⻄川美和監督のオリジナル最新作 映画『わたしの知らない⼦どもたち』10月公開決定 音楽を『国宝』の原摩利彦が担当
⼩⼋重葵美(茅野琴⼦役)
この映画の主演が決まったと聞いたときは、とても驚きました。すぐには信じられなくて「夢なんじゃないか」と思いました。でも、時間がたつにつれ、「⾃分に主演が務まるのかな」と不安になることもありました。作品の中⼼として、たくさんの⼈に影響を与える⽴場だと実感したからです。だからこそ、⼀つ⼀つのお芝居にしっかり向き合い、より良い作品にしたいと思いました。この作品に関われることに感謝しながら、精⼀杯頑張ろうと強く思いました!⻄川美和監督と⼀緒に映画制作に取り組む中で、楽しい気持ちや新しいことに挑戦できる嬉しさをたくさん感じました。スタッフさんや共演者さん、家族にたくさん⽀えてもらい、相談に乗ってもらえたおかげで⼼が軽くなって、お芝居や⼈と接
することがどんどん楽しくなりました。
この作品は戦争や戦後がテーマで、関わる中で当時の⼈々の苦しみや悲しみについて深く考えるようになりました。
資料館や原爆ドームを⾒学した時、平和が当たり前ではないということを実感しました。今も世界のどこかで戦争が起きていて、戦争を軽い気持ちで⾒てはいけないと思いました。私は、戦争を経験していないからこそ、「もし家族がこうなったらどう思うんだろう」と⾊々なことを深く考えて、琴⼦という役を⼤切に演じました。
この経験を通して、これからも歴史を学び続け、⾃分にできることを考えていきたいです。
⼆階堂ふみ(曽根⽂美⼦役)
⻄川監督とは、脚本執筆中にお話を伺ったことが最初の出会いで、完成した脚本を読んだとき、戦後という価値観が⼀変した時代を“⼦どもの視点”から描く、その新しい語り⼝に強く⼼を動かされました。⼦どもたちが戦後にあったさまざまな過酷な現実を頭で理解するのではなく、そのまま受け⽌めながら⽣きていく姿が描かれていて、胸が締めつけられる思いがしました。撮影現場では⻄川監督と丁寧に対話を重ねながら、登場⼈物が抱える⽭盾や葛藤、そして“被害者でもあり加害者でもある”という⼈間の複雑さに向き合い続けました。
琴⼦を演じた⼩⼋重さんは、初めて会ったときからまっすぐな眼差しが印象的で、その純粋さに何度もハッとさせられました。撮影を重ねるごとに表情や佇まいが変化していく姿から、役と真摯に向き合い、その時代を⽣きていることが強く伝わってきて、⼼を⼤きく揺さぶられました。
本作は、戦争を過去の出来事としてではなく、いま私たちが向き合うべき問題として感じさせてくれる作品です。⼦どもにも⼤⼈にも、それぞれの⽴場でこの物語を受け⽌めていただけたら嬉しいです。
⽵野内豊(琴⼦の⽗:茅野孝⼀役)
⻄川監督の演出はとても細やかで、時間をかけて丁寧に作品づくりに向き合われている印象を受けました。もっと⻑く撮影していたいと思うほど素晴らしい現場でしたので、わずかな撮影時間でしたが、⼼地よい空気に⽀えられながらシーンに向き合うことができました。脚本は読み進めるほどに胸が締めつけられるような思いになりました。幼い⼦どもたちが、限られた選択肢の中で必死に⽣き抜こうとする姿に、⾔いようのない切なさが押し寄せ、また⼤⼈たちも⾃分のことで精⼀杯の⼈もいれば、救いの⼿を差し伸べる⼈もいて、誰もが明⽇⽣きていられるかわからない⽇々の中、どの道を選ぶことが正解なのかは、どんなに考えても答えがみつかりません。
⻄川監督が⻑い時間をかけて紡いだ物語は、限りなくノンフィクションに近い映像として、多くの⼈々の⼼に深く刺さる映画になるのではないかと思います。琴⼦を演じた⼩⼋重さんは、難しい役に真摯に向き合いながらも少しずつ変化していく姿がとても印象的で、これからの成⻑を楽しみに感じております。
本作は、戦時下の側⾯において当時の⺠間⼈がどのような思いで懸命に⽣きていたのか、教科書では知ることのできない現実をリアルに伝えてくれるものだと思います。これからは今まで以上に⼀⼈⼀⼈の意識や⼒が未来へと影響する時代が来ると思いますので、⼀⼈でも多くの⼈々にご覧いただけたら幸いです。
櫻井海⾳(琴⼦の兄:茅野律朗役)
台本を読ませていただいた際に、今この時代だからこそ意義のある作品だと強く感じました。そんな作品に参加させていただいたこと、強く幸せを感じています。争いの絶えない世の中で⾃分⾃⾝が出来ることは何なのか、きっと答えは無いし、半径数メートルの世界でしか⾃分はまだ⽣きられていないです。ただこの作品を通して、少しでもそういった
社会を考えたり、気にしたり、⽇常に溢れるニュースが⼈ごとではないと感じるようになりました。そんなことが観てくださった⽅々にも伝わればいいなと思っています。今回初めて⻄川美和監督とご⼀緒させていただきましたが、⻄川監督の持つ作品への愛情と熱量を常に感じていました。バイオリンの練習に来てくださり、現場でも丁寧にシーンを説明していただき、役者として⾮常に⼤きな経験になりました。是⾮多くの⽅に観ていただきたいです。
⾳楽・原摩利彦
『わたしの知らない⼦どもたち』の⾳楽を書き始めて、2年以上が経ちます。これほど⻑くひとつの映画⾳楽を書き続けたことはありません。⻄川美和監督より映画の構想を伺ってすぐに、あるモチーフを思いつきました。まだ脚本も届いていない頃に書いたそのモチーフが、この映画のメインテーマになりました。監督の強い思いに⼼を動かされたのだと思います。その後、主⼈公・琴⼦の⼼の奥底にあるものはどういうものだろうかと考えながら、作曲を進めていきましたが、⾮常に難しく、険しく⻑い道のりでした。最終的には、琴⼦のあの⽬に導かれて、今まで書いたことのない⾳楽ができたと思っています。この映画で描かれている⼦どもたちと同じような経験をする⼦どもたちがこの先いないように。今そういう状況にいる世界中の⼦どもたちが守られ、やりたいことに挑戦できる⾃由が与えられますように。この映画が多くの⼈たちのもとへ届くことを願っています。
原案・脚本・監督:⻄川美和
2020年のコロナ禍から企画し始めましたが、その頃は、これほど戦争が近い時代になるとは予想していませんでした。
この映画で描かれる物語は、⽇本の観客にとってすでに遠すぎる世界ではないかとも思っていたのに、いつの間にかこわいほど⾝近な物語になってしまったのは、複雑な気分です。⽇本の戦後と、そこに⽣きた⼦ども。それを実写映画で描くのは、とても重たいことです。戦争の惨禍を知らない私がそんな題材をあつかうことに絶えずためらいもありました。いっぽうで、どうせやるならなるべく新しいトーンで、かならず今を⽣きる⼈に届く語り⼝にしよう、これから⼤⼈になる⼈たちにも観てもらえるものにしようと、ものを調べ、⻑い時間をかけて脚本を書いてきました。なんとも⼤掛かりなこの映画にK2ピクチャーズがお⾦を出すと⾔ったときは、私の⽅がびっくりしましたが、その後、すばらしい⽬の輝きを放つ⼩⼋重葵美ちゃんと出会え、「この映画を必ずたくさんの⼈に観てもらいましょう」と⾔ってくれた⼆階堂ふみさんと出会え、そして私が⼼から尊敬するスタッフが集まって、渾⾝の⼒をふりしぼってくれました。⽵野内豊さんは静かな愛情で葵美ちゃんを応援してくれ、⾳楽的な才能にあふれた櫻井海⾳さんも⻑い準備を経て最良の結果を画に焼きつけてくれました。極めつけは原摩利彦さんが̶̶あの『国宝』を経て抜け殻かと思いきや、今作でも新たな試みとともに⼼を鷲掴みにされるような⾳楽を作ってくれて、信じられないことに、あとちょっとで本当に完成しそうです。⾃分の作品だということを時々忘れてしまうほど、きらめきに満ちた作品になっています。みなさん、10⽉の公開をぜひお待ちください。
プロデューサー:⼩出⼤樹
⻄川監督から、この映画を提案いただいたとき、正直、ビビりました。戦後を舞台にした今作においては、巨⼤⽣物は上陸しませんし、タイムスリップを伴う恋愛もありません。⼦どもたちを中⼼とした市井のひとびとが丁寧に描かれていますが、漫画の原作をもたないオリジナルストーリーです。どんな作品になるのか、話を聞いただけでは即座には想像しきれませんでしたし、作り切るのが本当に⼤変だろうと感じました。しかしながら、脚本を読ませていただくと、再び、ビビることになりました。⻄川監督が書かれた物語に惹き込まれたからです。そもそも、⻄川美和監督の作品が、僕は好きです。これまでの多くの作品で男性のキャラクターを主役に据え、ときに情けなく不器⽤で、同時に愛おしい姿を描いてきた⻄川監督が、今作では⼥の⼦をメインキャラクターにすえ、彼⼥が男の⼦だと偽り戦後の⽇本を⽣きていく、そして、彼⼥は少⼥から少しづつ⼥性になっていく姿が、⼤⼈たちとの出会いの中で描かれていました。⻄川監督の描きたい物語を映画という形にして、多くのひとに届けたいと思いました。⻄川組をこれまで⽀えてきたスタッフやキャストの⽅々をはじめ、主演の⼩⼋重葵美さんと、⼆階堂ふみさんといった素敵な俳優の⽅々との出会い、巨⼤⽣物の映画を制作されてきた⽩組さんを筆頭とするVFXチームとの出会い、原摩利彦さんやイタリアの⾳楽チームとの出会い、という、今作で描かれる物語さながらの、多くの⽅々との運命的な出会いに恵まれて、今作は制作されており、完成までもう少しです。劇場に⾜を運んでいただき、この作品を楽しんでいただければと思います。
上映情報
⼩⼋重葵美 ⼆階堂ふみ
羽⼭由⼀郎 ⼩林丞之介 岩⽥⿓⾨ 渋⾕そらじ 武内ひなた
櫻井海⾳ 花瀬琴⾳ ⽵野内豊
原案・脚本・監督 :⻄川美和
⾳楽:原摩利彦
撮影:笠松則通 照明:宗賢次郎 ⾳響:⽩取貢 特機:上野隆治 美術:三ツ松けいこ 装飾:須坂⽂昭
⾐裳デザイン:⼩川久美⼦ ⾐裳:岩﨑⽂男
ヘアメイクデザイン:酒井夢⽉ スクリプター:⽥⼝良⼦ 編集:菊池智美 ⾳響効果:北⽥雅也
キャスティング :⽥端利江 、⼭下葉⼦
助監督:中⾥洋⼀ 制作担当:⼭内遊 VFXスーパーバイザー:上⽥倫⼈、髙橋正紀 ⾳楽プロデューサー:杉⽥寿宏
ラインプロデューサー:横井義⼈
製作:紀伊宗之 プロデューサー:⼩出⼤樹、伊藤太⼀
製作・配給:K2 Pictures 共同製作:AOI Pro. 企画:分福 制作プロダクション:AOI Pro.
戦争で家族と⽇常を奪われた12 歳の少⼥・琴⼦(⼩⼋重葵美)は、⽣き延びるために⾃らの性別を隠し、“少年”として⽣きることを選んだ。進駐軍相⼿の慰安施設や路上売春が広がる時代の中で、少⼥であること⾃体が危険となる現実から逃れるための決断だった。⾳楽家の⽗(⽵野内豊)のもとで穏やかに暮らしていた琴⼦の⼈⽣は、敗戦によって⼀変し、「⾃分⾃⾝を⼿放す」という過酷な選択を迫られる。
⼀⽅、かつて琴⼦が疎開した学校の教師・曽根(⼆階堂ふみ)もまた、戦時中は軍国主義教育に加担していた側だったが、敗戦によって信念も⽴場も失い、過去の責任と向き合いながら⽣きることを余儀なくされていた。加害と被害、そのどちらにも割り切れない現実の狭間で揺れ動きながら、それでも今⽇を⽣き延びようとする曽根。
“少⼥”を棄てた琴⼦はどこへ向かうのか。そして曽根は、再び⼈として⽴ち上がることができるのか。戦争によって運命を⼤きく変えられた⼆⼈の、⽣と再⽣の物語。