舞羽美海×久保田秀敏×佐奈宏紀×平体まひろ unrato#14『夢去りて、オルフェ』インタビュー

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2026.8.19
左から 久保田秀敏、舞羽美海、平体まひろ、佐奈宏紀

左から 久保田秀敏、舞羽美海、平体まひろ、佐奈宏紀

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演劇ユニットunratoが、2026年8月21日(金)より東京芸術劇場シアターウエストで劇作家・清水邦夫氏の名作『夢去りて、オルフェ』(大河内直子演出)を上演する。

本作は、1988年の木冬社での再演以来上演されていない戯曲。第二次世界大戦に足を踏み入れた1939年、北陸・酔ヶ浜の焼け跡となった遊園地が舞台となる。主人公は、北一輝を信奉する国語教師の桂木一機と、血の繋がらない妹のぎん。ぎんが一機から「助けてほしい」と連絡を受け故郷に帰ってくる。虚実ないまぜの会話から故郷の人々の心情や関係性が交差していき……。

個性豊かな登場人物の中から、一機とぎんの妹・新子役の舞羽美海、新子の夫・敬二役の久保田秀敏、陸軍少尉・鉄平役の佐奈宏紀、鉄平の義姉・夢野役の平体まひろに話を聞いた。

――出演が決まったときの気持ちと、実際に稽古をしてどのように感じたかを聞かせてください。

佐奈:歌やダンスが組み込まれている舞台に出演することが多く、ストレートプレイは久しぶりだったので、どこまで自分の力を発揮できるのかと背筋が伸びる思いでした。
今までに出演してきた演劇とは作り方が根本から違うと感じ、チャレンジ精神を持ちつつも、何から取り掛かればいいか初めは漠然としていました。それが、稽古をやればやるほど課題が明確になり、理解度が上がり、作品に必要な僕の要素はこれだ!とはっきりしてきたので、今はそれをひとつずつクリアしようと前向きな気持ちです。

舞羽:共演者の方々を知ったときはとても嬉しくて、喜びと同時に、頑張らなければと感じました。戯曲を自分で読み解くことも大事ですが、皆さんと一緒に稽古をしたらどのような発見があるのだろうと待ち遠しかったです。
清水邦夫さんの戯曲はきっと大真面目だと予想していたのですが、読み合わせをしてみると意外とコミカルで、狙った笑いではなく、皆が真剣に生きていることを面白く描いている作品だと気付きました。稽古中の今は、まだ迷宮入りしそうな瞬間もありますが、自分の軸をしっかり持っていれば、清水さんの美しい言葉にそのまま乗っかっていけると感じています。

平体:清水邦夫さんの作品に出演するのは初めてです。清水さんの言葉と世界観に、役者として自分の身を投じられることを嬉しく思いました。
一人で読むだけでは雲をつかむようで、なかなか世界が構築されていかなかったのですが、読み合わせをたくさんしたことでやっと見えてきました。登場人物が皆、人のことを想っているようで実は自分勝手だったりと、ある種、人間のくだらなさも描かれています。けれどその中に時代性も垣間見えるし、もがきながら生きている人々が廃墟の遊園地で出会うという設定も素敵です。傍から見たら滑稽なことでも、当事者は一生懸命。命を燃やすとはそういうことだ、と自分自身を顧みながら向き合っています。

久保田:清水邦夫さんの作品に出演することも、大河内直子さんの演出を受けることも初めてですが、不安より期待が大きかったです。濃密な会話劇を作るぞ!という思いで臨みました。
いざ稽古が始まると、戯曲を読み解くのにとても時間がかかり苦労しましたが、今が頑張りどころです。稽古が残り一週間ほどの現段階で、徐々に大枠ができてきて、やっとこれから面白くなっていくと感じています。

――これまでのどのような経験を活かして作品に挑んでいますか?

佐奈:スポンジ的精神です!毎日の稽古で見るもの、聞くもの全てが新鮮で、皆さんの意見やアイディアをスポンジのように吸収しています。どのような意見でも飲み込める性格を活かせていると感じますね。

平体:大人になって色々な人と喋れるようになったことです(笑)。人と何かを創るとはどういうことなのかが少しずつですが分かってきて、私も皆さんの意見を自ずと吸収できている気がします。

佐奈:コミュニケーション必須の作品ですよね。

平体:あと、着物が好きなことが活かされています!

久保田:僕が演じる敬二は、つかめそうでなかなかつかめない役で、この作品においてどのような立ち位置でいればいいのか、資料を読みながら今も悩んでいます。取り入れることができたものといえば、普段からかけている眼鏡ですね。衣裳合わせのときはかける予定ではなかったのですが、稽古を進めるうちにいつの間にか眼鏡キャラになりました(笑)。

平体:数学教師の役ですもんね。銀縁眼鏡って数学教師っぽい(笑)。

久保田:ストレートプレイもミュージカルも、コメディもエンタメも、オールジャンルに出演経験があるからこそ思うことは、作品に合わせて演じ方や表現の仕方を毎回変えているということです。それぞれの作品に沿うメソッドがあると思っているので、今回も自分の持っている引き出しから必要な部分を引っ張り出して演じています。

舞羽:今回は、自分の経験を活かすことよりも、大河内直子さんの演出にどっぷりはまりたいという気持ちが強いです。そして、共演者のパワーを受け取ることを大切にしています。私が演じる新子は、目の前で起きていることにすぐに反応して行動し、後から心がついていく役なので、今はその瞬発力の高さに乗っかってみようという思いです。

――共演者の面白いところや尊敬するところを教えてください。

平体:舞羽さんのことが稽古初日からずっとツボです!新子のせりふは、鉄球がストレートでぱーん!と飛んでくる感じで清々しいです。そのエネルギーで稽古場の空気が自然とゆるむ。この作品とこの座組の、清涼剤のような方だと勝手に感じています。ぜひ、ご注目ください。

舞羽:私は、平体さんが演じる夢野を見たときに作品がつかめたんです。それも、せりふを言っているときではなく、まわりの人が話すのを聞いているときの演技で!戯曲に書かれていること以外の部分から役を読み解き、深めていくスピード感がすごいと思いました。それから、同じことを繰り返さずに毎回挑戦するメンタルの強さも素晴らしいです。あと、着物の帯の新しい結び方を教えてくださり、バリエーションが増えました!

佐奈:空気感がすでに作られているところに、いきなり敬二が飛び込んでくるシーンの、久保田さんの作り込みがすごいです。パワーだけでは決して乗り切れない難しい場面でエネルギッシュに登場し、皆を翻弄し、ガラッと空気を変えてくれます。戯曲に一見ヒントがない敬二という役に向き合う勇気と、準備にすごく時間をかけていることが想像できる姿を尊敬しています。

久保田:舞羽さんのよく通る声は説得力を持っていて、お客さんに情報がガツンと届くと思います。新子のようなハキハキしているキャラクターがいると、安心して作品を見ていられますね。平体さんが演じる夢野は繊細な役柄ですが、平体さん自身も繊細で感受性が豊かで、一つひとつの言葉をしっかりキャッチしているから、見ている側が夢野にすごく感情移入できます。佐奈さんは登場した瞬間に目が奪われます。華がある!ずるい!(笑)

佐奈:いやいや、久保田さんこそ!(笑)

――それでは最後に、見どころ、お客様へのメッセージをお願いします。

佐奈:毎日とても丁寧に稽古を進めています。登場人物も見ている側も、全員が翻弄されていくようなこの作品の魅力、何が真実で何が嘘なのかわからなくなり転がされる感じを、ぜひ楽しんでほしいです。

舞羽:全力で生きる登場人物たちのエネルギーを懐かしむ方もいるだろうし、こんな時代があったのかと初めて知る方もいると思います。いつの時代も生きることは難しいですが、精一杯、自分に嘘なく生きていけたらいいなと感じられる作品です。どのようなかたちでもいいので、何か受け取っていただけたら嬉しいです。

平体:自分の身を投げ出して作品の流れにたゆたってほしいです。命のきらめきがいたるところにはりめぐらされている演劇なので、光っているものを自分なりにつかんでいったら、虚実ないまぜのこの作品の中に面白い何かが見えてくるはずです。

久保田:何回も見るといい作品です。こんなにいろいろな人の感情があるんだ、この時代に必死に前を向いて歩いている人がいたんだ、と気付くことができると思います。それが生きるヒントになれば嬉しいです。美しく深い言葉がたくさん出てくるし、ほかの作品のせりふや詩が引用されているので、それを見つける楽しみ方もできます!

写真=交泰

公演情報

unrato#14『夢去りて、オルフェ』
 
作:清水邦夫
演出:大河内直子
音楽:三枝伸太郎

 
出演:大石継太、朝海ひかる、舞羽美海、久保田秀敏、佐奈宏紀、平体まひろ(文学座)、田野聖子、加納幸和(花組芝居)、小栁喬(演劇集団円)、中村茉夢、田仲ゆら、綾部遥斗、田﨑斗翔、泉愛菜
 
《会場》東京芸術劇場シアターウエスト

《日程》
8月
21日(金)18:30 ◇
22日(土)14:00
23日(日)14:00
24日(月)14:00/18:30 ★
26日(水)14:00/18:30 ★
27日(木)14:00
28日(金)14:00
29日(土)14:00/18:30 ★
30日(日)14:00

 
《料金》
一般 8,800円
◇初日割 7,700円
★夜割 7,700円
シニア割(65歳以上)7,700円
学生 5,500円

販売中
8月20日(木)より当日引換券販売開始
https://eplus.jp/yumesariteorpheus/
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