NODA・MAP第20回公演「逆鱗」ゲネプロレポート

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2016.2.4

豪華キャストが演じる、戦慄の「人魚物語」開幕!

1月29日(土)から東京芸術劇場プレイハウスにて上演されている、NODA・MAP第20回公演「逆鱗」。 初日の前日となる28日(金)には公開ゲネプロ(最終総通し稽古)が行われ、ついに、その全貌が明らかとなった。演劇ファンならずとも期待が高まる豪華キャストが集結し、客席を震撼させた、2時間ノンストップ、休憩ナシの本作。その模様をレポートする。まずは、ダイジェスト動画から御覧いただきたい。


物語の舞台は、とある海中水族館。人気の「イルカショー」にあやかり、「人魚は、いるか?ショー」を開催することになったこの水族館では、新たに「人魚」を公募することにする。人魚学の教授・柿本魚麻呂(野田秀樹)、バリバリの理系女の研究者・鵜飼ザコ(井上真央)、水族館の館長・鵜飼綱元(池田成志)らが話し合いを重ねる中、警備員のサキモリ・オモウ(阿部サダヲ)、電報配達員のモガリ・サマヨウ(瑛太)らもその計画を手伝うことになるが、そこへ突然、NINGYO(松たか子)と名乗る女性が、オーディションに現れて……。

前半は、阿部サダヲ扮する警備員や、毎日水族館に通いつめている鰯ババア(銀粉蝶)、サカナ君ならぬイルカ君ファッションの水族館職員(満島真之介)らが、軽妙なやりとりで客席を湧かせながら、テンポよく進む。セットや小道具の使い方もユニークで、魚の大群を演じるアンサンブル達が動かす水族館のキラキラ光る水槽のガラスが面白い。随時ポジションを変えていく、その水槽ガラス越しに見えるアンサンブル達の姿は、まるで本当に魚が泳いでいるかのように見えて幻想的。映像で表現される人魚たちが生息する海中風景も、美しく楽しめる。

しかし、「人魚や魚のウロコとかけての、『逆鱗』なのね」などと思いながら、のん気にステージ上の演出を楽しみながら観ていると、物語中盤、雰囲気は一変する。気がつけば観客は、無邪気で愉快、そして無防備な登場人物達と共に、深い深い海底へと引きずり込まれていく。

本作の開演前に会場内に流れていた音楽はパンクロック(Sex Pistols)だったが、古い価値観や習慣を手放す必要性も、痛烈に感じさせられる作品だ。

豪華キャスト達の魅力やパフォーマンスが存分に楽しめる内容となっている点も魅力。野田のメッセージを、静かに、辛抱強く、慈悲深く伝えるNINGYO(人魚)役の松たか子の女神的な姿も忘れがたいし、12年ぶりの野田作品出演となる阿部サダヲや、初めてのNODA・MAP出演となる満島真之介は、生命力溢れる愛すべき普通の人々を生き生きと演じ共感を誘う。陸上(現在)と海底(過去)を行き来するキーマンを演じる瑛太、コケティッシュで小悪魔的な理系女役の井上真央、狂気を感じる館長役の池田成志、ミステリアスで超然とした銀粉蝶も、それぞれ存在感があり見ごたえがある。

全68公演を予定している本作は、野田秀樹作品初体験の人達にとっても、心をうつものとなるに違いない。東京芸術劇場でプレイハウスでの公演は、3月13日(日)まで。その後は、大阪のシアターBRAVA!で3月18日(金)~3月27日(日)、北九州劇術劇場・大ホールでは3月31日(木)~4月3日(日)、上演される。

チケットは既にほぼ完売状態だが、全公演、毎日当日券も用意されているそうなので、興味のある人は、是非足を運んで観てみてほしい。

公演情報

NODA・MAP第20回公演「逆鱗」

■作・演出:野田秀樹
■出演:松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲ、池田成志、満島真之介、銀粉蝶、野田秀樹、ほか
■公式サイト:http://www.nodamap.com/gekirin/

<東京>
■日時:2016年1月29日(土)~3月13日(日)
■会場:東京芸術劇場プレイハウス
<大阪>
■日時:2016年3月18日(金)~3月27日(日)
■会場:シアターBARAVA!
<北九州>
■日時:2016年3月31日(木)~4月3日(日)
■会場:北九州劇術劇場大ホール
 
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