「御名残でなく、おやすみ」大阪・道頓堀で片岡仁左衛門ら歌舞伎俳優21人が「大阪松竹座」閉館前にお練り
人力車で道頓堀を練り歩く歌舞伎俳優の片岡仁左衛門
「大阪松竹座」が5月で閉館するのを前に、人間国宝の片岡仁左衛門ら歌舞伎俳優が3月29日(日)、大阪・道頓堀で「お練り」を行った。
春の陽気に包まれたこの日、沿道には約5,000人のファンが詰めかけた。人力車に乗った俳優たちがゆっくりと進むと、「松嶋屋!」といった威勢のいい掛け声が飛び交い、一帯は華やかな雰囲気に包まれた。
ファンに手を振る中村獅童
約400年の歴史を持つ芝居町・道頓堀は、江戸時代には「道頓堀五座」と呼ばれる芝居小屋が軒を連ね、上方演劇の中心地として栄えた。1923年開館の大阪松竹座は、97年に映画館から演劇専用劇場へと改装された。99年には、「道頓堀五座」の最後の一つとされる中座が閉館し、それ以降、大阪松竹座が芝居町の面影を伝える「最後の大劇場」としての役割を担ってきた。
笑顔でファンに手を振る中村隼人(右)と大谷廣太郎(左)
お練りには、仁左衛門を先頭に中村歌六、中村鴈治郎、松本幸四郎、中村獅童ら21人が参加。おはやしの音色に合わせ、のぼりを掲げた人力車が約700メートルを進行し、沿道のファンらに笑顔で手を振った。
笑顔で手を振る中村壱太郎(右)と中村亀鶴(左)
大阪松竹座では、「さよなら公演」と銘を打ち、4月3日(金)からの4月26日(日)まで『御名残四月大歌舞伎』、5月2日(土)から5月26日(火)まで『御名残五月大歌舞伎』を2か月連続で上演する。
大阪松竹座への思いを語る片岡仁左衛門
お練り後の劇場前式典で仁左衛門は「閉館はするが、“御名残”ではなく、“おやすみ”公演。必ず道頓堀に(芝居)小屋が建つと思います」と強調。鴈治郎も「これだけ歌舞伎ファンが集まる大阪は捨てたものではない」と語った。
劇場前式典であいさつをする中村鴈治郎
劇場前式典であいさつをする松本幸四郎
式典には松竹の迫本淳一会長も出席し、「伝統をいったん閉じるが、先人の築いた伝統を継承していきたい」と述べた。
劇場前式典を「大阪締め」で締める片岡仁左衛門
式典の最後には、仁左衛門が「世界平和、みなさまのご多幸、道頓堀にまた劇場が建つことを祈念して」と音頭を取り、大阪締めで締めくくった。
取材・文・写真=Nagao.M
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片岡仁左衛門 撮影=福家信哉
公演情報
日程:2026年4月3日(金)~26日(日) ※10日(金)・20日(月)は休演
会場:大阪松竹座
昼の部 午前11時~、夜の部 午後4時15分~
日程:2026年4月19日(日)昼の部
会場:大阪松竹座
価格:26,000円
※一等席券に、折詰弁当(なだ万厨房)とお茶が付いてます。
公演情報
日程:2026年5月2日(土)~26日(火) ※11日(月)・19日(火)は休演
会場:大阪松竹座
昼の部 午前11時~、夜の部 午後4時30分~