テアトル・ド・アナールの代表作『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』3月、再々演!

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2016.2.16
 撮影=引地信彦

撮影=引地信彦


テアトル・ド・アナールの代表作『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』が圧倒的な好評を得て、3月2日(水)から東京にて再々演される。

2012年1月、作家・演出家・翻訳家の谷賢一が立ち上げたユニット、Théâtre des Annales(テアトル・ド・アナール)。
そのテアトル・ド・アナールの代表作にして、その長いタイトルでも話題の舞台『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“――およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』が、再々演として東京・SPACE 雑遊で上演される。

撮影=引地信彦

撮影=引地信彦

撮影=引地信彦

撮影=引地信彦

撮影=引地信彦

撮影=引地信彦

以下、作・演出家 谷 賢一氏からのコメント。

谷 賢一コメント(作・演出)

「何だか有名だけどよく知らない、すごく変人ぽいけど20 世紀最大の哲学者らしい、ウィトゲンシュタインという男がいる。第一次世界大戦の前線でバンバン大砲ぶっ飛ばしながら、夜な夜なノートに向かって『哲学』していたらしい。名前も面白いし、人生も面白い。よし、ここは一つ、芝居のネタにしてみるか」きっかけはそんないい加減なものだったが、彼の哲学と生き方は、私の世界をがらりと変えてしまった。もう彼を知る前と同じようには世界を見れないし、言葉や物体が持つ意味や、「私」という存在の意味、幸福とは何か、そしていかにして人は幸福たり得るか、そういったすべてを彼の哲学は塗り替えてしまった。
 
彼の主著『論理哲学論考』が書かれたのはもう100 年近く昔のことだが、今読んでも色褪せない。「西洋哲学の歴史とはプラトンへの膨大な注釈に過ぎない」という言葉があるが、ウィトゲンシュタインは歴史上はじめて「プラトンへの注釈」という軛(ルビ:くびき)を逃れ、「言語論的転回」と呼ばれる哲学史上最大のパラダイム・シフトを成し遂げた。
 
「ことば」を通じて世界を考えた彼の哲学は、同じく「ことば」を通じて世界を捉えようとする我々劇作家にとっても無視できないものだし、普段「ことば」で生きている私たち現代の人間にとっても斬新なものである。
しかし彼はただ「ことば」について考え続けた男ではない。「ことば」を通じて世界と私の関係を捉える先に、「どうやったら私は幸せになれるだろうか」と考え抜いたのだ。弾丸の雨降り注ぐ戦場で、彼もまた生に悩む哀れなアラサーに過ぎなかった。同性愛に悩み、人生の無意味さに苦しみ、自分の命を試す覚悟で哲学的思考をノートに書き続け、自ら志願して前線へ飛び出していったウィトゲンシュタインは、文字通り命懸けで生について考えていた。
 
これはそういう話である。
古くなるとか、廃れるとか、そういう話ではない。だから再演する。
是非観に来て欲しい。

本作は3月2日(水)~3月6日(日)まで、東京・SPACE 雑遊、3月9日(水)には、新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場で上演される。

詳細は公式サイトで。

テアトル・ド・アナール vol.4 『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』 <凱旋公演決定> 公式サイト
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(文:エントレ編集部)


公演情報
Thaetre des Annales vol.4
「従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“――およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語」
【作・演出】谷 賢一
【出演】古河耕史 / 榊原毅 / 大原研二 / 小沢道成 / 本折智史
2016年3月2日(水)~6日(日)/東京・SPACE 雑遊
2016年3月9日(水) /新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
エントレ
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