限定受付
●前方指定席6,500円
●タオル付ジュニア7,000円(高校生以下)※限定受付
●ジュニア5,000円(高校生以下)             
 
注意事項など詳細はイベントオフィシャルHPをご確認ください。
 
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